60年代ポップスをそのまま再現
Title:My Name is SOLEIL
Musician:SOLEIL
非常に興味深い、ユニークなバンドがデビューしました。SOLEIL(それいゆ)というちょっと奇妙なバンド名はこのバンドのボーカルである女の子の名前。まだ若干14歳の彼女は日本人とイギリス人のハーフというアイドル的なルックスの持ち主なのですが、もともとたんきゅんデモクラシーというガールズポップデゥオで活動していた彼女をザ・ファントムギフト、les 5-4-3-2-1で活躍していたサリー久保田がプロデュース。それいゆにサリー久保田、さらにはヒックスビルのメンバーである中森泰弘の3人でバンドSOLEILを結成しました。(ちなみに「それいゆ」とは彼女の母親が好きだったかつて日本にあった女性誌の名前からつけられたそうです)
このバンドが非常にユニークなのは、60年代のイギリスやアメリカのポップスがそのまま今の日本に再現されたようなポップチューンが繰り広げられている点でした。作家陣にはメンバーのサリー久保田、中森泰弘のほか、真島昌利、近田春夫、GREAT3の白根賢一、カジヒデキ、元ピチカート・ファイブの高浪慶太郎など豪華なメンバーがズラリ。そんな豪華な作家陣が60年代を意識した甘いポップチューンを書いてきているわけですから、これが傑作でないわけがありません。
アルバムはタイトルからしてまさに60年代風な「魔法を信じる?」からスタート。こちらはまさに軽快なモータウンビートが楽しいポップチューンになっています。続く「恋するギター」は真島昌利によるモータウンビートのロックンロールナンバー。「ごめんね、テディベア」はそれいゆのかわいらしいボーカルがピッタリとくるようなポップチューン。メロや歌詞はアイドルポップ風なのですが、それが60年代風のアレンジにピッタリとマッチし、どこかレトロな雰囲気のガールズポップに仕上がっています。
同じくマージービートで軽快なロックンロール「姫林檎 GO!GO!」も非常に軽快なポップチューンになっていますし、スカ風のビートが軽快な「キャンディの欠片」はレトロでかわいらしいポップナンバーはどこか小島麻由美を彷彿とさせる雰囲気も。「さよなら14歳」も軽快なスカのナンバーなのですが、こちらもそれいゆの可愛らしいボーカルが上手くサウンドにマッチしたポップチューンに仕上がっています。
ボーカルは14歳の日英ハーフのかわいらしい女の子ということでアイドル的な要素も強いバンド。彼女のボーカルは決して技巧的に上手い訳でも声量があるわけでもないのですが、ちょっと素人っぽさも残すかわいらしいボーカルが60年代のガールズポップ風の楽曲に逆にマッチしており、SOLEILの大きな魅力となっています。
またオールドスタイルのポップですが、マニアックに走っているわけではなく、十分、今のポップシーンで通用しそうなポピュラリティーも備えており、そういう意味でも多くのリスナー層にアピールできそうなバンド。これからの活躍も非常に楽しみです。
評価:★★★★★
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コメント
J-POPの新しい時代を担うミュージシャンがまた一つ、現れたって感じですね>それいゆ
投稿: ひかりびっと | 2018年11月 2日 (金) 18時46分
>ひかりびっとさん
ご感想ありがとうございました。
投稿: ゆういち | 2018年11月22日 (木) 23時47分