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2018年1月 2日 (火)

若き日の貴重な音源

ここで紹介するアルバムは基本的に私が聴いた順なので、新年一発目がこのアルバムというのは完全に偶然なのですが・・・今年最初に紹介するアルバムがストーンズというのは、個人的には今年1年、いい年になりそうな予感がします(笑)

Title:ON AIR
Musician:The Rolling Stones

昨年、「Blue&Lonesome」というブルースのカバーアルバムをリリースしたThe Rolling Stones。結成から50年以上が経過し、メンバー全員70歳を超えた今の彼らの円熟味あるカバーが魅力的でした。今回リリースされた「ON AIR」は1960年代にイギリスBBCに残したラジオ音源をまとめたアルバム。いままでブートレグなどではリリースされていた音源らしいのですが、今回、正規盤としてはじめてリリースされました。収録されている楽曲はストーンズのオリジナル曲もあるのですが、ほとんどはロックンロールやR&B、ブルースのカバー。デビュー間もない、まだ20代30代の彼らの若々しい演奏が収録されたアルバムで、ある意味、「Blue&Lonesome」の原点というか、対照的なアルバムともいえる作品になっています。

まず特徴的なのはそのカバーの選曲。カバーとしてはチャック・ベリーやソロモン・バークの曲が目立ちますが、一方ではおそらく当時は知る人ぞ知る的なR&Bのカバーも。彼らのロックンロール、ブルース、R&Bへの深い知識、敬意を感じされる選曲になっています。また、彼らのオリジナルアルバムに収録されている曲がほとんどな一方で、曲によってはこのBBC音源でしか聴けないカバーもあり、そういう意味では貴重な音源と言えるでしょう。

ただ今回のアルバム、国内盤でちょっと残念だったのが収録元であるBBCの番組についての詳しい情報がブックレットには記載あれていたのですが、収録曲に関しての詳しい情報が記載されていなかった点。彼らのルーツを知るためには非常に重要な情報だと思うのですが、ストーンズに興味があってもそのルーツには興味がない、ということなのでしょうか。残念です。

さて肝心の内容の方ですが、これはわざわざ言及するまでもないかもしれません。文句なしでカッコイイです。パッと聴いた感じ、演奏としては非常にシンプル。音圧も低めで、今の感覚からするとスカスカといったイメージを受けるかもしれません。ただ、よくよく聴くと、非常に黒いグルーヴィーな演奏が魅力的。特にギターサウンドが特徴的で、シンプルで最小限の音を奏でつつも独特なグルーヴ感のある演奏が実に魅力的で、彼らのサウンドの大きな軸となっています。

今回のアルバムは通常盤が1枚のみ、デラックス盤は2枚組という構成。もちろん私は2枚組のデラックス盤を購入しました。Disc2収録曲ももちろん貴重なナンバーばかりで、なぜ通常盤も2枚組にしなかったのかは不明なのですが・・・あえていえばDisc2の方が若干、録音状態が悪かったような・・・そこらへん、ライトリスナー向けとファン向けをわけた理由なのかもしれません。

そんな訳で、彼らの若き日の瑞々しい演奏を聴くことができ、またストーンズの実力が手にとるようにわかるアルバム。また彼らのルーツをよりよく知ることが出来るという意味でも素晴らしい内容だったと思います。これが「Blue&Lonesome」の後に出たという意義も大きいように感じます。貴重な録音を聴くことが出来た作品でした。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
Ladies & Gentlemen

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