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2018年3月31日 (土)

全編バンドアレンジで

サニーデイ・サービス LIVE 2018

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2018年3月20日(月) 19:30~

Sunnyday_live

ここ最近、「DANCE TO YOU」「Popcorn Ballads」そして先日リリースされたばかりの「the CITY」と立て続けに傑作をリリース。第二の黄金期ともいうほど勢いを感じるサニーデイ・サービス。これはライブにも足を運ばなくては!ということで行ってきました。サニーデイ・サービス@クラブクアトロ。ただ会場は満員・・・ではなく8割程度の入り。うーん、あれだけの傑作を立て続けにリリースしているのに・・・という気持ちになりました。

この日は19時半というちょっと遅めのスタート。で、ほぼ19時半ジャストにライブはスタート。メンバーが登場すると、最初は予想通りだったのですが「the CITY」の1曲目「ラブソング2」からスタート。ただただ「ファックユー」を繰り返すだけのナンバーなのですが、メロウに歌い上げた原曲と比べて、ライブではシャウトを織り交ぜつつ、ロックな色合いが強いステージに。さらにアルバム2曲目「ジーン・セバーグ」へと続き、いきなりノイジーなギターサウンドを展開します。

この日は「the CITY」リリース直後のツアー。ただ選曲は、「DANCE TO YOU」「Popcorn Ballads」「the CITY」の3枚のアルバムの中から、バンド演奏に向いている曲を選曲した、といった感じのスタイルになっていました。「Popcorn Ballads」から「青い戦車」を披露した後は「DANCE TO YOU」から「冒険」。こちらはファンキーなベースを前に押し出したダンサナブルなアレンジとなっており、原曲とはちょっと違った雰囲気になっていたのが印象的でした。

その後も「青空ロンリー」や「苺畑でつかまえて」など3枚のアルバムからの曲を披露。さらに「the CITY」からの「卒業」を含めて、全体的にバンドサウンドを前に押し出したロックテイストの強いアレンジで披露。さらに「セツナ」では最後はバンドがジャムセッションで激しいプレイを聴かせ、さらにサニーデイの2人、曽我部恵一と田中貴が激しいセッションを繰り広げ、サニーデイの「ロックバンド」としての側面を強く感じるステージになっていました。

この激しいセッションから一転、続く曲は「海へ出た夏の旅」とアルバム「24時」からのちょっと懐かしいナンバー。前の曲から一転、静かな中で曽我部恵一がゆっくりと歌い上げ曲となり雰囲気がガラリとかわります。

その後は「熱帯低気圧」や「金星」など直近のアルバムのナンバーが続き、ライブの中で異色だったのが「音楽」。ダビーでサイケな雰囲気のアレンジに、最後はピアノのみで静かに後奏を聴かせるという幻想的なナンバー。この日はロック的なアレンジの曲が多かった中で、唯一「the CITY」の雰囲気を感じるアレンジがほどこされていました。

終盤は「抱きしめたり」から「the CITY」のラスト2曲でもある「シックボーイ組曲」「町は光でいっぱい」で締めくくり。ラストは曽我部恵一が歌い上げるスケール感あるナンバーとなっており、大団円のような締めくくりとなっていました。

その後はもちろんアンコールへ。実はこの日、本編では最初から最後まで一切MCがなく、淡々とした展開だったのですが、ここでようやくMCが。まず「DANCE TO YOU」「Popcorn Ballads」「the CITY」が同時並行的につくられたアルバムという話が出ました。これはちょっと意外でもあり、同時に3枚のアルバムに似た部分もあったため納得感もある話でした。この日のライブもこの3枚のアルバムからの選曲となっていたのも、彼らにとっては同時に作られた曲だから、という意識があったんでしょうね。

あと「the CITY」について「賛否両論」という話をしていました。・・・・ということは結構批判的な評価も多いんですね。個人的には文句なしの傑作アルバムだと思っているんですが・・・ただ、確かにポップな曲が少ないという点では拒否感を覚える人も少なくなさそうですが・・・。

アンコールでは非常に懐かしい「東京」を披露。そして「DANCE TO YOU」の中でも特にポップな「桜 super love」で締めくくり。ダンサナブルなナンバーで盛り上がり、アンコールは終了となりました。

しかし会場の電気がついてもその後もアンコールが鳴り止まず、しばらくしたらなんとメンバーが再登場。そしてダブルアンコールラストは、これまた懐かしの「白い恋人」へ!この選曲は個人的にもかなりうれしかったです。

そんな訳で豪華ダブルアンコールまでありライブは終了。曲数はそれなりに演ったのですが、MCもなく淡々と進んだこともあり、全2時間弱のステージでした。

さて今回楽しみに足を運んだサニーデイ・サービスのライブ。ここ最近のアルバム、特に「Popcorn Ballads」や「the CITY」の世界がどのように再現されているか気になったのですが、結論としては残念ながらあの世界はライブでは再現されていなかった、ということになってしまいました。

上にも書いた通り、基本的にサポート含めた5人のバンドメンバーによるロックなアレンジによるステージ。選曲もロックなアレンジに合うような曲だけであり、「the CITY」で聴かせてくれたHIP HOP的な要素は皆無。確かにゲストも呼びにくいし、ステージではやはりバンドアレンジが映えるし、仕方ないのかな、と思いつつもちょっと残念に感じました。

また本編、MC全くなしで淡々と進む展開もちょっと残念。MCなしに進むので、ステージ全体として淡々としたイメージが否めず、少々一方的なイメージも抱いてしまいました。基本的にポップな曲がメインなのでストイックに演奏を聴かせるというタイプではないと思うのですが・・・・。

そういうちょっと残念な部分も少なくなかったのですが、もちろん演奏自体は迫力もありバンドメンバーも息もぴったし。ロックバンドとしてのサニーデイ・サービスの側面を強く感じることが出来ました。もちろんサニーデイの大きな魅力であるポップな曲もたくさん聴くことが出来、もちろん満足して会場を後にすることが出来ました。

個人的にはもうちょっと「the CITY」のあの世界観も再現してほしかったな、とは思うのですが・・・2時間弱のステージがあっという間に感じた楽しいステージだったのは間違いありません。また彼らのライブに足を運びたいです。

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コメント

サニーデイのライブに行かれたということで、非常に羨ましいです。自分の住んでる近くにはツアーがなかったので。
内容もさることながらサニーデイの最近のリリースの仕方は、時代の先端をいっているようで本当にカッコ良いなと思います。最新作もフランクオーシャンのblondeを思わされました。もはやdance to youですら古く感じます。(もちろん傑作ですが。)
もっと語られるべき作品と思いますが、あまり一般的に知られてない気がするのが、非常に残念です。

投稿: kozy | 2018年4月 1日 (日) 22時37分

>kozyさん
リリース方法についてのご指摘は最もです。完全にCDという媒体から脱却し、「the City」も配信+LPのみというスタイルになっています。レコード会社を通さないと音楽雑誌が大きく取り上げないためサニーディの新作もあまり取り上げられていないのが非常に残念。ただ、これからこういうスタイルのリリースを行うミュージシャンは増えそうですね。

投稿: ゆういち | 2018年4月15日 (日) 22時37分

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