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2018年10月16日 (火)

貴重な映像と音源たっぷりのトークショー

クレイジーキャッツのクレイジー・ナイト

日時 2018年10月9日(火) 19:30~ 会場 TOKUZO

今回の「ライブレポート」は正確に言うと音楽の「ライブ」レポートではありません。先日、クレイジーキャッツの音楽を取り上げた評論本「クレイジー音楽大全」を紹介しました(その時の感想記事はこちら)。その書籍発売を記念して行われたトークライブが今回紹介する「ライブ」。同書の著者である佐藤利明氏、音楽評論家の小川真一氏、そしてここでもよく紹介する戦前SP盤復刻レーベル「ぐらもくらぶ」の主宰者である保利透氏を迎えてのトークライブとなっていました。

実は前回「クレイジー音楽大全」を紹介した後、クレイジーキャッツの音源についても興味が沸き、植木等の音源を網羅的に収録した「植木等伝説」というCDを購入し聴いてみました。

さすがにかつて一世を風靡したグループとはいえ、もう50年以上前の話。さすがに今の耳で聴くと厳しいかな・・・と思って聴いてみたのですが、これが今の感覚で聴いても予想以上に楽しく、すっかりはまってしまいました。そのため一気にクレイジーキャッツに対する興味のわいた今日この頃、今回のトークライブについても楽しみにして足を運びました。

会場のTOKUZOはなかなかの盛況。たださすがにほとんどの方がクレイジーキャッツをリアルタイムで見ていた60代以上くらいの世代の方で、さすがにアラフォー世代はほとんどいなかったような・・・。まあ仕方ないですよね・・・(^^;;

さてトークライブは定刻通りにスタート。最初は昔、クレイジーキャッツが出演していたというサントリーのビールのCMが流れ、みんなで乾杯を唱和し、和気藹々とした雰囲気からスタート。最初はクレイジーキャッツ各メンバーの紹介と各々ソロ演奏の映像が流れます。ちなみにこの日はライブのためだけに門外不出の映像なども持ってきていたそうで、ここで見た映像はSNSなどでも内緒にしてほしいと言われてしまいました(笑)。

この日のトークライブは全2部制。最初の第1部は基本的に書籍「クレイジー音楽大全」に沿った内容。基本的に佐藤利明氏のトークによりすすんでいきます。主にハナ肇、植木等、谷啓のクレイジーキャッツ結成以前の活動からスタートし、クレイジーキャッツ結成、そして「しゃぼん玉ホリデー」で大ブレイクするまでの経緯が語られました。

内容は書籍にも書いてあることがメインなので、「音楽大全」を読んでいたら、「ああ、本にも書いてあったな」というエピソードが主。とはいえ、要所要所に当時の貴重な映像や音源が入ったり、特にクレイジーキャッツ結成以前のエピソードについては、ハナ肇や谷啓みずから語る音声も流れたりして、強く印象に残りました。

第1部で特に印象に残ったのはシングル「スーダラ節」のジャケットに記載された謎のアルファベットについてのエピソード。「クレイジー音楽大全」の表紙には「スーダラ節」のジャケット写真が用いられているのですが、この左下に「宮間利之とニュー・ハード・オーケストラ(WPT)」と記載されています。そして、このWPTが何かということが大きな謎だったそうです。それが最近、実はこれ、渡辺プロダクションのロゴをここに入れるという矢印での指示(WP(渡辺プロダクション)↑)が誤ってそのまま印刷されたということが判明したとか。誤植がそのまま残っているというのにその時代のおおらかさを感じます。

なお、1986年にリリースされた「新五万節」はこの「スーダラ節」のジャケットをそのままパロディーにしたジャケットになっているのですが(「クレイジー音楽大全」の裏表紙になっています)、例の部分には「ヤング大滝と実年マーチング・バンド(AOT)」と記載。こちらの「AOT」がなんなのか、こちらは謎のまま(ちなみにジャケットを作成したのはかの大滝詠一だそうですが)だそうで、今後の課題だそうです。

ほかにもパイロット版だけ残っているクレイジーキャッツ主演の幻の主演番組「どら猫キャプテン」の映像が流れたり、クレイジーキャッツ加入以前に植木等と谷啓が所属していたフランキー堺とシティ・スリッカーズの映像が流れたりと、興味深い映像を次々とみることが出来ました。

この第1部が約1時間半程度。この後10分弱の休憩をはさみ第2部となります。第2部は時間の許す限りクレイジーキャッツのヒット曲の映像を流しつつ、その曲にまつわるエピソードを語る内容に。こちらもかなり貴重な映像の連続。彼らの最初のレコーディング作「珍説ひつじ物語」や、歌詞の内容が問題となりすぐに回収となった「五万節」のオリジナルバージョンなども流れ、非常に興味深く聴くことが出来ました。

第2部は1時間強。計2時間半強のかなりボリュームのあるトークライブ。実はライブはほとんど佐藤利明氏の語りで小川真一氏と保利透氏はほとんど何も語らず終わってしまったのですが(^^;;ただ貴重なエピソードも満載。さらにクレイジーキャッツの話を嬉々として語る佐藤利明氏は心の底から本当にクレイジーが好きなんだろうなぁ・・・と感心しました。

そんな訳で非常に充実した2時間半。かなり楽しくお話を聴くことが出来ました。なによりも数多くの貴重な映像と音源でクレイジーキャッツの魅力により深く触れることが出来、ますます後追いながらもクレイジーキャッツにはまってしまいそうです。

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