Odd Futureの一員だけども。
Title:Hive Mind
Musician:The Internet
ある意味、名前があまりにもそのまんまなThe Internet。Tyler,The Creator率いるHIP HOPグループOFWGKTAのメンバーであり、自らもプロデューサーとして活躍しているSyd the Kydと同じくOFWGKTAのメンバーであり、彼もまたプロデューサーとして活躍しているMatt Martiansを中心とした、現在は5人組によるバンド。彼らっまた、Tyler,The Creator率いるHIP HOP集団、Odd Futureに所属していることでも知られています。
本作はそんな彼らの約3年ぶりとなるニューアルバム。Odd Futureに所属、ということでHIP HOPのグループのように思われるかもしれまえせんが、彼らの楽曲は主に歌モノがメイン。それも女性ボーカリストでもあるシドがボーカルを取る曲が多く、メロディアスでメロウな曲が多いのが実に魅力的。「Come Over」などもちょっと気だるげにメロウに聴かせるボーカルが魅力的なのですが、特に魅力的だったのが「Stay The Night」。ウィスパー気味のボーカルが実に美しく、しんみりと聴き入ってしまう楽曲になっています。
その後も哀愁感漂う「Mood」、ハイトーンボイスで美しく聴かせる「It Gets Better(With Time)」など、実に美しくメロディアスに聴かせるナンバーが並んでいます。なにげにウイスパー気味で幻想感あるボーカルを伸びやかに美しく聴かせるシドのボーカルが魅力的。まずこのボーカルに聴き入ってしまう内容になっていました。
また、メロディーラインに関しては比較的シンプルでわかりやすいフックを利かせたフレーズが登場する曲が多く、どこか90年代っぽさを感じ、懐かしさすら感じられました。いい意味で耳馴染みのあるフレーズという印象も強く、そういう点からも最後まで楽しめる内容になっていたと思います。
もっとも一方ではタイトル通りのファンキーなグルーヴを聴かせる「Roll(Burbank Funk)」あたりが典型的なのですが、単純な90年代風な感じとも異なるグルーヴ感を覚える曲が多かったほか、例えば「Bravo」や「Next Time/Humble Pie」など低音を重視した強いビート感など、HIP HOP的な要素は強く感じます。そういう意味では今時のHIP HOP的なグルーヴ感もしっかり取り入れたバンドというイメージも強く感じてました。やはりOdd Futureに所属するグループらしい、といった感じでしょうか。
基本的にいい意味で聴きやすくポップにまとまっており、ちょっと懐かしさを感じる要素と、今時を感じる要素がほどよいバランスで両立しているように感じます。特にその美しいボーカルやメロディーラインに終始聴きほれてしまうアルバム。個人的には年間ベスト候補の傑作アルバムだと感じました。HIP HOP集団の・・・というよりはむしろR&B、それも90年代あたりのものが好きなら文句なしに気に入りそうなアルバムだと思います。とにかく気持ちのよい1枚でした。
評価:★★★★★
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