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2018年4月 8日 (日)

パンクなアティチュードで

Title:STAY PUNK FOREVER
Musician:THE STARBEMS

BEAT CRUSADERSのボーカルとしてデビュー。その後、MONOBRIGHT加入などでも話題となった日高央率いるTHE STARBEMSの4枚目となるオリジナルフルアルバム。日高央の新バンド・・・というイメージも強かったのですが彼らも既にデビューから5年目になるそうです。早いなぁ・・・。

今回まず印象に残るのがアルバムタイトル。直訳すると「パンクよ、永遠にそのままで」となる訳ですが、カセットテープの背面を並べたジャケットも印象的。アルバムタイトルといいこのジャケット写真といい、古き良きなつかしさを感じさせてくれます。

表題曲である「Stay Punk Forever」を1曲目に持ってきているわけですが、まさに正統派パンクともいえる楽曲に。こぶしを振り上げてライブでは思いっきり盛り上がれそうな楽曲からスタートしています。

ただ今回のアルバム、決して正統派パンク一本というアルバムではありません。日高央自身、このアルバムに関するインタビューの中でパンクとは音楽の形態というよりも「パンクするアティチュードである」と語っているように、昔ながらもこぶしをふりあげて歌い上げるようなパンクミュージックだけがパンクとは限らないというスタンスでのぞんでいます。

そのため本作も前半はパンク、あるいはパンクに比較的近いスタイルのメロコア路線の曲が並んでいますが、「Wolfman」などは歪んでいないギターサウンドで爽快に聴かせるポップテイストの強いナンバーになっていますし、「Funky Control」「Go to Hell, Instead of Us」はパンクというよりもメタルに近いスタイルになっています。

さらに「Laugh Until You Die」はシンセも入って軽快なオルタナ系ロックとなっていますし、「Go-Go Sensation」は80年代のニューウェーヴの色合いが濃いナンバーに。さらにラストを締めくくる「Saturday Night We Must be Allniters」はスカパラ?と思わせるような軽快なスカパンクに仕上げています。

まさにインタビューでの日高央のコメントの通り、パンクといっても音楽的なスタイルは一定ではなく、パンクなアティチュードの方が重要である、ということを体現化しているアルバムになっています。ただ、それでもあえて言えば、アルバムを聴き終わった後には音楽的にもパンク色の強いアルバムだなぁ、ということを感じました。

もともとTHE STARBEMSはパンクを中心軸にしつつもバラエティーある音楽性が特徴的でしたし、日高央がいままで活動してきたBEAT CRUSADERSやMONOBRIGHTに比べても明らかに音楽的な意味でのパンクへの傾倒が強くなっているように感じます。「パンクなアティチュードこそパンクである」と言っている一方で、音楽的な意味でのパンクミュージックへの敬愛も強く感じました。

メロディーのインパクトという意味では相変わらず若干弱いように思うのですが、日高央の音楽性の広さと、パンクに対する愛情を強く感じるアルバム。早くも5年目を迎えたTHE STARBEMS。日高央も比較的短期間でいろいろなバンドを乗り換えているだけに今後このバンドがどれだけ続くのかはわかりませんが・・・今後もそのパンクなスタイルに注目していきたいです。

評価:★★★★

THE STARBEMS 過去の作品
SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD
VANISHING CITY
Feast The Beast
NEW WAVE


ほかに聴いたアルバム

In Colors/ART-SCHOOL

途中、B面ベストのリリースはあったものの、オリジナルアルバムとしては2年10ヶ月ぶりとちょっと久々となった新譜。ここ最近のアルバムに比べて、圧倒的にシューゲイザー色が強い作品になっており、ギターノイズが非常に心地よい作品に仕上がっています。またひたむきな前向きさを感じさせる歌詞も本作では強い印象に残るアルバムとなっており、少々マンネリ気味に感じられたここ最近の彼らの作品の中では会心の出来ともいえるアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

ART-SCHOOL 過去の作品
Ghosts&Angels
ILLMATIC BABY

14 SOULS
Anesthesia
BABY ACID BABY
The Alchemist
YOU
Hello darkness,my dear friend
Cemetery Gates-B SIDES BEST-

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