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2018年8月 7日 (火)

息の合った夫婦デゥオを聴かせる

Title:EVERYTHING IS LOVE
Musician:The Carters

7月、突然ストリーミングにてリリースされたThe Cartersというミュージシャンのアルバム。当初からこのリリースがかなり話題になっていたので「誰?」と思ったのですが、実はこれ、かのBeyonceとJAY-Z夫妻によるユニット。「カーター」というのはBeyonceとJAY-Zの苗字だそうで、「カーター一家」といった感じでしょうか。超大物同士のコラボに騒然となりました。(なのですが全米アルバムチャート2位だったというのは、大物同士のコラボが必ずしも大ヒットにならないという傾向は日米同様のようです)

まずやはり目立つのはBeyonceのボーカル。1曲目「SUMMER」からまずはBeyonceの力強いボーカルが気持ちよいソウルテイストの強い曲からスタート。「713」では力強いボーカルに加えてラップまで披露していますし、なによりも魅力的なのが「FRIENDS」。終始彼女の悲しげなボーカルで歌われる哀愁感たっぷりのメロディーラインが魅力的。決して力強く歌い上げるナンバーではないのですが、確実に歌の魅力が伝わってくるナンバーになっています。

そんな訳でアルバム全体としてはまずはBeyonceのボーカルがが魅力的なアルバムになっているのですが、ただJAY-Zだって決して負けてはいません。どの曲でもBeyonceのボーカルの中でしっかりと彼のラップにも主張が感じられます。Beyonceのボーカルが主でJAY-Zのラップが従といった曲の構成にはなっておらず、イメージとしてはBeyonceとJAY-Zが夫婦でデゥオをしているといった感じの構成になっていましたし、浮気騒ぎとかいろいろとありましたがそこはさすがに夫婦。息の合った「デゥオ」を聴かせてくれています。

そこらへんが一番顕著だったのはラストの「LOVE HAPPY」。タイトルからして明るい雰囲気なのですが、全体的にダークな色合いが濃い作品の中でも比較的、力の抜けた明るい雰囲気を感じさせるナンバー。ここでは完全に息の合った2人の掛け合いを聴かせてくれます。

特にこの曲はラストに「We came and we conquerd, now we're happy in love」という歌詞で締めくくられており、要するに「私たちは困難を乗り越えて、今、幸せだよ」と歌われています。まあ、こうやって2人で組んでアルバムを出そうというのですから、今、2人は上手くいっているのでしょう。上に書いたように暗い雰囲気も感じるアルバムですが、最後の最後は明るい雰囲気で、どこか爽やかさの残る聴後感を残すアルバムになっていました。

サウンド的には全体的に重低音にシンプルなリズムトラックという、決して目新しい感じはしないのですが、今風なサウンド。「NICE」「BLACK EFFECT」など、最近話題のトラップミュージックの影響を強く感じさせる曲もあります。一方、Beyonceのボーカルの影響もあってか、昔ながらのソウルフィーリングも強く感じさせる部分もあり、そういう意味では最新のHIP HOPを取り入れつつ、ソウルミュージック的な魅力もしっかりと感じさせるアルバムになっていたと思います。非常にバランスの良さも感じます。

Beyonceといえば、直近のアルバム「Lemonade」も大傑作でしたが、その勢いを引き継いだかのような、おそらく今年を代表する1枚になりそうな傑作アルバムに仕上がっていました。いろいろな意味でうらやましい夫婦のおふたり。これからも末永くいい夫婦でいてくださいね。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Nasir/NAS

NASの新作は全8曲入りという比較的短めのアルバム。リズムは比較的リズミカルでテンポ良いものが多く、また、メロウでメロディアスな楽曲が多いのも特徴的。目新しさや刺激のようなものはちょっとなかったのは残念な部分はあるものの、8曲という短さもあって、全体的に非常に聴きやすいアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

NAS 過去の作品
Untitled
Distant Relatives(Nas&Damian Marley)
Life Is Good

KOD/J.Cole

過去リリースされた4枚のアルバムがすべて全米チャート1位を獲得。このアルバムも当然のようにチャート1位を獲得するなど、おそらく今、もっともアメリカで人気のあるHIP HOPミュージシャンのひとり、J.Cole。シンプルなトラックがほどよく今風なサウンドを取り込みつつ、全体的に軽快で聴きやすいラップが特徴的。良い意味で確かに多くのリスナー層の支持を受けそう・・・という印象を受けます。あまりアメリカのHIP HOPを聴かないリスナー層でも素直に楽しめそうなアルバムでした。

評価:★★★★

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