the band apart関連2作
今回はthe band apartがらみ2作品の紹介です。
Title:2
Musician:the band apart(naked)
まずはthe band apart(naked)名義によるタイトル通り2作目となるアルバム。the band apartのいままでの楽曲をアコースティックサウンドで大胆にアレンジした楽曲になっています。ただ、純粋にアコースティックのみのアルバムといった感じではなく曲によってはエレキギターを入れたアレンジの作品もあり、そういう意味でリアレンジアルバムとも言えるかもしれません。
「仇になっても2」あたりが典型例でしたが、全体的には爽快なシティポップ風のテイストの強いアルバム。基本的にはthe band apartのイメージを崩すようなものではなく、彼らのイメージに沿ったような楽曲が並んでいます。そのため、目新しさみたいなものは薄く、ちょっとインパクト的には物足りなく感じる部分もありました。ただ、ファンにとっては良くも悪くも安心して聴けるアルバムだと思います。
評価:★★★★
the band apart 過去の作品
Adze of penguin
shit
the Surface ep
SCENT OF AUGUST
街の14景
謎のオープンワールド
1(the band apart(naked))
Memories to Go
前へ(□□□ feat.the band apart)
Title:will
Musician:荒井岳史
そのthe band apartのボーカリストによるソロアルバム。意外性の薄かったthe band apart(naked)のアルバムに比べると、個人的にはこちらのアルバムの方が楽しめた作品となっていました。
これが3枚目となるソロアルバム。いままでのアルバムもシンプルなメロディーラインを聴かせる、メロディーメイカーとしての彼の本領が発揮された傑作アルバムが続いていましたが、最新作となる本作もその流れを踏襲する、ほどよくインパクトのあるポップなメロディーラインが光るアルバムになっていました。
ある意味、the band apartというイメージに拘束されがちなバンアパの作品と比べると、グッと自由度が高くバリエーションが多いのが彼のソロ作の特徴。本作も「リメンバー・ミー」はホーンセッションを入れつつ、シティポップとJ-POPの中間を行くような爽やかなポップチューン。「夢から醒めない」もファンキーなリズムがthe band apartっぽさを感じつつも、基本的にはあくまでもメロディーを聴かせるポップチューンに。ラストの「夜は不思議」はエレクトロサウンドを入れつつ、タイトル通りの夢の世界のような雰囲気の楽曲に仕上がっています。
ただ今回のアルバム、そんな中でも特に特徴として目立ったのが歌謡曲っぽい部分。典型的なのが「おいてけぼり」。こぶしを聴かせたボーカルに哀愁感たっぷりのメロディーラインがまんま歌謡曲。さらに女性目線の失恋ソングというスタイルも完全に歌謡曲。「酒」のようないかにも歌謡曲っぽいアイテムまで登場します。
歌謡曲っぽいというと「Wonder Magic」もそんなイメージ。ホーンセッションを入れて明るくスタートする展開は、まさに「歌謡ショー」というイメージそのまま。「ミステリアス・ガール」もダンサナブルなエレクトロポップながら、80年代あたりの歌謡曲を彷彿とさせるナンバーとなっています。
そういう意味では完全にthe band apart路線とは異なる、彼のやりたいことをやったソロアルバムらしいソロアルバムだった本作。いままでもどこか歌謡曲テイストの郷愁感あふれるメロディーを感じる部分はあったのですが、今回の作品ではその方向性がより強くあらわれた作品になっていました。そんな歌謡曲テイストの強い曲も魅力だったのですが、そんな曲を含めて今回もメロディーが特に魅力的だった傑作アルバム。まだまだこれからもソロとしても名曲がうまれてきそうです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Cocco 20周年記念Special Live at 日本武道館 2days~一の巻x二の巻~/Cocco
タイトル通り、昨年7月に日本武道館で行われた20周年記念ライブ2daysの模様を全4枚組のアルバムに全曲収録したライブアルバム。楽曲によって時には力強く、時には包み込むようなやさしさで聴かせるCoccoのボーカルがとにかく魅力的なライブアルバム。原曲に比べてさらにCoccoのボーカリストとしての魅力がつまっているアルバムになっています。個人的には1枚目の冒頭、「カウントダウン」から「水鏡」への展開はゾクゾク来るものがありました。ただ個人的にはライブの模様をそのまま収録したライブアルバムならMCも収録してほしかったな。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2018年」カテゴリの記事
- 前作同様、豪華コラボが話題に(2019.01.26)
- その「名前」を聞く機会は多いのですが・・・(2019.01.25)
- 「ラスボス」による初のベスト盤(2018.12.24)
- 民謡歌手としての原点回帰(2018.12.23)
- 相変わらずの暑さ(2018.12.22)
コメント