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2018年7月23日 (月)

ほどよいバランスのとれたアルバムだけど。

Title:GOOD MAN
Musician:Ne-Yo

アメリカのR&B系シンガーソングライターNe-Yoの約3年半ぶりとなるニューアルバム。Ne-Yoといえば比較的にシンプルなグッドメロディーを書くシンガーソングライターという印象のあるミュージシャン。毎回、積極的に今風のサウンド、といった感じの曲ではないものの、日本人にとっても琴線に触れそうなメロディーラインが魅力的なアルバムをリリースしています。

今回のアルバムでも、「NIGHTS LIKE THESE」ではラテン系のシンガー、ロメオ・サントスをゲストに迎え、ラテン風な哀愁感も漂うメロディーラインが心に残りますし、彼と同じくR&B系のシンガーソングライターであるエリック・ベリンジャーを迎えた「HOTBOX」も悲しげなメロディーラインが心に響きます。

後半の「WITHOUT U」もラテン風なサウンドで切なさを感じるメロディーラインが魅力的ですし、「OCEAN SURE」もエレクトロサウンドをバックにゆっくり歌い上げるNe-Yoのボーカルでスケール感を覚えるメロディアスなナンバーに仕上がっています。

サウンド的には上にも書いた通り、ラテンフレーバーの曲が適度に配されているほか、「1 MORE SHOT」「PUSH BACK」のようなトライバルな楽曲もあれば、「U DESERVE」のようなジャジーな楽曲、「BREATHE」のようなダウナーなエレクトロチューンなど彼らしいR&Bという主軸に沿いつつ、ほどよいバリエーションのある楽曲が並んでいます。

サウンド的には決して今の流行を追っているわけではありませんが、それだけにある意味安心して聴けるナンバーが並んでいるといった印象も。ほぼよいバリエーションのある楽興のタイプといい、良くも悪くも優等生的かな、といった感じもします。もし、洋楽の初心者がR&B系のアルバムを聴きたい、という場合には最初に聴くにはもってこいといったアルバムと言えるかもしれません。

ただ、今回のアルバム、全体的にインパクトは薄め。1曲1曲の出来は決して悪くはないのですが、アルバム全体を聴いた後に、いまひとつ印象に残るような曲もありません。「R&B回帰」という方向性がはっきりしていた前作と比べると今回の作品、アルバム全体を通しても柱もいまひとつはっきりしませんし、正直なところ、全体的にかなり薄味という印象を受けてしまいました。

楽曲も一番インパクトがあり印象に残ったのが、むしろボーナストラックである「POUR ME UP」「WON'T BE OFTEN」「RESET THE NIGHT」の3曲だったという悲しい事実も・・・。正直言うと、前作「Non-Fiction」の出来もあまりよくなく、その結果か本作もビルボードでアルバムチャート33位という、いままでデビュー以来全作ベスト10入りを果たしていた彼にとっては大惨敗な結果に。今回のアルバムも決して出来はよくなかったので、どうもスランプ気味のような・・・。ちょっと今後が気になってしまうアルバムでした。

評価:★★★

NE-YO 過去の作品
Because Of You
NE-YO:THE COLLECTION
LIBRA SCALE

R.E.D
Non-Fiction

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