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2018年4月20日 (金)

最高に楽しいポップアルバム

Title:In Your Own Sweet Time
Musician:The Fratellis

イギリスのロックバンドThe Fratellisによる約2年7ヶ月ぶりとなるニューアルバム。The FratellisといえばアップルのCMソングに起用された「Flathead」の大ヒットでその名を知られるミュージシャン。前作「EYES WIDE,TONGUE TIED」は同作も収録したデビュー作「Costello Music」のプロデュースを手掛けたトニー・ホッファーを再びプロデューサーに迎えた話題作でしたが、本作は前作に引き続きプロデューサーとしてトニー・ホッファーを起用したアルバムになっています。

そんなトニー・ホッファーを起用した前作は彼らの音楽性を広げることを意図した意欲作となっていましたが、今回の作品はとシンプルで軽快な、彼らのポップな側面を押し出したような聴いていて楽しくなるアルバムに仕上がっていました。

まず1曲目「Stand up Tragedy」から軽快なリズムと陽気なギターリフを主軸とした陽性なポップチューン。続く「Starcrossed Losers」も派手さはないもののポップなメロディーラインが光るナンバーになっていますが、アルバムの中でまず耳を惹くナンバーとなっているのが3曲目の「Sugartown」。フィル・スペクターばりのウォール・オブ・サウンド的な分厚いサウンドが心地よいビーチボーイズ風のポップチューンに仕上がっています。

その後も聴いていて楽しくなるような軽快なポップチューンが続くのが今回のアルバム。「The Next Time We Wed」は打ち込みのサウンドを入れた軽快なダンスポップに仕上げていますし、「Advaita Shuffle」は逆にギターリフを前に出してきたガレージロック色の強いポップチューンになっています。

終始軽快なポップチューンが続くのですが、ただ全体としてはデビュー作「Costello Music」のような突き抜けたような明るさというのは感じませんでした。軽快なポップチューンの中でも、単純に勢いだけに頼るような感じではなく、ポップなメロディーラインや安定した足腰を持ったバンドサウンドをしっかりと聴かせるような、どこか落ち着きも感じられるポップチューンが並んでいたように感じます。前作ほどの振れ幅はなかったものの、ポップなサウンドの中に一癖二癖バリエーションを加える工夫も感じられ、そういう意味では同じポップなアルバムとはいえ、若さあふれるデビュー作とは異なり、中堅バンドである彼ららしい「大人」になった姿も感じさせられました。

そんな新作のラスト「I Am That」は同作の中でも唯一雰囲気の異なる作品。シタールを取り入れたエスニックテイストの強い作品で、このアルバムの中で唯一、7分近い長尺の作品となっています。サイケデリックでスケール感もあるこのナンバー、単なるポップバンドではないぞ、という彼らの主張も感じるような作品になっていました。

まずは聴いていて素直に楽しくなるポピュラーミュージックの王道を行くようなアルバム。正直なところ「Flathead」ほどパンチの利いたインパクトの強い楽曲はないのですが、それを差し引いても十分すぎるほど楽しめるアルバムだったと思います。ポップな傾向が強いせいか、ロケノンもミューマガもいまひとつ取り扱いが悪いように感じるのですが、本国イギリスでは、前作の出来がよかった影響もあるのかアルバムチャートで最高位5位を記録し、2枚目の「Here We Stand」以来のベスト10ヒットを記録するなど好セールスをマークしています。個人的にもこの手のポップアルバムは大好きなので、これからの活躍にも断然期待したいところ。無条件で楽しくなる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

The Fratellis 過去の作品
Here We Stand
We Need Medicine
EYES WIDE,TONGUE TIED

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