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2018年3月 6日 (火)

まさかの師弟ユニット!

Title:Blueprint
Musician:PANDORA

2017年、小室哲哉ファンにとって大きな驚きをもって迎え入れられたニュースは間違いなく、浅倉大介とのユニット、PANDORAの結成でしょう。ご存じの通り、浅倉大介といえばもともとはTM NETWORKのサポートメンバーとしてその名を知られるようになったミュージシャン。楽曲的にも小室哲哉のフォロワー的な曲が多く、小室哲哉の劣化版的なイメージもあり必ずしも小室哲哉ファンから支持を受けていない部分あったものの、やはりこの師弟ユニットは素直に期待を持って迎え入れたファンも多かったのではないでしょうか。

しかし、デビューシングル「Be The One」発売直前に衝撃にニュースが伝えられました。小室哲哉引退・・・。その後、ミニアルバムとしての本作を発表。ライブも行われたようですが、残念ながらその後の活動は現在のところ未定となっています。

さてそんなPANDORAのデビューアルバムである本作。残念ながらわずか4曲30分という内容のミニアルバムにとどまっています。まずアルバムはデビューシングルでもある「Be The One」からスタート。女性シンガーのBeverlyをフューチャーした楽曲で、女性のハイトーンボイスというあたりは完全に小室哲哉の好み。テンポのよいエレクトロトラックで、楽曲の入りのメロディー展開も強い小室哲哉の手癖を感じます。小室系全盛期の楽曲を彷彿とさせる典型的なJ-POPで、目新しさは全く感じませんが、実に小室哲哉らしいナンバーに仕上がっています。

この曲を含めて4曲中3曲はハイトーンボイスの女性ボーカルがのるエレクトロポップナンバーで、基本的には小室哲哉の色合いの強い楽曲に仕上がっています。作詞作曲は小室哲哉がメイン、音色制作やエンジニアリングは浅倉大介がメインということらしいので、パッと聴いた楽曲の印象としては小室哲哉の色合いが強くなっているのでしょう。また言うまでもなく浅倉大介自身も小室哲哉に強い影響を受けているだけに、このようなユニットを結成すると小室哲哉メインになってしまうのは仕方ないことなのでしょう。

ただ・・・正直言ってしまうとアルバムの出来としてはいまひとつという印象を受けてしまいました。「Be The One」をはじめとする歌モノ3曲については良くも悪くもいままでの小室哲哉らしい楽曲で目新しさはありません。もっとも小室系ブームが終わった直後の小室哲哉は、楽曲に目新しさを出そうと迷走していた時期が長かっただけに、逆に往時の楽曲に回帰したこれらの楽曲にはある種の吹っ切れた面も感じさせます。

そして3曲目に配置された「Aerodynamics」は17分にも及ぶインストナンバー・・・なのですが、正直言っておもしろくない・・・。印象としてはエレクトロサウンドを入れたプログレといった感じなのですが、特に今風のサウンドを入れた訳でもなく、これといって光るようなアイディアがある訳ではなく、楽曲として面白味はありません。小室哲哉のインストナンバーって以前からおもしろいと思えるような曲に出会えたことがほとんどないんですが、本当にこの人はあくまでも「歌モノのポップス」のミュージシャンなんでしょうね。

アルバムとしてはわずか4曲入りという物足りなさもあるし、出来としては正直なところ3つ程度の物足りない内容でした。ただ・・・もしこれが小室哲哉にとって最後のアルバムになるとしたら非常に残念で仕方ありません。またほとぼりが冷めたころに音楽活動に戻ってくるんですよね!PANDORAとしての次のアルバム、次はフルアルバムがリリースされることを願って下の評価に。次回作に大いに期待しています。

評価:★★★★

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