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2018年6月10日 (日)

ルーツロック志向が文句なしにカッコいい!

Title:THIS IS THE BEST
Musician:THE BAWDIES

結成15周年、デビューから10周年を迎えるロックバンドTHE BAWDIESの初となるベストアルバム。私がTHE BAWDIESをはじめて聴いたのは2009年にリリースされたメジャーデビューアルバム「THIS IS MY STORY」。当時の宣伝文句が「日本発!ビートルズの再来!」とかなり強気な煽り文句を用いていて、正直、最初はかなり疑いの目を持って聴いてみたのですが、ルーツ志向のカッコイイロックンロールナンバーにいきなり大ハマリをしてしまいました・・・まあ「ビートルズの再来」というのは今でも言い過ぎだと思いますが(笑)。

今回のベストアルバムであらためて彼らの代表曲をまとめて聴いたのですが、やはりTHE BAWDIESはカッコいい!ということを再認識しました。本作は彼らの楽曲が発売順に2枚組のCDに収録されているのですが、特にカッコよかったのはインディーズ時代からデビュー直後の曲を収録したDisc1の楽曲。はっきりいってしまうと60年代あたりのルーツロックやソウルからの影響が非常に顕著・・・というよりもそのまんまな楽曲なのですが、彼らの敬愛するルーツロックやソウルを演奏するのがとにかく楽しくて仕方ないという気持ちが楽曲から強く伝わってきており、素直にロックンロールのカッコよさを体現化しているというのが大きな理由のように感じます。

また、これだけルーツロックそのままの曲を奏でつつ、さらに英語詞という不利な条件ながらも大ブレイクし、武道館まで埋めてしまえるという事実には驚かされます。ここ最近、HIP HOPが台頭し、ロックバンドが売れない、と言われていますが(日本では比較的ロックバンドの人気が高いものの)ルーツロックそのままな彼らがこれだけ売れるという事実を考えると、ロックバンドが売れないというのは、ただ単純にカッコいいロックバンドがいないだけなんじゃないか、と思ってしまいます。

ただ一方、比較的最近の楽曲を収録したDisc2についても確かにカッコいいです。ただ、カッコいいことはカッコいいのですが、薄々感じていたのですが、初期のナンバーの方がよりカッコよさを感じてしまいます。ただその理由は明確で、最近のナンバーの方が「マンネリ」から脱しようと、いろいろと新機軸を打ち出そうとしているから。それも新機軸として比較的、今時の音にアップデートしようと試みているから、のように感じます。

特に顕著だったのがリリース時も「新しいスタイル」ということで話題となった「THE SEVEN SEAS」あたりで、ギターの音が初期の彼らから大きく変化。比較的オルタナロックに近いような、最近の音に変化しています。また今回新曲「FEELIN' FREE」が収録されていますが、こちらも文句なしにカッコいいナンバーながらも、音的には60年代志向のルーツロックやソウルというよりもガレージロックに近いスタイル。これはこれで良いのですが、やはり少々新機軸をいろいろと模索しているように感じます。

確かにマンネリから逃れるために新機軸を開拓するという方向性は決して間違ってはいないと思うのですが、結果として今時の音にアップデートするという方向性は正直、彼らの良さを失わせているようにも感じられます。よくよく考えると、チャック・ベリーにしてもボ・ディドリーにしても長く活動していたロックンロールの大御所たちはいずれも最後まで同じスタイルを貫きつつもカッコよさを保っていました。そう考えると彼らも無理に新機軸を模索する必要性もないのでは?と思ってしまいます。また新たなスタイルを模索するにしても、もっとロックンロールのルーツ的な部分やソウル、ファンクなど60年代や70年代的なサウンドから新しい鉱脈を発掘したほうが、より彼らの良さを生かせるようにも感じます。そういう意味でも今の彼らの方向性が今後どのように展開していくか、ちょっと気になってしまった部分でした。

ちなみに今回、初回盤ということで彼らのPVを収録したDVDも見たのですが、彼らのPVって、非常に凝ったPVが多く、こちらも必見。昨今、費用節約のためか演奏風景をそのまま撮ってお終いというPVも少なくない中での彼らのこだわりを感じます。今回のDVD、ボーカルROYをMCとして「テレビ番組」のような形式で構成されているのも、単なるPVをつなげたDVDにしたくないというこだわりを感じます。ただ、途中から展開されるメンバーが奇怪なキャラクターに扮して行われるコント仕立ての展開は、どうなんだろう・・・と思ってしまうのですが・・・。

評価:★★★★★

THE BAWDIES 過去の作品
THIS IS MY STORY
THERE'S NO TURNING BACK
LIVE THE LIFE I LOVE
1-2-3
GOING BACK HOME
Boys!
「Boys!」TOUR 2014-2015 –FINAL- at 日本武道館
NEW


ほかに聴いたアルバム

サクラ/前野健太

途中、CDブックスタイルでの作品「今の時代がいちばんいいよ」のリリースはあったものの、純然たるオリジナルアルバムとしては実に4年半ぶりとなる新作。基本的にはフォークをメインに、ジャズ、ソウル、歌謡曲的要素を飲み込んだような聴かせるポップソングに、都市の日常風景を描いた歌詞が印象的なアルバム。非常によく出来たポップアルバムという印象で、完成度の高い楽曲が並んでいますが、その分、「通受け」というか、少々地味で個人的には真面目すぎるかな、という印象を受けました。高い評価を受けるのはよくわかるのですが・・・。

評価:★★★★

前野健太 過去の作品
オレらは肉の歩く朝
ハッピーランチ
LIVE with SOAPLANDERS 2013~2014
今の時代がいちばんいいよ

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