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2018年5月 6日 (日)

3枚のベスト盤

Title:BEST HIT AKG 2(2012~2018)
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

2012年にベストアルバム「BEST HIT AKG」をリリースし大ヒットを記録したASIAN KUNG-FU GENERATION。それから6年2か月。2作目となるベスト盤がリリースされました。ベスト盤のインターバルが6年というのは昨今のベスト盤事情としては決して極端に短いわけではないのですが、その間リリースされたオリジナルアルバムがわずか2枚ということもあり、正直言えばちょっと短いようにも感じます。

そうとはいってもこのベスト盤、聴いてみればやはりそのアジカンの分厚いロックサウンドとポップなメロディーラインにはまってしまいます。これはアジカンについて以前から言っていることなのですが、彼らの楽曲はとにかくロックを聴いたという満足感に浸れるサウンド。変なひねりもない素直なバンドサウンドなのですが、その音圧がとにかく強く、ロックのダイナミズムを感じさせてくれます。

そんな中、前作「BEST HIT AKG」では後半の作品について若干マンネリ気味な点を指摘しました。実際、アジカンのサウンドはよくも悪くも非常に愚直で、サウンド的なバリエーションは決して豊富なわけではありません。それだけにマンネリ傾向になりつつあったのが気にかかりました。

今回のベストアルバムでも確かにマンネリ気味な作品も見受けられました。ただ一方でここ最近の作品でも勢いを感じさせ、聴かせるような作品も少なくなく、特に「Wonder Future」からの収録曲に関しては、彼らの充実ぶりをうかがわせるインパクトある作品が多く収録されています。今回のベスト盤では2ndアルバム「ソルファ」のリメイク盤「ソルファ(2016)」からの曲も収録されており、そういう意味ではマンネリ感を気にすることなく、最後まで楽しめるアルバムになっていたと思います。

評価:★★★★★

そしてこのベスト盤と同時に「オフィシャル・ブートレグ」を名乗る2枚のベスト盤がリリースされました。

Title:BEST HIT AKG Official Bootleg "HONE"
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

Title:BEST HIT AKG Official Bootleg "IMO"
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

通称「"HONE"盤」「"IMO"盤」と呼ばれる2枚のアルバム。
もともとは「BEST HIT AKG」の選曲に関わっていなかった後藤正文が自身の日記で発表した架空のベストアルバムだったそうです。

彼らの楽曲の中で「骨っぽい」楽曲と「芋っぽい」楽曲をまとめたベスト盤。「骨っぽい」曲はいわゆる社会派的な楽曲や後藤正文の理想論を反映したような作品が並び、「芋っぽい」曲とは、どちらかというと甘酸っぱいような青春っぽいナンバーが並んでいます。

サウンド面ではどちらも分厚いギターサウンドが楽しめるロックチューンという意味では差異はないものの、歌詞の側面でアジカンの魅力を両面から迫ったベスト盤。前述の「BEST HIT AKG 2」が2012年以降の曲しか収録されていないため、それを補完する意味もあったのでしょう。「BEST HIT AKG 2」とあわせていわばオールタイムベストといった感じでしょうか。Amazonのレビューではどちらも思いっきり叩かれていますが、正直、この程度の焼き直しベストなんていくらでも出ているので、珍しくもないと思うのですが・・・。

評価:どちらも★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ
マジックディスク
BEST HIT AKG
ランドマーク
THE RECORDING at NHK CR-509 STUDIO
フィードバックファイル2
Wonder Future
ソルファ(2016)

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