紅白効果が目立つ
今週は集計対象週が1月1日から7日とお正月休みまっただ中。そのため、Hot100、アルバムチャートともに新譜が少ない週となったため、同時更新です。
今週のHot 100
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/
今週のHot100は紅白の影響が如実に表れたチャートでした。
まず1位は安室奈美恵「Hero」が獲得。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位を獲得したほか、ラジオオンエア数で7位、Twitterつぶやき数で16位を獲得しています。ご存じ、紅白歌合戦で話題となった歌唱曲。明確な紅白効果で昨年10月2日付チャート以来、15週ぶりのベスト10返り咲き。いままでの最高位は3位でしたので、今回、自己最高位更新となりました。
2位も紅白歌唱曲。欅坂46「不協和音」が先週の25位からランクアップ。こちらは昨年5月15日付チャート以来、35週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。実売数で2位を獲得したほか、Twitterつぶやき数3位、You Tube再生回数6位とランクを引き上げる結果となっています。なお欅坂46は今週「風に吹かれても」が10位から6位にアップし、先週から続けてベスト10入り。2曲同時ランクインとなっています。
3位は先週2位、back number「瞬き」がワンランクダウンでこの位置。実売数は先週の2位から3位にダウンしたものの、ラジオオンエア数は先週から引き続き1位をキープ。さらにPCによるCD読取数も2位から1位にアップしています。
今週のベスト3は以上。1位2位といずれも紅白効果で大きく順位を上げています。
ほかにもTWICE「TT」が先週の7位から5位に、乃木坂46「インフルエンサー」が9位から7位にアップ。ベスト10圏外となりますが、三浦大知「EXCITE」が11位、SHISHAMO「明日も」が12位、WANIMA「ともに」が13位、平井堅「ノンフィクション」が14位、竹原ピストル「よー、そこの若いの」が15位、星野源「Family Song」が18位と紅白効果によるランクアップが目立ちました。
一方、ユニークなのがオリコンCDチャートでは順位が全く異なること。オリコンでは乃木坂46「逃げ水」「いつかできるから今日できる」が1位2位を獲得。紅白効果では欅坂46「不協和音」が20位に入っている程度。安室奈美恵「Hero」はベスト50にも入っていません。おそらく紅白を見て歌を聴きたくなった人はダウンロードやストリーミングで曲を聴き、CDを購入するという行動は起こさなかったのでしょう。以前からドラマ主題歌などでダウンロードやストリーミングでは大ヒットを記録しているのにCDはさっぱりという傾向があったのですが、その影響が今回の紅白では明確にあらわれたように感じます。
特にHot100で紅白効果がこれだけ明確にあらわれたというのは、なんだかんだいっても紅白歌合戦の音楽シーンに与える影響は大きいんだな、ということを実感させられます。今年の紅白もワースト3位の視聴率と言われながらも、20%を超えることが珍しくなった昨今のテレビ業界で40%近い視聴率をたたき出しているわけですから、まだまだその人気のほどは無視できません。なんだかんだいってもまだまだ紅白は年末の風物詩であり続けそうです。
さて今週、Hot100では新曲が1曲もありませんでした。ロングヒット曲ではDAOKO×米津玄師「打上花火」が4位から8位にダウン。特に実売数は3位から7位に大きくダウンしてしまいました。また荻野目洋子「ダンシングヒーロー」は3位から4位にダウン。こちらは実売数が5位から13位に大幅ダウン。ただYou Tube再生回数は変わらず1位をキープしており、まだまだロングヒットは続きそうです。
今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/
今週のアルバムチャート、まず1位はジャニーズWEST「WESTival」が獲得しました。関西ジャニーズJr.出身者を中心に構成されたジャニーズ系のアイドルグループによるフルアルバムとしては4作目となる本作。初動売上は10万4千枚で、前作「なうぇすと」の8万5千枚(1位)からアップしています。
2位は安室奈美恵「Finally」が先週の5位から3ランクアップで2週ぶりにベスト3返り咲き。今週でなんと累積売上枚数が200万枚を突破。その高い人気のほどをうかがわせます。
3位にはGENERATIONS from EXILE TRIBEの「BEST GENERATION」が先週の2位からワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。
続いて4位以下の初登場盤です。今週は初登場盤は2枚のみ。まず4位にDIR EN GREY「VESTIGE OF SCRATCHES」が初登場です。2007年にリリースされた「DECADE 1998-2002」「DECADE 2003-2007」以来のベスト盤。初動売上1万7千枚は前作「ARCHE」の2万3千枚(4位)からダウン。ベスト盤としての前作「DECADE 1998-2002」「DECADE 2003-2007」の2万1千枚(14位)、2万枚(15位)からもダウンしています。
もう1枚の初登場盤は9位のThe Brow Beat「ラグナログ」。俳優として活動している佐藤流司を中心に結成されたバンドプロジェクトでPENICILLINのHAKUEIがトータルプロデュースを手掛けたそうです。初動売上7千枚でベスト10入りです。
今週の初登場盤は以上でしたが、今週はベスト10返り咲きも1枚。8位に米津玄師「BOOTLEG」が先週の11位からランクアップしベスト10返り咲き。昨年12月11日付チャート以来、4週ぶりのベスト10入りとなりました。また先週10位にランクアップしてきたDJ和「ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~mixed by DJ」は今週は6位にランクアップ。ロングヒットを続けています。
今週のチャート評は以上。また来週!
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