キュートなボーカルが魅力的なレトロポップ
Title:SOLEIL is Alright
Musician:SOLEIL
現在、15歳の美少女、それいゆのボーカルを中心に結成された3人組バンドSOLEIL。とてもキュートな彼女のボーカルが歌うのは60年代のマージービートそのままなルーツ志向のロックンロールサウンドということでも大きな話題となりました。そのメジャーデビュー作「My Name is SOLEIL」から半年、早くも2枚目となるニューアルバムがリリースされました。
前作も数多くの豪華なミュージシャンたちが楽曲を提供していましたが、今回も豪華。メンバーのサリー久保田(元ザ・ファントムギフト、les 5-4-3-2-1)や中森泰弘(ヒックスビル)はもちろんのこと、前作から引き続き元ピチカート・ファイブの高浪慶太郎に、本作ではクレイジーケンバンドの横山剣、スカートこと澤部渡、GO-BANG'Sの森若香織に原田真二という層々たる面子が参加しています。
楽曲の基本的なスタイルについては前作と同様で大きな変化はありません。60年代ロックンロールそのままな楽曲をそれいゆのキュートなボーカルで歌い上げるスタイル。ルーツ志向のシンプルなサウンドが彼女のアイドルばりのボーカルに意外とマッチ。彼女のボーカルスタイル自体、今風のアイドルというよりは60年代のガールズポップと彷彿とさせる部分があり、そういう意味でも楽曲にマッチし、レトロな雰囲気を醸し出しています。
今回もThe Beatlesの「TAXMAN」にインスパイアされたような「太陽がいっぱい」からスタートし、続くSOLEIL流フィル・スペクターサウンドの「Baby Boo」はとにかくキュートなメロディーラインに胸を締め付けられるような楽曲。軽快なサマーポップの「夏の終わりのシルエット」やネオアコ風の「卒業するのは少しさみしい」もそれいゆのボーカルのかわいらしさをいかしたキュートなポップスに。
ボ・ディドリービートで軽快に聴かせる「Sweet Boy」も耳を惹きますし、続く「Hong Kong Chang」はどんなスタイルになっても隠し切れない横山剣節が魅力的なエスニック風チューン。今回のアルバムの中ではちょっと異色な楽曲に仕上がっています。そしてラストはキュートなポップチューン「恋の発熱40℃」からインストチューンの「UFO」で締めくくり。最初から最後までキュートなボーカルによって見事にコーティングされたスイートなポップチューンが続いていきます。
上にも書いた通り、基本的には前作と同じスタイルなのでアルバムとしては大きな変化はありません。そういう意味では前作と比べると甲乙つけがたいという感じなのですが、今回のアルバムは前作に比べると、それいゆのキュートなボーカルをより生かした楽曲が多かったようにも思います。そういう意味では個人的には1枚目より本作の方が好きだったかも。とにかく心地よいポップスアルバムでこれからの活躍も楽しみになってくる傑作アルバムでした。
評価:★★★★★
SOLEIL 過去の作品
My Name is SOLEIL
ほかに聴いたアルバム
KBB vol.2/KANA-BOON
KANA-BOONのシングルのカップリング曲を集めた、いわゆる「B面集」の第2弾。基本的にはアップテンポで疾走感あるギターロックの作品が多く、ある意味KANA-BOONらしい曲がつまっています。カップリングらしい、アルバムにも収録しずらい、KANA-BOONの意外な側面が知れるような曲もあってもおもしろかったとは思うのですが・・・。
評価:★★★★
KANA-BOON 過去の作品
DOPPEL
TIME
Origin
NAMiDA
KBB vol.1
アスター
red/藤原さくら
前作「green」からわずか3ヶ月のスパンでのリリースとなった新作は6曲入りのミニアルバム。タイトルからもわかりやすいのですが、前作「green」の続編的な作品になっています。前作に比べると秋口にリリースされたアルバムということもあり、暖かい雰囲気のミディアムテンポナンバーが多い本作。今回もルーツ志向の色合いが濃い、特にオーガニックな色合いが強いアルバムに仕上がっています。こういうタイプのミュージシャンで、かつ楽曲にインパクトもあり、ルックス的にも・・・という女性ミュージシャンは数少ないだけにがんばってほしいところなのですが・・・。もっともっと高い評価を得てもいいと思うんですけどね。今回も文句なしの傑作アルバムでした。
評価:★★★★★
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