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2018年7月 6日 (金)

3人のみで作り上げたアルバム

Title:僕の心に街ができて
Musician:空気公団

空気公団約1年10ヶ月ぶりとなるニューアルバム。前作「ダブル」は多彩なゲストが参加したアルバムでしたが、今回のアルバムはメンバーの3人だけですべてつくりあげたアルバムだとか。アルバムのジャケット写真も、前作はメンバー3人にそれぞれの分身が加わって、まるで6人組バンドかのようなユニークな、彼女たちにとってはある意味「攻め」のジャケットになっていたのですが、今回のアルバムはシンプルな絵をジャケットとして用いており、そういう意味でも前作とは対照的なアルバムになっています。

肝心なアルバムの内容的にも、前作とは対照的なアルバムに仕上がっていました。前作はインパクトあるメロディーラインを主軸にもってきた、わかりやすい「ポップ」のアルバムでした。インパクトあるジャケットといい多彩なゲストといい、良くも悪くもある程度「売れること」を意識したアルバムだったと言えるかもしれません。

対して本作に関してはメンバー3人のみで作り上げたということもあり、前作ほどのバリエーションもなければ、わかりやすいインパクトあるメロディーラインもありません。リズムトラックが雨の音のように聴こえる「雨のリズムに乗って」のように打ち込みを入れてきた曲があったり、「こうして僕は僕らになった」のようにバンドサウンドにサイケロックを取り込んだような作品はありますが、アルバム全体としてはシンプルなピアノの音色を主軸としたメロディアスで暖かみのあるポップソングが並んでいます。

その結果、アルバム全体としては正直、少々地味という印象は否めません。ただ、薄いエレピも入り、暖かい雰囲気の曲に仕上がっている「いま、それこそが」やピアノや薄く入ったホーンセッションが爽快な「静かな部屋」、ピアノのアルペジオで爽やかに聴かせる「君は光の中に住んでいる」など、シンプルな中にキラリと光るメロを聴かせ、知らず知らずに心に染みいってくる、空気公団らしい楽曲が並んでいます。

前作もインパクトがあり内容的にはもちろん傑作だったものの、少々大味になってしまい空気公団らしい繊細さに欠けた印象がありました。しかし、今回はその逆。アルバム全体としてのインパクトは薄いものの、メロディーやサウンドに空気公団らしい繊細さが戻ってきた作品になったと思います。

そういう意味で実に空気公団らしいアルバムに仕上がった本作。その分、若干目新しさに欠けたという点がマイナスになってしまう部分なのですが・・・それを補って余りある、ほっと心に染みるメロディーをしっかりと聴かせてくれたアルバムになっていました。空気公団の良さがしっかりとつまった1枚でした。

評価:★★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ
ぼくらの空気公団
春愁秋思
LIVE春愁秋思
夜はそのまなざしの先に流れる
くうきにみつる(くうきにみつる)
音街巡旅I
こんにちは、はじまり。
ダブル


ほかに聴いたアルバム

Future Soundtrack/ストレイテナー

途中、トリビュートアルバムのリリースなどはあったものの、オリジナルアルバムとしては2年ぶりとなる新作。前作「COLD DISC」はロック色よりもポップス色の強いアルバムになっていましたが、本作もその傾向が続いています。全体的にバンドサウンドは少なく、メロディアスなミディアムテンポのポップチューンが並ぶアルバムに。正直、もうちょっとガツンとくるロッキンなナンバーを聴きたいな、とも思う反面、しっかりと聴かせるメロディーラインはインパクトも十分で、メロディーメイカーとしての実力もきちんと感じられました。全体的に地味目な印象はあるものの、後に確実に残るもののある1枚です。

評価:★★★★

ストレイテナー過去の作品
Immortal
Nexus
CREATURES
STOUT
STRAIGHTENER
21st CENTURY ROCK BAND
Resplendent
Behind The Scene
Behind The Tokyo
COLD DISC

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