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2018年6月11日 (月)

知る人ぞ知る、実力派女性SSWへのトリビュート

Title:イズミカワソラトリビュートアルバム「タイムカプセル」

正直言うと、今回のトリビュートアルバムリリースに関しては少々ビックリしてしまいました。女性シンガーソングライター、イズミカワソラのデビュー20周年を記念したトリビュートアルバム。しかし、このイズミカワソラ、これとして「大ヒット」した曲もなく、知る人ぞ知る的なミュージシャンではないかと思います。ただ私個人的には、底抜けに楽しいポップチューンが気に入り、2ndアルバム「ヤッホー!」以来、ずっとその動向を追いかけていて秘かに応援していたミュージシャン。そんな彼女に対するトリビュートアルバムのリリースというのは正直言ってかなりの驚きでもあり、かつうれしくも感じられました。

そしてそのトリビュートアルバムへの参加ミュージシャンもなかなかな豪華な面子。今をときめくUNISON SQUARE GARDENやカーネーションの直枝政広、個人的にファンな花*花(ちょっと懐かしい!)やJungle Smileの吉田ゐさおが参加しているというのも私的にはうれしい面子だったりします。まあ、本人が2曲も参加しているほか、UNISON SQUARE GAREDNがバンド名義と斎藤宏介名義で2曲参加しているのは、参加メンバーの水増しなんじゃないかと秘かに思ったりもするんですが・・・(^^;;

さて、そんないろいろなミュージシャンによってカバーされたイズミカワソラの楽曲の数々、彼女の曲はとにかく明るくポップな楽曲が大きな特徴なわけですが、基本的にはそんな「ポップ」な部分をきちんと生かしたカバーが多く、大胆にリアレンジして「原曲はどこに?」的な、この手のトリビュートアルバムでよくありがちなカバーはありませんでした。

そんな明るいポップ路線で言えば、まさにUNISON SQUARE GARDENなんて、彼ら自身の方向性と一致しているわけで、彼らがカバーした「サイボーグ99%」などは完全に彼らの曲になっています。また 鈴木蘭々・鈴木秋則・河相我聞・フジイケンジ・松本祐一という豪華なメンバーが結集して「鈴木組」名義でカバーした「荒野のガンマン」も疾走感ある明るい、イズミカワソラのイメージそのままなカバーになっています。ただ軽快なピアノのリズムは、鈴木秋則がかつて参加していたSENTIMENTAL:BUSを彷彿とさせました。

ただ一方ではイズミカワソラのポップな面を生かしつつ、それぞれのミュージシャン独特の味付けをしたカバーも多く、イズミカワソラの楽曲の持つ意外な魅力を感じられたのもこのアルバムの大きな魅力でした。例えばH ZETTRIOの「あかね色」や花*花の「ロケットで」はジャジーな味付けがほどこされていましたし、Hiroshi Nakamura+MASSANの「message」な今風のエレクトロジャズなアレンジになっていたのがユニーク。

また吉田ゐさお&日之内エミ名義による「願い」はR&B風のカバーになっており、イズミカワソラの楽曲に意外とブラックミュージック的な要素が隠れていたことに気が付かされますし、また直枝政広の「此処から」もアコースティックギターによるシンプルなカバーが魅力的。こちらもイズミカワソラの楽曲の持つメロディーラインの良さがより際立ったカバーに仕上げています。

そんな訳で様々な側面からイズミカワソラの楽曲の魅力をしっかりと伝えているトリビュートアルバムになった本作。あらためて彼女のポップミュージシャンとしての実力を感じさせてくれる作品になっていたと思います。参加ミュージシャンのファンの方にはぜひとも聴いてほしい1枚ですし、それをきっかけで、是非イズミカワソラというミュージシャンも知ってほしいなぁ、と強く感じるアルバムでした。もちろん、イズミカワソラ本人のこれからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

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