« 最高に楽しいポップアルバム | トップページ | 早くもソロデビュー15年(!) »

2018年4月21日 (土)

懐かしさあふれるアニソン集

Title:週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.1

今年、創刊50周年を迎えた人気漫画週刊誌「週刊少年ジャンプ」。公称売上600万部を突破した90年代から比べると、売上部数は大幅に下落しているものの、少年漫画誌としては依然として高い人気を誇っています。そんな週間少年ジャンプの創刊50周年を記念してリリースされたのが本作。ジャンプ連載マンガがアニメ化した際の主題歌などをDJシーザーという主にアニソンやJ-POPを専門として活動としているDJによりノンストップミックスによって収録したアルバム。全70分強の内容で、有名なアニメソングが次から次へと展開する選曲となっています。

今回のアルバムでは週刊少年ジャンプの50年という長さを背景として、古くは男一匹ガキ大将の主題歌「男一匹ガキ大将」から、最近のアニメ主題歌まで幅広い収録されており、おそらく幅広い世代にとって懐かしさを感じさせる曲が収録されていたかと思います。

個人的にはやはりリアルタイムで見ていたような80年代あたりのアニソンに懐かしさを感じます。具体的に言えば「Dr.スランプアラレちゃん」のテーマ曲「ワイワイワールド」、「キン肉マン」の主題歌「キン肉マンGo Fight!」やキャプテン翼の「燃えてヒーロー」、さらにご存じCity Hunterにエンディング、TM Networkの「Get Wild」など、聴いていてもあの頃をアニメを思い出して気分がワクワクしてきます。

特にこの頃のアニメソングはアニメの世界観に直接リンクした、いかにもアニメソングといった感じの曲が多いのが魅力的。特に「ワイワイワールド」や「キン肉マンGo Fight!」などイントロのインパクトが抜群で、テレビの前でアニメがはじまるのをいまかいまかと待ちわび、ついに番組がはじまったあの瞬間の異様なワクワク感が思い出されます。楽曲としては最近のアニメソングの方がバラエティーも豊富で、アニメソングという枠組みに捕らわれないような曲が多いのですが、「単なるJ-POP」になってしまっている曲が多くなってしまっています。まあ、リアルタイムで見ていた人にはその主題歌を聴くだけでアニメ本体も思い出して懐かしさを感じるのでしょうが・・・。

また最近のアニメソングでアニメに直接リンクした曲としては「暗殺教室」の主題歌となった「青春サツバツ論」などがあるのですが、アニメソングというよりも完全にキャラクターソングみたいになってしまっていて、キャラクター、もしくは担当声優をアイドルとして売ろうとする思惑が垣間見れてしまい、若干残念に感じてしまいます。

またちょっと残念だったのは、「幅広い世代にとって」といっても70年代のアニメソングが少なく、「ど根性ガエル」とか「マジンガーZ」とか、この時代のジャンプ漫画でもアニメがヒットしたものは少なくないはずなのですが、ここらへんが収録されていない点が残念。世代的にこの手のコンピに手が伸びないと考えたのでしょうか?また「ドラゴンボール」「奇面組」「聖闘士星矢」など、80年代の大ヒットアニメの主題歌も収録されていませんが、こちらは4月にリリースされた第2弾のためにとっておいた模様です。

ORANGE RANGEの「*~アスタリスク~」やシャ乱Qの「シングルベッド」など、「え?この曲ってアニメ主題歌だったんだ?」と意外に感じたヒット曲も収録されていたりするのも新たな発見が。正直、全体的には「無難なJ-POP」的な曲が多く、このアルバムで「この曲知らなかった、きちんと聴いてみたい!」と思った新たな発見はありませんでした。ただ、バンドサウンドという観点で聴くと、やはりマキシマム ザ ホルモンとASIAN KUNG-FU GENERATIONが間違いなく頭2つくらい出ているな、ということを再認識しました。また、意外にカッコよかったのがDOES「曇天」。DOESって「銀魂」主題歌だけがヒットしたバンドというイメージがあったのですが、こうやってあらためて聴くと、バンドとしての力量もしっかり持っていたんだな、ということに気が付かされます。

DJミックスということで1曲あたり2分弱。サビや出だしの部分だけ収録されており、いまひとつな曲でもサラッと終わる分、曲の内容問わず気軽に楽しめる一方、おいしいところ取りといった感じもして、フルで聴きたかったなと思う部分も否めません。ただ、懐かしさにひたりながら十分楽しめたのは事実。特にアラサー世代、アラフォー世代にとってはアニメ好きか否かに問わず、楽しめる内容ではないでしょうか。お勧めです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Everybody!!/WANIMA

おそらく、今、最も勢いのあるバンドのひとつ、WANIMAのニューアルバム。昨年、初の紅白出場も決めたほか、このアルバムも見事チャート1位に輝いています。基本的に疾走感のあるパンクチューンで、分厚いバンドサウンドとコーラスが入ってハーモニーを生かした曲の多いのが特徴的。歌詞は前向き応援歌的なものが前作以上に目立ち、一昔前に流行った「青春パンク」的な部分を強く感じます。そういう歌詞の部分では若干辟易とする部分も否定はできないのですが、全体的には人気上昇中のバンドらしい怖いもの知らずの勢いを感じさせるアルバム。まだまだ今年もヒット曲をどんどん飛ばしていきそうな予感がします。

評価:★★★★

WANIMA 過去の作品
Are You Coming?

VECTOR/BLUE ENCOUNT

メジャー3枚目となるロックバンドの新作。最近多い、特にロックフェスで人気を博しそうなギターロックバンドというイメージですが、ミクスチャーロックからポップ色の強い楽曲、ファンキーな楽曲などバラエティー豊富。パンキッシュな作品を軸に様々な作風に挑戦しています。楽曲の勢いという点では前作ほどは感じなかったのですが、確かに今時のロックバンドとして人気は出るだろうな、ということを感じることは出来る作品でした。

評価:★★★★

BLUE ENCOUNT 過去の作品

THE END

|

« 最高に楽しいポップアルバム | トップページ | 早くもソロデビュー15年(!) »

アルバムレビュー(邦楽)2018年」カテゴリの記事

コメント

WANIMAの新作は単なるパンキッシュなだけじゃない側面も見えてきて普遍的なロック・バンドとしての成長も垣間見えたと僕は思っています。

投稿: ひかりびっと | 2018年5月11日 (金) 19時25分

>ひかりびっとさん
WANIMAの新作は非常に勢いを感じさせるアルバムでした。

投稿: ゆういち | 2018年5月12日 (土) 23時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 懐かしさあふれるアニソン集:

« 最高に楽しいポップアルバム | トップページ | 早くもソロデビュー15年(!) »