« 大物ミュージシャン同士が自由に融合 | トップページ | ちょっと意外な1位獲得 »

2018年6月20日 (水)

日米「愛国ソング」対決?

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週、ここで大きく取り上げたRADWIMPS「HINOMARU」。先週の27位から9位にランクアップ。2週目にしてベスト10入りしてきました。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で10位にランクインしたほか、Twitterつぶやき数で3位にランクイン。そのほかの順位はいずれもランク圏外でしたが、この曲をめぐる騒ぎが良くも悪くも宣伝効果につながったようです。ちなみに肝心の「カタルシスト」の方は今週11位にランクダウンしています。

一方、先週も話題に出しましたがDA PUMP「U.S.A.」。今週は5位と2ランクダウンながらもYou Tube再生回数では1位を記録。大きな話題となっておりロングヒットを記録しそうな予感があります。この曲、先週も書きましたがアメリカへの讃歌となっており、そういう意味では皮肉にも日米の「愛国」ソングが並んだような結果となっています。

ただ「U.S.A.」の歌詞はアメリカへの愛情を感じさせる歌詞をコミカルに描いており、そういう意味ではアメリカに対して反感を持っているような人にも苦笑いと共に受け入れられそうな内容に。先週もチラッと書きましたが、この手の曲ってのはユーモアさを混ぜるというのが自分とは意見の異なる人にも受け入れられる秘訣だと思うんですけどね・・・。

さてランキングに戻って。まず今週1位はモーニング娘。'18「Are You Happy」が獲得。実売数で1位獲得しましたが、そのほかの順位はラジオオンエア数で38位、PCによるCD読取数で11位、Twitterつぶやき数28位と若干奮いませんでした。ちなみにオリコンでは初動売上11万4千枚で1位獲得。前作「邪魔しないでHere We Go!」の11万1千枚(2位)よりアップしています。

2位はAKB48「Teacher Teacher」が2週連続で2位をキープ。3位にはEXILEの弟分グループGENERATIONS from EXILE TRIBE「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」が先週の65位からCDリリースにあわせてランクアップしベスト10入り。洋服の青山CMソング。実売数及びPCによるCD読取数3位、ラジオオンエア数6位を記録した一方でTwitterつぶやき数88位、You Tube再生回数59位とネット系のランキングで伸び悩みました。

続いて4位以下の初登場曲です。まず6位にはサザンオールスターズの配信限定シングル「闘う戦士たちへ愛を込めて」が先週の57位からランクアップしてベスト10入り。ちなみに「たたかうものたち」と読むそうです。映画「空飛ぶタイヤ」主題歌。勇ましいタイトルとは反して哀愁感漂うちょっと昔の歌謡曲的な楽曲。社会の中でがんばっているサラリーマンへの応援歌的な歌詞となっています。ちなみにオリコンのデジタルシングルチャートでは見事1位を獲得しています。

9位にランクインしたのが韓国の女性アイドルグループMOMOLANDの日本デビューシングル「BBoom BBoom」。K-POPらしい軽快なEDMチューンで、先週の50位からCDリリースにあわせてベスト10入りを果たしています。実売数9位、ラジオオンエア数80位、PCによるCD読取数30位、Twitterつぶやき数44位、You Tube再生回数9位を記録。You Tube再生回数の順位が高いのは、最近のK-POPの女性アイドルグループの傾向か?オリコンでも初動売上1万8千枚で4位に初登場しています。

ちなみにMOMOLANDという名前はかのミヒャエル・エンデの児童文学の傑作「モモ」に由来し、「時間に追われる人々に一つずつファンタジーを取り戻す」という意味だそうです。ただ・・・いかにも商業主義的なアイドルグループにミヒャエル・エンデの作品のタイトルをつけるという行動に違和感というかモヤモヤ感しか抱かないのですが・・・。

最後10位に藍井エイル「流星」が先週の93位からCDリリースにあわせてランクアップしています。2016年に体調不良のため無期限の活動休止となっていた彼女ですが、このほど無事活動を再開。本作は約2年ぶりのシングルとなります。テレビアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」オープニングテーマ。実売数は11位、ラジオオンエア数44位、PCによるCD読取数13位、Twitterつぶやき数17位といずれも10位にランクインしていませんが、総合順位では見事ベスト10入りを果たしています。オリコンでは初動売上1万3千枚で8位初登場。前作「翼」の1万2千枚(5位)から若干とはいえアップしており、復帰を待ちわびたファンが多かったことを物語っています。

今週のチャート評は以上。

ちなみに「HINOMARU」について先週に続き、ちょっと語りたいことが・・・。読んでいただける方は「続きを読む」をクリック。

突然ですが、藤子F不二雄先生の傑作「エスパー魔美」の中の「くたばれ評論家」というエピソードをご存じでしょうか。以下、他サイトからの引用させていただきますと・・・

魔美のお父さんは画家で美術の先生。 開いた個展を美術誌上でとある評論家に酷評されてしまい、カンカンに怒るところから始まります。 魔美もその評論を読み、自分のことのように腹を立ててその評論家に会いに行きます。

「批評を取り消せ」という魔美に、イヤミな評論家は何処吹く風。 「批評というものに情けも容赦も無用。飲んだくれて鼻歌交じりに描いても傑作は傑作、心血を注いでも駄作は駄作」 と厳しいけれど尤もなことを言って魔美を突っぱねる。 魔美はあまりの悔しさから、得意の超能力を使って報復をします。

 家に戻り、「悪い人には天罰がくだるのよ」 と当の評論家を嘲笑う魔美に、「悪い人っていうのはかわいそうだよ」 と父は嗜める。 「だって、あんなひどい批評を書いたじゃない」 という魔美と父の会話が以下の通り。

「マミくん、それは違うぞ。 公表された作品については、見る人全員が自由に批評をする権利を持つ。 どんなにこきおろされたとしても、さまたげることはできないんだ。 それがいやなら誰にも見せないことだ

「でも、さっきはカンカンに怒ってたくせに」

「評論家に批評の権利があれば、ぼくにだって怒る権利はある。 あいつはけなした! ぼくは怒った! それでこの一件はおしまい!」

批評される、ということ。~その2(「Meet in the sunset」より

ネット上でも、ここで魔美のお父さんによって語られる意見への絶賛とともに紹介されることの多いエピソードなので、「エスパー魔美」を読んだことない方でもご存じの方は少なくないかもしれません。ただ、残念ながら、現実へのあてはめが上手くできない方が少なくないみたいで・・・

今回の「HINOMARU」騒動に関して、野田洋次郎が謝罪文を公表してから、むしろ批判に対しての批判が目立つようにあってきました。

きゃりーぱみゅぱみゅ「攻めていけない世の中」を嘆く

愛国心を歌う自由があるし、それを批判する自由があります。「エスパー魔美」のエピソードに従えば、批判されたくなれば歌わないことです。先週のこのコーナーでも書いたのですが、「表現の自由」の美名を元に批判を封殺しようとする意見は、むしろ「表現の自由」を損ないかねない、厳しい言い方をすると危険な考え方だと思っています。この件では、ロックバンドTHE NOVEMBERSがTwitterで端的に「表現の自由」の本質を突いたツイートをしていました。

個人的にはRADWIMPSが愛国ソングを歌ったことなんかより、それに対して批判すること自体への否定的な意見が目立ったことの方がよっぽど憂慮すべき事態のように感じます。え?否定しているのは「批判」ではなく「バッシング」?それはあなたが「HINOMARU」の曲の内容に肯定的だからそう思うんでしょ?「批判」と「バッシング」に明確な区別なんてないよ。

|

« 大物ミュージシャン同士が自由に融合 | トップページ | ちょっと意外な1位獲得 »

ヒットチャート2018年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日米「愛国ソング」対決?:

« 大物ミュージシャン同士が自由に融合 | トップページ | ちょっと意外な1位獲得 »