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2018年11月 9日 (金)

魅力を再認識

Title:miwa THE BEST
Musician:miwa

今年、デビュー8年目を迎えたシンガーソングライターmiwaの初となるベストアルバム。 デビュー直後にブレイクし、その後、積極的にシングルをリリースしている彼女なだけに、デビューからまだ8年というのはちょっと意外な印象を受けます。本作ではデビュー以来、今年5月にリリースしたシングル「アップデート」までの全24枚のシングルを(ダブルA面曲を含め)全曲、リリース順に収録した内容となっています。

miwaに関してはいままで基本的にオリジナルアルバムは一通り聴いてきました。彼女のようなタイプのポップなメロをシンプルなギターロックに載せて聴かせるというガールズロック的なタイプのミュージシャンが個人的に好みなので・・・ということもあったのですが、ところどころでポップなメロが耳を惹くものの、基本的には典型的なJ-POPで良くも悪くもありがちなポップスミュージシャンという、どちらかというとネガティブな印象も受けていました。

ただ、今回、シングル曲をこうやって並べたベスト盤をあらためて聴いてみると「なんだかんだ言って、なかなかいいじゃん」というポジティブな印象を強く受けました。メロディーラインは十分なインパクトもあり、アルバムの中では若干いろいろなジャンルに手を伸ばしすぎのように感じたのですが、シングルではロック寄りの曲、打ち込みを入れた曲、アコースティックなナンバー、ホーンを入れた曲など、基本的にはシンプルなギターロックを中心としてほどよいバランスも感じられ、それなりに統一感を感じられました。

特にメロディーラインについては、ところどころに私にとって壺にはまるグッとくるメロディーラインが顔を覗かせたりしており、私にとっては大きな魅力になっています。個人的に好きなのが「ミラクル」のサビの回転するかのようなフレーズだとか、「360°」の半音ずつ徐々に上昇するようなサビのフレーズだとか、個人的にはかなりの壺です。

ほかにも「Kiss you」の軽快なフレーズとか「fighting-φ-girls」の疾走感ある爽やかなフレーズなども魅力的。ベタベタな歌謡曲路線とはいえ「夜空。」なども仰々しくも哀愁たっぷりのメロディーが大きなインパクトとなっています。

歌詞は基本的に「片想い」「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」のような女の子の気持ちをストレートに歌ったラブソングやブレイク作になった「chAngE」や「fighting-φ-girls」のような前向き応援歌がメイン。ここらへんはいかにもJ-POP的という印象も受けるのですが、女の子の気持ちをストレートに歌ったラブソングは具体的に歌われた歌詞の内容といい、あらためて聴いてみるとなかなか心に響くものがあります・・・が、なんとなく「女の子の飾らない本音」というよりは、「男の子がイメージしそうな『女の子の本音』」といった印象も。正直言うとmiwaは女性陣からは「あざとい」と嫌われがちなのですが、その理由がここらへんにあるのかなぁ、なんていう印象を受けました。

そこらへん本作にも収録されている「Princess」あたりはいかにもといった感じで、男性視線でもちょっとあざといと感じてしまう部分も(^^;;まあ、そんな点含めて、野郎には魅力的といえば魅力的なのですが・・・。

そんな訳で正直アルバム単位だと彼女の「悪い」部分ばかりが目立ったような印象もありますが、シングルのみをまとめて聴くと、彼女の「良い」部分がきちんと集約されていたように感じます。そういう意味でも彼女は典型的なシングル向けのミュージシャンなのかも。miwaの魅力を再認識できたベストアルバムでした。

評価:★★★★★

miwa 過去の作品
guitarium
Delight
ONENESS
SPLASH☆WORLD


ほかに聴いたアルバム

スキマノハナタバ~Love Song Selection~/スキマスイッチ

デビュー15周年を迎えたスキマスイッチが「記念日に贈りたい曲、記念日に聴きたい曲」をテーマに楽曲を選挙区したセレクションアルバム。ミュージシャン名にかけている訳ではありませんが、オリジナルアルバムの間の隙間を埋めるだけの企画といった感じ・・・。ライブアルバムを含め、彼ら、こういう「企画盤」的なアルバムが妙に多いような印象も。選曲的にも楽曲自体ももちろん申し分ないのですが、よほど熱心なファン以外には積極的におすすめはできないかも。楽曲自体は申し分なく5つですが。

評価:★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ
TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL
POPMAN'S ANOTHER WORLD
スキマスイッチTOUR2016"POPMAN'S CARNIVAL"
re:Action
新空間アルゴリズム

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