oasisフォロワーによる2枚目
Title:FOR NOW
Musician:DMA'S
これが2枚目のアルバムとなるオーストラリアはシドニー出身の3人組バンド。デビューアルバム「Hills End」が一部で大きな話題となりました。その話題となった最大の理由は、あまりにもわかりやすいoasisフォロワーだったから。デビューアルバムではoasisの1st、2ndあたりをストレートに彷彿とさせるようなギターロックの曲が並んでおり、oasis好きにとっては非常に壺にはまるようなアルバムになっていました。
このoasis愛は2枚目となる本作でも強く感じられます。1曲目のタイトルチューン「For Now」からしてサイケでグルーヴィーな雰囲気はまさにoasisらしいUKギターロック・・・・・・というよりもoasisのルーツのひとつであるSTONE ROSESっぽいかも?
その後の「Do I Need You Now?」や「Break Me」のようなノイジーでグルーヴィーなギターロックにちょっとダウナー気味だけれどもわかりやすいポップなメロが重なるスタイルもある意味oasisらしい感じ。oasisらしさはアルバムの随所に感じられます。
ただ、前作で感じられたoasisとの相違点が今回のアルバムではより強くなってきたようにも感じます。それはoasisに比べてより軽くポップであるという点。例えば「In The Air」はアコースティックなギターで切ないメロディーを爽やかに聴かせるナンバー。oasisというよりもむしろTRAVISあたりっぽい雰囲気を感じさせますし、「Warsaw」や「Lazy Love」も軽快なギターポップナンバーとなっており、oasisとはその方向性が異なります。
歌い方も前作同様、リアム・ギャラガーからの影響を強く感じさせるものの、ポップになった作風のせいか、もうちょっと素直な歌い方の曲も増え、前作ほどは「まんまリアム」な印象が薄れた感じもします。そういった意味でアルバム全体としてはoasis色が薄くなり、DMA'Sとしての色が出せれたアルバムになっていたようにも思います。
とはいえ、上にもSTONE ROSESやTRAVISといったバンドをイメージとして出したように、全体的にはイギリスのオルタナ系ギターロックからの影響を強く受けたメロディーラインとサウンドという点は共通。そういう意味ではoasisが好きな方ならばおそらく気に入るであろう範疇の音を出しているアルバムだったと思います。実際私も、前作同様にすっかりこのアルバムにはまってしまいました。
全体的にはサイケなサウンドの方向性もあったものの、さっぱりとした味付けがされており、oasis的なものをあまりに求めすぎるとちょっと薄味に感じられるかもしれません。ただ、そういった点を含めて前作よりもDMA'Sらしさは出せていたアルバムだったように思います。いい意味で難しいこと抜きにポップな路線を貫いていた点は大きなプラス。これからの活躍がまだまだ非常に楽しみなバンドです。
評価:★★★★★
DMA'S 過去の作品
Hills End
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