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2018年5月 8日 (火)

原点に立ち返る

Title:My Dear Melancholy,
Musician:The Weeknd

前作「STARBOY」がグラミー賞を受賞するなど、相変わらず高い評価と人気を誇るThe Weeknd。最近話題となったアルバム「Black Panther: The Album」にも参加し話題を呼びました。そんな彼の1年4ヶ月ぶりとなる新作が本作。今回のアルバムは6曲入りのミニアルバムとなっています。

今回のアルバムの特徴として「原点に立ち返る」ということをひとつのテーマとしたそうです。前作「STARBOYS」はインパクトあるメロの多い、良くも悪くも「売れ線」とも捉えかねられるようなアルバムに仕上がっていました。それに対して今回のアルバムはミニマルなエレクトロサウンドの楽曲がメイン。強いビートを前に押し出しつつも静かなサウンドを聴かせる、いわゆる今時なサウンドに仕上がっています。決して派手さはありませんが、そのサウンドが印象に残るアルバムに仕上がっていました。

まず伸びやかなハイトーンボイスで静かに聴かせる「Call Out My Name」からスタート。悲し気なメロディーラインも印象に残ります。続く「Try Me」はファルセットボイスで聴かせるナンバー。「Wasted Times」もハイトーンボイスで聴かせるナンバーですが、ミニマルテイストのエレクトロトラックも印象に残ります。

続く「I Was Never There」「Hurt You」はフランスのDJ/プロデューサー、Gesaffelsteinをフューチャーしたナンバー。ほかの曲と比べるとより広い空間を感じさせるようなサウンドにThe Weekndの歌声が響きます。そしてラストの「Privilege」はまたしんみり聴かせるメロディーが印象的なナンバーで締めくくられます。

アルバムの長さとしてはわずか22分程度。エレクトロトラックが目立つアルバムである一方、彼の哀愁感ただよう歌はアルバムの中でしっかりと流れており「ポップ」のアルバムとしても十分に楽しめる作品になっていました。正直言って、全6曲、タイプ的には似たような曲が多く、バリエーションという意味では乏しいという印象を受けるかもしれません。ただわずか22分程度の長さであるため最後まで全くダレることなく楽しめるアルバムになっていたと思います。

アルバム全体としてちょっと地味という印象もあるかもしれませんが、メロディーにしろトラックにしろしっかりと楽しめるアルバムになっていたと思います。ミニアルバムでありながらもアメリカビルボードチャートではしっかりと1位を獲得。その人気のほどを見せつけました。これからもまだまだ彼の活躍は続きそう。次はフルアルバムを、期待しましょう。

評価:★★★★★

The Weeknd 過去の作品
Kiss Land
Beauty Behind The Madness
STARBOY

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