とにかくポップで楽しい作品
Title:Dirty Computer
Musican:Janelle Monae
前作「The Electric Lady」が大きな話題となり各種メディアでも高い評価を受けたR&Bシンガー、ジャネール・モネイ。その後、映画「ムーンライド」や「ドリーム」などにも出演し、女優としても活躍をはじめた彼女。まさに今、もっとも勢いのある女性シンガーの一人といえる彼女ですが、そんな彼女の実に4年7ヶ月ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。
その話題となった前作「The Electric Lady」は全体的に80年代風のポップが並ぶ中、ディスコやアーバンソウル、R&BやHIP HOPなど、様々なジャンルを取り入れた楽曲が並ぶのが非常に魅力的なアルバムに仕上がっていました。
今回のアルバムでも比較的80年代の空気を感じられるエレクトロポップチューンが大きな魅力になっています。軽快でリズミカルなエレクトロポップチューンの「Take A Byte」やGrimesを迎えた「Pynk」はテクノテイストも強いエレクトロナンバー。「Make Me Feel」はファンキーなナンバーながらもどこかユーモラスなエレクトロアレンジが楽しいナンバーになっていますし、トライバルなリズムが印象的な「I Got The Juice」も魅力的です。
ちょっと雰囲気の変わったところではHIP HOPテイストにまとめた「Django Jane」なんて曲もあったり、またメロウなバラードチューン「Don't Judge Me」ではボーカリストとしての魅力を甘い歌声でこれでもかというほど聴かせてくれています。
そしてラストを飾る「Americans」は、80年代にMTVにPVがそのまま流れていても違和感のないような楽しいポップチューン。非常にハッピーな気分となりアルバムは幕を閉じます。
全体的なバリエーションとしては正直、前作の方が広かったような印象を受けました。ただ一方、全体的に前作以上にポップにまとめっており、純粋にワクワクするような楽しさを持った作品に。特に、そのポピュラリティーはどこかキュートな部分があわさっており、そういう意味でもアルバム全体としてかわいらしさを感じさせるアルバムに仕上がっていたと思います。
R&Bというジャンルにこだわらずとても楽しいアルバムで、ポップス好きならおそらく一発で楽しめるアルバムになっていたと思います。シンガーとしても女優としても積極的な活躍が目立つ彼女。これからのさらなる飛躍が楽しみになってくる1枚です。
評価:★★★★★
Janelle Monae 過去の作品
The Electric Lady
ほかに聴いたアルバム
World Wide Funk/Bootsy Collins
60年代から活躍を続けるP・ファンクの代表的なベーシスト、Bootsy Collins。御年66歳にしていまだに積極的な活動を続けていますが、今回の新作も「World Wide Funk」とある意味、あまりにひねりのないタイトルが逆にユニークさすら感じてしまいます。
サウンド的には今風のHIP HOP的な要素を入れつつも、基本的には昔から変わらないP・ファンクのスタイル。そういう意味では目新しさはない反面、純粋にファンキーなリズムを楽しむことが出来るアルバムに。とにかくファンクを聴いたという満足感を覚えるアルバムでした。
評価:★★★★
Bootsy Collins 過去の作品
THA FUNK CAPITAL OF THE WORLD
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