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2018年6月 1日 (金)

4年半ぶりの新作

Title:Snares Like A Haircut
Musician:No Age

約4年半ぶり・・・というから少々インターバルがあったことになります、ロサンゼルスの2人組ロックバンド、No Ageのニューアルバム。2008年にアルバム「Nouns」が話題となり一躍注目を集めてから早10年という事実に月日が経つのの早さを感じてしまいます。

No Ageといえば、いわゆるシューゲイザー系からの影響を色濃く受けたバンドで、デビュー当初は「ニュー・ゲイザー」なんて呼ばれ方をしていたりもしました。「Nouns」を受けて次にリリースした「EVERYTHING IN BETWEEN」は実験的な要素が強くなり、ポップス的な要素が強くなったのですが、その次の作品である前作「An Object」は再びポップな要素を前面に押し出したシンプルなギターロック路線に戻りました。そして待望のニューアルバムである本作は、デビュー作から続くシューゲイザー系の影響を強く感じる作品に。前作に引き続き、シンプルでポップなギターロックの作品に仕上がっています。

とにかく冒頭を飾る「Cruise Control」からしてギターの歪み方が完全にシューゲイザー直系。疾走感あるパンキッシュな作品で、メロディーは至ってポップで聴きやすい内容に。序盤はその後も「Stuck in the Changer」「Drippy」と疾走感あふれるギターロックが続きます。とにかく楽曲を埋め尽くすギターのホワイトノイズがとにかく心地よい作品が並びます。

中盤のタイトルチューン「Snares Like a Haircut」はちょっと雰囲気が変わって、幻想的でサイケデリックなインストナンバー。ちょっと実験的な要素を感じるものの、こちらはインターリュード的な作品で、続く「Tidal」はシャウト気味のボーカルとへヴィーなギターでガレージロック色が強いナンバーに。その後も「Soft Collar Fad」「Popper」と、よりロック、パンク色が強い作品が並びますが、これらのナンバーもギターノイズが流れる中、ポップなメロディーが流れる彼らのスタイルが貫かれています。

サイケデリックなインストチューン「Third Grade Rave」を挟んで終盤は、シンセや打ち込みのリズムでエレクトロ色の強い「Squashed」へ。歪みまくった音像が不思議な世界観を作り上げ、実験的な要素も強い作品に。ラストの「Primitive Plus」もノイズを前面に出したより幻想的な雰囲気を強くしたドリームポップの作品に。ほかの曲と比べると、実験的な要素の強い曲で締めくくられています。

このように2曲のインストを挟んである意味「3部構成」的な作品となっている本作。ただ、基本的にギターノイズを前に押し出したサウンドにシンプルでポップなメロディーという点は共通。そういう意味では非常に聴きやすいアルバムだったと思います。前作に引き続き、非常にはまってしまった傑作アルバム。とにかく心地よいギターノイズに惹きこまれた作品でした。

評価:★★★★★

No Age 過去の作品
EVERYTHING IN BETWEEN
An Object

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