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2018年1月30日 (火)

18年ぶりの新作!

Title:The Gift
Musician:Hi-STANDARD

おそらく2017年の日本の音楽ニュースの中で、ベスト10のうちの1つに選ばれそうなのがパンクロックバンドHi-STANDARDのニューアルバムリリースでしょう。1999年にリリースした「MAKING THE ROAD」がミリオンセールスを記録し、名実ともに時代を代表するパンクロックバンドとなった彼らですが、2000年に活動を中止。さらにはその後、横山健と難波章浩の原盤権をめぐる確執騒動から、一時期は再結成は絶望的ではないか、とすら思われていました。

しかしその後、両者の仲も徐々に雪解けを迎え、2011年には彼らが主催するロックフェス「AIR JAM」も開催。活動を再開させました。ただその後も新譜のリリースはなく、断続的なライブ出演に留まっていました。それが2016年、待望のニューシングル「Another Starting Line」をリリース。同作は全くの事前告知なく、いきなりCDショップの店頭に並ぶというスタイルが大きな話題になりました。

そしてついに実に18年4ヶ月ぶりとなるニューアルバムをリリース。今回のアルバムもメディア等の告知が一切なく、いきなり街頭看板にてニューアルバムリリースが告知されるという手法が大きな話題となりました。

さてそんな久々となったニューアルバム。表題曲「The Gift」をはじめとして前半は比較的彼ららしいメロディアスでパンキッシュな曲が並びます。ただ中盤以降は「Hello My Junior」「We're All Grown Up」などパンキッシュというよりもポップなギターロックという印象のナンバーが並びます。

またカバー曲も印象的で、「My Girl」「Bridge Over Troubled Water」とこちらも誰もが知っているような有名曲。「My Girl」は有名なイントロからスタートし1番は原曲に近い店舗でメロディアスに聴かせ、2番はパンクロック調にカバーするというスタイル。「Bridge Over Troubled Water」は分厚いサウンドでポップなギターロック風のアレンジ。どちらかというと両者ともポップな側面が強調された選曲になっているのが印象的でした。

ほかも後半は「Pacific Sun」のようなGS風のガレージロックのギターインストナンバーがあったり、アコギでしんみり聴かせる「Friend Song」のような曲があったり、ラストの「Cabbage Surfin'」もメロディアスなギターインストで締めくくりと、楽曲にバリエーションを持たせつつ、ポップでメロディアスな側面がより強調されているように感じました。

久々となった彼らのアルバムでしたが、良くも悪くも彼らも年齢を重ね、丸くなったな、という印象を受けます。以前「Another Starting Line」がリリースされた時、あくまでもCDショップでのCD販売にこだわるという保守的な手法を批判したことがありました。今回のアルバムリリースも街頭看板での告知という、ある意味保守的でアナログな手法を取りました。正直言うと、今の彼らの活動には本来パンクロックが持つべき、時代の常識をぶち壊すようなヒリヒリした空気感は感じませんし、今回のアルバムもそんな今の彼らを良くも悪くも反映させたアルバムになっていたように感じます。

そういう意味ではかつての彼らを期待して今回のアルバムを聴くと、微妙と感じる方も少なくないかも。ただ一方でポップでメロディアスなギターロックのアルバムとして聴くと、バリエーションもありますし、メロにはインパクトもありますし、全16曲ながら40分弱というアルバムの長さも勢いがあって聴きやすいですし、良く出来たアルバムだったと思います。今の彼らはその活動方法を含め、賛否両論ありそうですが・・・そんな彼らのスタイルをよく反映したアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Future!/筋肉少女帯

約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。今回も筋少らしいユニークな視点の歌詞や、ちょっと狂ったような世界観が繰り広げられるメタリックな作風が特徴的。前作「おまけのいちにち(闘いの日々)」は筋少らしい内容で卒なくまとめたという印象を受けたのですが、今回のアルバムに関しても前作同様、筋少らしい内容で卒なくまとめてきたという印象を受けました。ただ、「3歳の花嫁」は美談らしくまとめているけど同世代の子供を持つ親としては正直ちょっとひいてしまったのですが・・・。

評価:★★★★

筋肉少女帯 過去の作品
新人
大公式2
シーズン2
蔦からまるQの惑星
公式セルフカバー4半世紀
THE SHOW MUST GO ON
おまけのいちにち(闘いの日々)
再結成10周年パーフェストベスト+2

ai/SOlate/ヒトリエ

約1年ぶりとなるヒトリエの新作は6曲入りのミニアルバム。前作「IKI」ではバリエーションある曲を聴かせ、一皮むけたような印象を受けたのですが、本作ではまた、マイナーコード主体のハイテンポなギターロックというワンパターンないままでの彼らのスタイルに戻ってしまった印象が。ただその中でも「Loveless」ではファンキーなリズム感が楽しめるナンバーとなっており、今後の彼らの可能性もうかがえました。

評価:★★★

ヒトリエ 過去の作品
イマジナリー・モノフィクション
モノクロノ・エントランス
DEEPER
IKI

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コメント

横山剣ではなくて、横山健ですよね。
なんで、クレイジーバンドの人が?と不思議に思って検索かけてしまいました。

投稿: | 2018年1月31日 (水) 19時52分

ハイスタは期待した程じゃなかったというのが正直な感想ですかね。
後半がテンポ遅めの曲が多くて、幅広いと言えばそうなんですけど…あと代表曲となるような曲が無いと感じました。
ただ、ツアーは最高でしたね…世代的に活動休止直後に聴き始めたので感無量でした。
これからもコンスタントに活動して再び名曲を出してくれるのを待ちます。

投稿: ASP | 2018年2月 1日 (木) 19時31分

>横山剣ではなくて、横山健ですよね。
すいません、ベタな間違えを・・・。修正しておきました。

>ASPさん
ハイスタ、期待したほどじゃなかったという意見は多いですね。確かにインパクトという面からもちょっと薄味だったかもしれません。ただこれからはコンスタントに活動を続けて、あらたな名曲を生み出してほしいです!

投稿: ゆういち | 2018年2月 5日 (月) 22時12分

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