様々なサウンドを取り入れて
Title:Knock Knock
Musician:DJ Koze
ドイツ/ハンブルグを拠点とするDJ/プロデューサーのDJ Kozeが約5年ぶりにリリースしたニューアルバム。前作「Amygdala」は2013年のミュージックマガジン誌ハウス/テクノ/ブレイクビーツ部門の年間ベストアルバムに選出されていたため聴いてみて、その内容を一気に気に入ったのですが、今回5年ぶりとなるアルバムの評価も上々のようで、再び彼のアルバムを聴いてみました。
その前作「Amygdala」は聴いていて心地よくなるようなポップなサウンドといろいろなジャンルを取り合わせたようなごった煮的な楽曲が魅力的でした。今回のアルバムに関してもまた、様々なジャンルを取り入れたようなごった煮的な方向性が大きな魅力になっていました。
例えば「Music on My Teeth」はレトロな雰囲気のポップチューンが大きな魅力となっていますし、「This Is My Rock」は(タイトルに反して)ネチッとした雰囲気のソウルナンバーに仕上がっています。「Pick Up」はリズミカルなミニマルハウスのナンバーになっていますし、Lambchopのフロントマン、Kurt Wagnerを迎えた「Muddy Funster」はドリーミーなななーに仕上げられています。
全体的にはちょっと懐かしい雰囲気もある「Illumination」や「Scratch That」のようなソウルなナンバーが目立ったような感じが。今回はほかにもArrested DevelopmentのラッパーであるSpeechやRóisín Murphyなどのゲストシンガー勢も豊富で、歌モノも目立つため、アルバム全体としてはポップという印象も強く受けました。
ただ一方で、インストチューンの「Club der Ewigkeiten」や「Bonfire」などは、テクノチューンらしいリズミカルなエレクトロサウンドを入れつつも、様々な音を楽曲の中に取り入れて複雑に展開していきます。
歌モノの楽曲に関しても基本的には楽曲イメージに沿ったサウンドを繰り広げつつも1曲1曲個性的なサウンドを繰り広げており、リスナーを飽きさせません。例えば「Planet Hase」はタイトル通り、どこかスペーシーなサウンドが心地よさを感じますし、最後の「Drone Me Up,Flashy」では女性ボーカルをサンプリングしてコーラスとして用い、神秘的なサウンドを作り上げています。
バラエティー豊富なサウンドなだけに一言で語るのが難しいアルバムでしたが、それだけに聴き飽きないサウンドの奥深さも感じるアルバムに仕上がっていました。前作に引き続き傑作のアルバム。前作同様、聴いていてとても心地よくなれる作品でした。
評価:★★★★★
DJ Koze 過去の作品
Amygdala
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