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2018年6月29日 (金)

シンプルなタイトルの7枚目

Title:7
Musician:Beach House

毎作、アルバムが大きな話題となるアメリカのインディーロックバンドのニューアルバム。前作「Thank Your Lucky Stars」は前々作「Depression Cherry」からわずか2ヶ月のインターバルでのリリースとなりましたが、本作は前作から約2年半ぶりの新作となりちょっと久々の新譜となります。とはいえ、昨今アルバムリリースにもっと長い時間をかけるバンドはざらにいるので、決して特別長いスパンでのリリース、といった感じではありませんが。

さて今回のアルバム、「7」というタイトルは純粋に彼らにとって7枚目のアルバムだから、という意味。非常にシンプルなタイトルのつけ方ですが、アルバムの内容自体もBeach Houseらしさを素直に表現した、シンプルに彼ららしい、と言えるアルバムに仕上がっていました。

Beach Houseの最大の魅力といえばノイジーなギターがとても心地よい夢のようなポップミュージック。ここにボーカル、ヴィクトリア・ルグランのウィスパー気味のボーカルがのり、とても心地よい世界を作り出しています。今回のアルバムでも1曲目「Dark Spring」から、ヴィクトリアともう1人のメンバー、アレックス・スカリーのツインボーカルによる、非常のドリーミーなポップソングからスタート。リスナーを夢の世界へと連れ込んでくれます。

続く「Pay No Mind」はへヴィーなノイズが流れ、さらに「Lemon Glow」はドリーミーながらももっとサイケ色の強いサウンドが特徴的ながらも、どちらもヴィクトリアによるメロディアスな歌がしっかりと流れており、いい意味で聴きやすい内容に。そして「L'lnconnue」はどこかおごそかで神秘的な雰囲気が魅力的なナンバーに。Enya・・・とまではいきませんが、教会音楽的な雰囲気が一種独特なナンバーに仕上がっています。

その後も「Drunk In LA」「Woo」のようにメロディーがとにかく美しいナンバーが流れてきたり、「Black Car」のようにエレクトロ色の強いナンバーがあったりとそれなりにバラエティーを持たせつつアルバムは展開していきますが、基本的にノイジーなギターやシンセを取り入れた分厚いサウンドで聴かせるドリームポップが並びます。どの曲も、ヴィクトリアのウィスパー気味なボーカルで、幻想的な雰囲気と同時に、どこか神秘的な雰囲気すら感じるポップソングが大きな魅力。最初から最後までそのドリーミーな世界が展開されるアルバムになっていました。

最初から最後まで終始サウンドの気持ちよさに酔いしれる傑作アルバム。シンプルなタイトルのアルバムだからこそ、非常にシンプルにBeach Houseの魅力を感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★★

Beach House 過去の作品
Bloom
Depression Cherry
Thank Your Lucky Stars

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