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2018年1月

2018年1月31日 (水)

注目曲2曲ランクイン(個人的な感想ですが・・・)

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は個人的に注目したい楽曲が2曲ランクインしています。

まず2位にランクインしたPANDORA feat.Beverly「Be The One」。先週の41位からCDリリースにあわせてのベスト10入りです。テレビ朝日系「仮面ライダービルド」主題歌。PANDORAはあの小室哲哉と浅倉大介のユニット。浅倉大介といえばもともとTM NETWORKのサポートメンバーとして世に出てきたいわば小室哲哉の愛弟子。この2人がユニットを組むとあって往年のファンは狂喜したのですが、新曲がリリースされてPVで2人並ぶ姿を見るだけで胸が熱くなってきます・・・。

小室哲哉といえば先日、スキャンダル報道の余波で芸能界引退を表明しました。私にとっても非常に残念なニュースでショックだったのですが・・・PANDORAもこれが最初で最後のシングルとなってしまうのでしょうか・・・ちなみに2月7日にミニアルバムのリリースは予定されているそうなのですが・・・是非早く戻ってきて、これからもPANDORAとしての活動も続けてほしいのですが・・・。

ビルボードではCD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)3位、PCによるCD読取数で2位を獲得。ラジオオンエア数は68位、Twitterつぶやき数は24位にとどまりましたがトータルでは見事2位を記録。ちなみにオリコンでは初動売上3万6千枚で同じく2位にランクインしています。

もう1曲は先週の13位からランクアップして5位に入ってきた星野源「ドラえもん」。映画「ドラえもん のびたの宝島」主題歌。まさかのコラボといった感じですが、タイトルもそのまんまながらながら、歌詞も映画のドラえもんに沿った内容。ただサウンドやメロディーはいつもの星野源らしいポップソングになっています。2月28日リリース予定ながら、ラジオオンエア数1位、Twitterつぶやき数5位のみでベスト10入り。CDリリース後の大ヒットも期待できそうです。

さて、そんな中で1位を獲得したのはジャニーズ系。Kinki Kids「Topaz Love」が先週の39位からCDリリースにあわせてランクアップしています。日テレ系アニメ「タイムボカン逆襲の三悪人」エンディングテーマ。ちょっとムーディーな歌謡バラードになっています。実売数及びPCによるCD読取数で1位、ラジオオンエア数で18位、Twitterつぶやき数で3位を獲得。オリコンでは初動売上19万8千枚で初登場1位。前作「The Red Light」の20万枚(1位)からは微減となっています。

3位には韓国の男性アイドルグループUP10TION「WILD LOVE」が初登場でランクイン。韓流らしいエレクトロサウンドとラップをふんだんに取り入れたポップチューン。実売数2位、Twitterつぶやき数30位以外すべて圏外というのが支持層が固定ファンにとどまる韓流らしい感じ。オリコンでも初動2万9千枚で3位初登場。前作「ID」の3万8千枚(4位)からダウンしています。

続いて4位以下の初登場曲です。

まず6位にJUJU「東京」が初登場でランクイン。映画「祈りの幕が下りる時」主題歌。哀愁感いっぱいで歌い上げる感傷的なナンバーになっています。実売数5位、ラジオオンエア数11位。ただそのほかはPCによる実売数74位、Twitterつぶやき数77位、You Tube再生回数76位と奮いませんでした。オリコンでは初動4千枚で17位にランクイン。前作「いいわけ」の3千枚(11位)から若干のアップ。一方、デジタルシングルチャートでは4位にランクインしており、配信主導のヒットとなっています。

8位には三代目J Soul Brothersのメンバー、登坂広臣ことHIROOMI TOSAKA feat.CRAZYBOY「LUXE」が初登場でランクイン。今風のビートの強いエレクトロポップ。配信限定のシングルで、実売数6位、Twitterつぶやき数11位、You Tube再生回数42位でこの位置にランクインです。

今週の初登場は以上となります。ちなみにロングヒットとして長くランクインしていた荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」は残念ながら今週は18位にランクダウン。ただYou Tube再生回数は1位をキープしており、まだまだ今後の巻き返しに期待できそうです。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート!

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2018年1月30日 (火)

18年ぶりの新作!

Title:The Gift
Musician:Hi-STANDARD

おそらく2017年の日本の音楽ニュースの中で、ベスト10のうちの1つに選ばれそうなのがパンクロックバンドHi-STANDARDのニューアルバムリリースでしょう。1999年にリリースした「MAKING THE ROAD」がミリオンセールスを記録し、名実ともに時代を代表するパンクロックバンドとなった彼らですが、2000年に活動を中止。さらにはその後、横山健と難波章浩の原盤権をめぐる確執騒動から、一時期は再結成は絶望的ではないか、とすら思われていました。

しかしその後、両者の仲も徐々に雪解けを迎え、2011年には彼らが主催するロックフェス「AIR JAM」も開催。活動を再開させました。ただその後も新譜のリリースはなく、断続的なライブ出演に留まっていました。それが2016年、待望のニューシングル「Another Starting Line」をリリース。同作は全くの事前告知なく、いきなりCDショップの店頭に並ぶというスタイルが大きな話題になりました。

そしてついに実に18年4ヶ月ぶりとなるニューアルバムをリリース。今回のアルバムもメディア等の告知が一切なく、いきなり街頭看板にてニューアルバムリリースが告知されるという手法が大きな話題となりました。

さてそんな久々となったニューアルバム。表題曲「The Gift」をはじめとして前半は比較的彼ららしいメロディアスでパンキッシュな曲が並びます。ただ中盤以降は「Hello My Junior」「We're All Grown Up」などパンキッシュというよりもポップなギターロックという印象のナンバーが並びます。

またカバー曲も印象的で、「My Girl」「Bridge Over Troubled Water」とこちらも誰もが知っているような有名曲。「My Girl」は有名なイントロからスタートし1番は原曲に近い店舗でメロディアスに聴かせ、2番はパンクロック調にカバーするというスタイル。「Bridge Over Troubled Water」は分厚いサウンドでポップなギターロック風のアレンジ。どちらかというと両者ともポップな側面が強調された選曲になっているのが印象的でした。

ほかも後半は「Pacific Sun」のようなGS風のガレージロックのギターインストナンバーがあったり、アコギでしんみり聴かせる「Friend Song」のような曲があったり、ラストの「Cabbage Surfin'」もメロディアスなギターインストで締めくくりと、楽曲にバリエーションを持たせつつ、ポップでメロディアスな側面がより強調されているように感じました。

久々となった彼らのアルバムでしたが、良くも悪くも彼らも年齢を重ね、丸くなったな、という印象を受けます。以前「Another Starting Line」がリリースされた時、あくまでもCDショップでのCD販売にこだわるという保守的な手法を批判したことがありました。今回のアルバムリリースも街頭看板での告知という、ある意味保守的でアナログな手法を取りました。正直言うと、今の彼らの活動には本来パンクロックが持つべき、時代の常識をぶち壊すようなヒリヒリした空気感は感じませんし、今回のアルバムもそんな今の彼らを良くも悪くも反映させたアルバムになっていたように感じます。

そういう意味ではかつての彼らを期待して今回のアルバムを聴くと、微妙と感じる方も少なくないかも。ただ一方でポップでメロディアスなギターロックのアルバムとして聴くと、バリエーションもありますし、メロにはインパクトもありますし、全16曲ながら40分弱というアルバムの長さも勢いがあって聴きやすいですし、良く出来たアルバムだったと思います。今の彼らはその活動方法を含め、賛否両論ありそうですが・・・そんな彼らのスタイルをよく反映したアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Future!/筋肉少女帯

約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。今回も筋少らしいユニークな視点の歌詞や、ちょっと狂ったような世界観が繰り広げられるメタリックな作風が特徴的。前作「おまけのいちにち(闘いの日々)」は筋少らしい内容で卒なくまとめたという印象を受けたのですが、今回のアルバムに関しても前作同様、筋少らしい内容で卒なくまとめてきたという印象を受けました。ただ、「3歳の花嫁」は美談らしくまとめているけど同世代の子供を持つ親としては正直ちょっとひいてしまったのですが・・・。

評価:★★★★

筋肉少女帯 過去の作品
新人
大公式2
シーズン2
蔦からまるQの惑星
公式セルフカバー4半世紀
THE SHOW MUST GO ON
おまけのいちにち(闘いの日々)
再結成10周年パーフェストベスト+2

ai/SOlate/ヒトリエ

約1年ぶりとなるヒトリエの新作は6曲入りのミニアルバム。前作「IKI」ではバリエーションある曲を聴かせ、一皮むけたような印象を受けたのですが、本作ではまた、マイナーコード主体のハイテンポなギターロックというワンパターンないままでの彼らのスタイルに戻ってしまった印象が。ただその中でも「Loveless」ではファンキーなリズム感が楽しめるナンバーとなっており、今後の彼らの可能性もうかがえました。

評価:★★★

ヒトリエ 過去の作品
イマジナリー・モノフィクション
モノクロノ・エントランス
DEEPER
IKI

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2018年1月29日 (月)

80歳を超えてまだまだ現役

Title:Bebalee
Musician:Fayrouz

今回紹介するのはアラブ世界で絶大な支持を得ているレバノン出身の女性ミュージシャン、Fayrouz(Fairuzと綴る場合も)(ファイルーズ)のニューアルバム。1950年代から活躍している大ベテランの彼女で、現在なんと御年82歳。ただ、いまだに現役を続けており、なんと80歳を超えてリリースされたニューアルバムが本作。その意欲的な活動に驚かされます。

ちなみに今回のアルバムのリリースを知ったのはミュージックマガジン誌の年間ベストで紹介されていたから。ただ彼女については以前リリースされた初期の作品集を聴いて、その歌声に魅了されたこともあり今回のアルバムもさっそく聴いてみました。

そんな彼女のニューアルバムはカバーアルバム。選曲に関してはベタ・・・というか私たち日本人にとってもなじみのある曲が多く、1曲目「Rah Nerjaa Netla'a」は日本人にもおなじみ「蛍の光」ですし、続く「Yemken」はジョンレノンの「Imagine」。さらには「Ana Weyyak」は「ベサメムーチョ」ですし、「Hkayat Kteer」は「マイ・ウェイ」、「Ma Tezaal Mennee」は「Don't Cry for Me Argentina」と耳馴染みのある曲の連続。それらの曲をアラビア語訳で歌っているのがまたおもしろく、私たちがよく知っているナンバーがちょっと違った雰囲気に聴こえてきます。

しかしなんといってもこのアルバムで魅力はファイルーズの歌声。彼女のボーカルは抑揚があるわけではなく、わかりやすい感情表現がある訳ではありません。ある意味、淡々とした雰囲気で聴かせるのですが、この歌声には包容力を感じ、ある種の色気も感じられます。さらに淡々とした歌い方にも関わらず、その歌声からは圧倒的な表現力も感じます。先日紹介したHiba Tawajiも彼女と同じレバノン出身の女性シンガーで、ファイルーズフォロワーと位置づけられるシンガーで、彼女のボーカルも十分すぎるほど魅力的でその実力を感じるのですが、それでもなおファイルーズの歌声には格の違いすら感じてしまいました。

だからこそこのアルバムを聴いた時は、まずその歌声に聴きほれてしまったというのは事実。それほど圧巻の魅力をその歌声からは感じることが出来ました。ただ・・・それと同時にその歌声はちょっと厳しいな、と感じてしまったのも事実。正直言ってしまうと、このアルバムからは寄る年波というのを嫌というほど感じてしまいます。

やはりまず音域はほとんどありませんし、声量も不足気味。さらに微妙に衰えているその歌声は、やはり「おばあちゃん」ということを感じてしまいます。80歳を過ぎながらもこれだけ歌えているというだけで十分といえば十分なのですが、それでもやはり80歳を超えた人の歌声という点は否定できません。

ミュージックマガジン誌でも本作を年間ベストとして選ぶのはかなりもめたように書かれていたのですが、確かにこれを年間ベストとするのには賛否が出てくるのは嫌というほどわかります。

ただ一方では上にも書いた通り、おもわず惹きつけられてしまうだけの魅力はまだまだその歌声からは残っており、ファイラーズとしての魅力もしっかりと感じることが出来ました。だからこそ80歳超えた今でもアルバムとして作品を残すことが出来たのでしょう。以前聴いた初期作品集から比べても衰えは隠し切れませんし、おそらく彼女の全盛期の作品と比べると、かなり厳しい側面は否めないのでしょう。ただそれでも彼女の魅力はしっかりと残されている魅力的なカバーアルバムでした。

評価:★★★★

Fayrouz 過去の作品
THE EARLY PERIOD OF FAIRUZ


ほかに聴いたアルバム

Seeni Valeurs/Youssou N'dour

おそらくアフリカのミュージックシーンで最も知名度の高い大御所中の大御所、Youssou N'dour。2016年にアルバム「AFRICA REKK」をリリースしたばかりですが、早くもニューアルバムがリリースされました。ただし全7曲入りでリミックスも収録と、事実上のミニアルバム。楽曲はポリリズムのパーカッションを強調したリズミカルな曲が多く、目新しさはないものの、とにかくハイテンポで軽快なリズムを楽しめる作品になっていました。

評価:★★★★

Youssou N'dour 過去の作品
AFRICA REKK

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2018年1月28日 (日)

20周年のライブツアー

結成20周年記念TOUR “That's Fantastic!” ~Hello! We are New POLYSICS!!!!~

会場 池下CLUB UPSET 日時 2018年1月18日(木) 19:00~

かなり久しぶりにPOLYSICSのワンマンライブに足を運んできました。タイトル通り、結成20周年を記念したライブツアー。彼らのライブに行くのは2001年以来18年ぶり(!)。ワンマンライブに至っては1999年の渋谷CLUB QUATTRO以来というから、あの時は結成直後だった訳ですね・・・。

さて今回の会場は池下のCLUB UPSETというキャパ300程度のライブハウス。残念ながら客の入りは8割程度といった感じ。ただ見ている分にはちょうどいい混雑具合だったのですが。この日は仕事の都合でちょっとだけ遅れてしまったので、私が会場に入った時はちょうど「Let's ダバダバ」を演奏していたところ。後で知ったのですが、1曲目は最新アルバム「That's Fantastic!」の1曲目でありタイトルチューンである「That's Fantastic!」からスタートしたようです。

ライブは序盤から飛ばしまくります。「Baby BIAS」から最新アルバムの「Crazy My Bone」と序盤からヒートアップ。簡単な挨拶はあったのですが、基本的にMCは少な目でハイテンポな曲が次々と繰り広げられていく展開。とにかくパンキッシュでハイテンポな曲が続いていきます。

今回のツアーはレコ発ツアーではあったものの、同時に20周年記念ツアーということもあり、中盤から「Sea Foo」「Pretty UMA」のような最新アルバムからの曲を挟みつつ、過去のナンバーも同時に披露。とにかく1曲あたりの長さが短いうえに、途中MCなども挟まずサクサク進んでいくので、次から次へと楽曲が展開していくライブに。結果、かなりの曲数を聴くことが出来ました。

中盤は最新アルバムから「Shut up BABY」でようやく一息。ここで彼ら(というよりもボーカルのハヤシ)おなじみの「トイス!」の挨拶が。「トイス!」での観客とのコールアンドレスポンスで盛り上げた後、最新アルバムから「ダンスグミグミ」、さらに彼らの代表曲のひとつ「Digital Coffee」と中盤以降もペースは全く落ちません。

さらに後半は「Young OH!OH!」や「MEGA OVER DRIVE」などの代表曲が連続。終盤ではなんと、ハヤシがサングラスをはずして素顔をさらけだしました。はじめて彼の素顔を見たのですが、結構イケメンでした(笑)。さらに会場前方ではダイバーまで出現。ハヤシも観客席にダイブしてギターを弾くパフォーマンスを見せ、会場は盛り上がります。本編ラストは「URGE ON!!」「Tune Up!」とこれまた代表曲で会場を盛り上げ、一度締めくくります。

もちろんその後はアンコールが。メンバーが再び戻ってくると、ここでようやくちょっとまとまったMCコーナーとなります。MCになってもなぜかボックスを踏みつつダンスを続けるハヤシ(笑)。今回のライブツアー、毎回ひとつのテーマを設定してセットリストを変えるスタイルだそうで、この日のテーマは「ドゥ・ザ・ハッスル」だそうです。なんで「ドゥ・ザ・ハッスル」だったのかはいまいちわからなかったのですが(^^;;

さらになぜかここでハヤシがランニングマンというダンスを踊り始めます。さらに「一番うまく踊れる」ということでドラムスのヤノが登場。さらに今回のツアーで新加入となったナカムラリョウもランニングマンでのダンスを披露しました。

その後のアンコール曲は最新アルバムから「ルンバルンバ」。そしてラストは「Sun Electric」で盛り上がり、ライブは終了。最後はおなじみ「トイス!」での観客とのコールアンドレスポンスで締めくくり。アンコール含めて約2時間のステージでした。

さて今回、本当に久々のPOLYSICSライブでしたが、まず今回強く感じたのは、以前に比べてバンドとしての体力が格段に増したな、という点でした。デビュー当初からライブに定評のあった彼らですが、その評判は当初はどちらかというと色物的な側面が強くありました。もちろん、その後、色物的な側面は徐々になくなっていったのですが、今回久しぶりに彼らのステージを見て、いい意味で非常に安定したステージを見せてくれ、ベテランバンドとしての実力を感じることが出来ました。以前やフミやカヨがロボット的な無機質な動きでのパフォーマンスを見せてくれていたのですが、それもなくなり、全員統一のつなぎの服+サングラスというスタイルは変わらないものの、基本的には「普通の」ロックバンドになったな、という感じがします。もちろんそれは悪い意味ではなく、飛び道具なしでもバンドとして勝負できるようになったということでしょう。

またライブは、MCはほとんどなく、とにかく次から次へと曲を披露したライブ。2時間のステージだったのですが、次々に曲が展開するので、本編が終った時には「え?もう1時間半たったの??」と思ったほど、あっという間のライブでした。

久々のワンマンだったのですが、個人的には予想していた以上に楽しめたライブ。POLYSICSの魅力を再認識できたステージでした。次はもっと短いスパンで、また彼らのライブを見てみたいです。あっという間の2時間でした。

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2018年1月27日 (土)

ハイライフの大御所的ミュージシャン

Title:Ketan
Musician:Blay Ambolley

今回紹介するアルバムも、ここ最近続いている、各種メディアの2017年ベストアルバムのうち、リアルタイムで聴けなかったアルバムを後追いで聴いてみた1枚。本作はミュージックマガジン誌のワールドミュージック部門で3位にランクインしたアルバム。Blay Ambolleyはジェデドゥ=ブレイ・アンボリーの名前でも知られるガーナ出身のハイライフ(西アフリカで生まれた現地の音楽と西洋音楽を融合させた音楽のジャンル)のミュージシャン。ジェイムズ・ブラウンから強い影響を受けたミュージシャンだそうで、1975年にリリースしたアルバム「SIMIGWA」はハイライフの名盤のひとつとして知られています。

そんなハイライフの大ベテランミュージシャンの彼。御年70歳になろうかというミュージシャンなのですが、アルバムの内容に関していえば現役感バリバリ。1曲目「Afrika Yie」ではいきなり「アフリカ」というフレーズを繰り返しています。そういえば上のジャケット写真もアフリカをかたどっていますし、「アフリカ音楽である」ことを強調した作品と言えるかもしれません。

ポリリズムのパーカッションを主体としたリズムや泥臭さを感じるメロディーラインやボーカルには非常にアフリカらしさを感じます。その一方でユニークなのは、そんなサウンドをベースにしつつ、全体的には西洋音楽的な要素も色濃く感じられる点でした。

もっとも目立つのがジャズからの影響。アルバム全体に流れるムーディーでビターなホーンセッションやギターは非常にジャズ的な要素を感じます。彼のボーカル自体もムーディーな雰囲気が強く、哀愁感あふれるメロディーラインを含めて、ちょっとくすんだ空気が流れているのが大きな魅力。日本人にとってもどこか懐かしさを感じます。

また「Ketan」でのパーカッションや「Teacher」でのスチール・パンなどからはラテンの要素も感じられますし、「Simigwa-Do」はギターサウンドやシャウト気味のボーカルを含めてロック色の強い作品に。「It's Alright」ももともと彼の原点でもあるファンクの要素が強く出ている作品になっていますし、冒頭のギターソロをはじめ、ロック的な要素も強く入ったアルバムとなっています。

ハイライフという音楽自体、西アフリカの音楽と西洋音楽を融合させたポピュラーミュージックなだけに、西洋音楽含めていろいろな音楽を混在させているというのもハイライフのスタイルのひとつと言えるのでしょう。今回のアルバムの中では特にムーディーでジャジーな要素を強く感じ、これがまた日本人の琴線にも触れるような哀愁感をアルバム全体に漂わせていました。

ある意味、アフリカ的な泥臭さと西洋的な垢抜けた部分がほどよいバランスで見事に融合したアルバムだったと思います。大ベテランの彼ですが、まだまだ若いものには負けないとばかりの勢いすら感じる傑作。年間3位という結果も納得です。

評価:★★★★★

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2018年1月26日 (金)

映像で「アフリカ」を楽しむ

今日は最近見た映画の紹介です。

以前、アフリカ・コンゴのミュージシャン、Kasai Allstarsの「AROUND FELICITE(邦題 わたしは、幸福(フェリシテ)サウンドトラック)」を紹介しました。今回、このサントラ盤の基となった映画「わたしは、幸福(フェリシテ)」が名古屋でも上映されるということで、早速、見に行きました。

Felicite

2017年・第67回ベルリン国際映画祭審査員グランプリ(銀熊賞)受賞作としても話題となった本作は、フェリシテ=幸福という名前を持つ女性の物語り。彼女はコンゴの首都、キンシャサのバーで歌いながら一人息子を育てているシングルマザー。ある日、その一人息子が事故にあったものの、手術するためには多額の資金が必要となります。彼女はその資金を集め始めるのですが・・・というお話。

なんといっても気になったのがKasai Allstarsが楽曲を提供しているだけではなく映画にも参加しているという点。フェリシテのバックバンドとして出演しており、映画でもその演奏を披露していました。

そんなKasai Allstarsの演奏はまさに現地でのライブの雰囲気をそのまま映像で再現しているようなステージ。あくまでもフェリシテのバックバンドという扱いなので彼らの演奏が映像的にクローズアップされることはないのですが、コンゴでのライブの雰囲気がそのまま伝わってくるような演奏がおさめられています。フェリシテ役をつとめるヴェロ・ツァンダ・ベヤは本当の歌手ではないのですが、迫力満点のボーカルで演奏の中でも全く違和感ありませんでした。

残念ながら映画の中でライブ演奏のシーンはさほど多く、予想していたほど音楽の側面が強調された映画ではありませんでしたが、アフリカの音楽が好きなら否応なしに惹かれてしまうライブシーンがおさめられており、これは一見の価値あり。Kasai Allstarsのライブの雰囲気の一端を味わうことが出来ました。

 

さて、肝心の映画の方ですが、映画の作り方として余計な装飾をそぎ落とした非常にシンプルな構成となっています。途中に流れるKasai Allstarsをバックとした演奏と、フェリシテの心象描写として流れてくる中央アフリカ唯一の交響楽団であるキンバンギスト交響楽団の演奏以外は効果音を含めて一切の音楽はなし。キンシャサの街の音がそのまま流れてきています。

またセリフもナレーションももちろんのこと、説明的なセリフも一切なし。フェリシテをはじめとする人々の会話をそのまま収録したような内容になっています。そのため、正直言えば状況や人間関係がわかりにくい部分もあり、特に説明過多な日本の映画などに慣れていると、ちょっと馴染みにくい部分もあるかもしれません。

ただ、一方で映画にある意味ドキュメンタリー的な雰囲気が加わり、映像に強いリアリティーを感じました。特にコンゴ・キンシャサの風景や日常をそのまま切り取ったような映像が続くため、映画を見ていると自分たちもキンシャサの街に降り立ったようなそんな錯覚すら覚えます。ある意味、アフリカに強い興味を持っている人にとっては非常に興味深い映像の連続だったかもしれません。私も映画を見ている中で、まるでキンシャサにトリップしたような感覚を覚え、それがこの映画の魅力の一つのように感じました。

ストーリーの方は息子の交通事故から必要なお金を集められず絶望を覚える彼女ですが、後半は徐々に日常生活の中で幸福を見つけ出します。最初は貧乏な生活で苦しむ女性を描いた悲しい映画かと思いきや、どちらかというと女性一人でたくましく生きていこうとする彼女が息子の交通事故という出来事の中で苦しみつつも、人との交流の中で徐々に心をひらいていきささやかな幸せを見つけ出すという、日本で生きる私たちにも通じるような内容。見終わった後はどこか爽やかな感触の残る、後味のとても良い映画だったと思います。

正直、後半に関してはちょっと淡々とした構成になっており、ドラマチックな展開があまりありませんし、上にも書いた通りわかりにくい部分も多いため万人にお勧めといった感じではありませんが、アフリカ音楽が好きな方やアフリカに興味がある方は十二分に楽しめる映画だと思います。お勧めです。

以下、ネタバレの感想

続きを読む "映像で「アフリカ」を楽しむ"

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2018年1月25日 (木)

なんと、あのパンクバンドが1位獲得!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

人気上昇中ということは知っていましたが、この結果にはビックリしました。

今週、1位を獲得したのはパンクロックバンドWANIMA「Everybody!」。昨年の紅白歌合戦にも出演し、一気に知名度を高めたパンクロックバンドのメジャーデビュー作。アルバムとしては約2年2ヶ月ぶりと少々久々のリリースとなるのですが、その間、配信シングルの「やってみよう」がヒットしたり、徐々に人気を伸ばしていった彼ら。本作は初動売上12万6千枚と、1位に恥じない堂々とした売上枚数を獲得。前作「Are You Coming?」の初動2万3千枚(4位)を大きく上回り、シングルアルバム通じて初となる1位を獲得しています。

2位に初登場してきたのは女性ボーカルグループLittle Glee Monster「juice」。こちらも昨年末の紅白歌合戦に初出場を果たし話題となりました。フルアルバムとしては3枚目となる作品で、2位はアルバムでは自己最高位。初動売上5万2千枚は前作「Joyful Monster」の4万枚(4位)からアップしています。

3位は安室奈美恵「Finally」が先週から変わらず3位をキープ。ただし売上は4万3千枚から2万5千枚と大きくダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。4位初登場は韓国の男性アイドルグループPENTAGON「VIOLET」。韓国のケーブルテレビ局Mnetによるデビューリアリティー番組「PENTAGON MAKER」から生まれたアイドルグループで、メンバーの中には1人、日本人も参加しています。本作は日本でリリースされた2枚目のミニアルバム。初動売上2万1千枚は前作「GORILLA」の1万3千枚(5位)からアップ。

5位には四ノ宮那月(谷山紀章) 、寿嶺二(森久保祥太郎)、聖川真斗(鈴村健一)、黒崎蘭丸 (鈴木達央) 「うたの☆プリンスさまっ♪Shining Masterpiece Show「『Lost Alice』」が初登場でランクイン。恋愛ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラクターによるドラマCD。初動売上1万9千枚。同ゲームのアルバムでの直近作は「うたの☆プリンスさまっ♪『HEAVEN SKY』エピソードCD」で、同作の9千枚(8位)よりアップ。

6位に入ってきたのはユナク from 超新星「The One」。ミュージシャン名義通り、韓国のアイドルグループ超新星のメンバー、ユナクによるソロ作。初動売上は1万4千枚。直近作はユナク&ソンジェ from 超新星としてリリースされた「2Re:M」で、同作の初動1万8千枚(4位)からはダウン。ユナク単独名義だと、前作「REAL」の1万6千枚(6位)から若干のダウンとなっています。

最後10位にはゲームやアニメソングなどを中心に活動している女性シンガーソングライターやなぎなぎ「ナッテ」がランクイン。初動売上6千枚は前作「Follow My Tracks」の1万枚(7位)からダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2018年1月24日 (水)

お正月的なチャートも一区切り

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まず今週の1位はジャニーズ系が獲得。NEWSのニューシングル「LPS」が1位獲得です。NEWSシングル史上最も"ピース"な曲をテーマに売り文句にしているだけあって、非常に明るい雰囲気の楽曲。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)及びPCによるCD読取数で1位を獲得したほか、Twitterつぶやき数も7位。アイドル系にしては珍しくラジオオンエア数も12位と比較的上位に入ってきました。オリコンでは初動売上13万枚で1位を獲得。前作「EMMA」の14万9千枚(1位)からダウンしています。

2位初登場はMr.Children「here comes my love」。フジテレビ系ドラマ「隣の家族は青く見える」主題歌で配信限定となるシングル。ミスチルらしいちょっと切なく歌い上げるミディアムテンポのナンバー。実売数で2位の一方、ラジオオンエア数39位、Twitterつぶやき数35位と若干奮いませんでした。

3位は欅坂46「風に吹かれても」が先週からワンランクダウンながらベスト3をキープしています。

続いて4位以下の初登場曲です。4位にはアニメキャラによるアイドルプロジェクト、「ラブライブ!サンシャイン!!」によるアイドルユニットAqours「WATER BLUE NEW WORLD」が初登場でランクイン。実売数及びPCによるCD読取数が3位ながらもTwitterつぶやき数24位、ラジオオンエア数圏外で結果、この順位に。アイドルポップらしいナンバーなのですが、曲が展開するにつれ、次々と転調する展開がJ-POPらしい楽曲になっています。オリコンも初動売上3万3千枚で4位初登場。直近作はSaint SnowとのコラボによるSaint Aqours Snow名義の「Awaken the power」で、同作の5万3千枚(3位)よりダウン。Aqours名義としては前作「MY舞☆TONIGHT」の3万4千枚(2位)から微減。

5位初登場は男性アイドルグループDa-iCE「TOKYO MERRY GO ROUND」。実売数5位、Twitterつぶやき数10位を獲得した一方、ラジオオンエア数は33位、PCによるCD読取数は45位に留まっています。出だしがまるっきりSMAPの「SHAKE!」そのままで楽曲全体も似ていてビックリしたのですが、作曲はその「SHAKE!」と同じコモリタミノル。この人、有名な作曲家だけど使いまわしが多いことでも知られているからなぁ・・・。オリコンでは初動4万8千枚で2位を獲得。前作「君色」の3万1千枚(4位)からアップしています。

6位には昨年末、紅白歌合戦にも出演し、現在人気上昇中のパンクロックバンドWANIMA「シグナル」が先週の82位からランクアップしベスト10入り。先日リリースされたアルバム「Everybody!」の収録曲が、配信でベスト10入りです。実売数は15位、Twitterつぶやき数32位、You Tube再生回数は11位でしたが、ラジオオンエア数では見事1位を獲得しています。

今週の初登場曲は以上。一方、ロングヒットの注目曲では荻野目洋子「ダンシングヒーロー」は6位から9位にランクダウン。ただYou Tube再生回数は1位をキープしているほか、実売数がここに来て15位から12位にランクアップしており、まだまだロングヒットは続くかもしれません。

今週のHot100は以上。明日はアルバムチャート。

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2018年1月23日 (火)

バラエティー富んだ作品を歌いこなす

Title:30
Musician:Hiba Tawaji

ここ最近続いている、各種メディアの2017年ベストアルバムのうち、リアルタイムに聴きそびれたアルバムを聴いてみるシリーズ。今回紹介するのはレバノンで活躍する女性シンガー、Hiba Tawajiのニューアルバム。ミュージックマガジン誌のワールドミュージック部門で1位を獲得した作品で、タイトル通り、今年30歳になるシンガーだそうです。

彼女については音源を聴くのもはじめてで、名前もミューマガのベストアルバムではじめて聴いたシンガー。哀愁感たっぷりのメロディーラインでその伸びやかな歌声を聴かせるスタイルで、今回のアルバムに関しては特にオーケストラを取り入れたアレンジが多く、スケール感を覚える作品が目立つ内容になっていました。

彼女自身は同じレバノンの大人気歌手、フェイルーズのフォロワー的な立ち位置のシンガー。フェイルーズに関しては以前アルバムを聴いたことがあるのですが、確かに楽曲のタイプとしては似たようなものを感じます。フェイルーズはその哀愁感漂うメロディーラインに歌謡曲的なものを感じた部分があったのですが、彼女に関してもそれは同様。例えば「Tir W Aalli」などは非常にダイナミックな展開やこぶしをいれた力強いボーカルに、どこか中島みゆき的なものを感じましたし、「Enta L Fallayt」などは完全にムード歌謡曲な楽曲になっています。

基本的には、そんな歌謡曲にも通じるようなメロディーラインの楽曲がベースとなっているのですが、「Enta Habibi」のような垢抜けたボッサ風のポップチューンもあったり、打ち込みを入れてリズミカルに聴かせる「Hkini」などバラエティー豊か。その一方で「Yalla Norkos」のようなアラブ的な側面を前に押し出した曲もあり、アルバム全体を流れるエスニックな雰囲気も大きな魅力となっています。

また上にも書いたようにオーケストラを取り入れたスケール感ある作品が目立ったのも大きな特徴。特にDisc2はオーケストラアレンジの楽曲が並んでいますし、また彼女自身、ミュージカルなどで女優としても活躍しているようで、そんな彼女の特徴を生かしてか、ミュージカル風、映画音楽風のドラマチックな構成を聴かせる楽曲も目立ちました。ただその結果、Disc2に関しては正直ちょっと大味な部分も感じてしまいました。その点はちょっと残念だったかも・・・。

アルバムは2枚組全30曲2時間を超える長さのボリューム。そういう点でも最初の1枚としては若干敷居も高いのも事実。ただ、アラブ風のエスニックな味付けをベースとしてバラエティー富んだ作風と、そして時には優しく、時には力強く歌い上げるHibaの歌声が非常に魅力的なアルバムでした。メロディーラインには歌謡曲に通じる部分もあるので日本人にも聴きやすいアルバムだったと思います。ちょっとボリュームが多かったり、大味に感じた部分もあったりしたけど、その歌声に魅了された作品でした。

評価:★★★★

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2018年1月22日 (月)

独特なリズムが印象的

Title:Black Origami
Musician:Jlin

2017年ベストアルバムとして各種メディアで評価されている作品のうち、リアルタイムで聴きそびれたアルバムを今、あらためて聴いているのですが、本作もそんな1作。ミュージックマガジンのハウス/テクノ/ブレイクビーツ部門で1位を獲得したほか、ピッチフォークで10位、米SPIN誌で6位の評価を受けています。

Jlinはアメリカインディアナ州出身の女性プロデューサー。前作「Dark Energy」も大きな話題を呼びました。彼女の奏でる音楽はジューク/フットワークと呼ばれる、アメリカ・シカゴ発祥の最近、話題となっているムーブメントらしく、ベースの重低音とBPM160の三連譜などを基調としたポリリズムのリズム(Juke)と、足技を中心にした高速ダンス(Footwork)を融合させたダンスミュージックだそうです。

本作でもそんなジューク/フットワークの特徴である重低音を重視したサウンドとポリリズムのサウンドが印象的。特にポリリズムのサウンドはアフリカ音楽的なトライバルな雰囲気を醸し出しており、例えば「Nyakinyua Rise」はどこか呪術的な叫び声なども聞こえたりして、独特の雰囲気を出していますし、「Nandi」は細かいリズムで奏でる重低音のパーカッションが耳に残るトライバルな作風の楽曲に仕上がっています。

本作についてもうひとつ特徴的なのが、全体的に非常に音数を絞って空間を聴かせるような音づくりをしているという点。アルバム通じて、サウンドは非常にシンプル。音を重ねるというよりも、個々のリズムやサウンドが個性を持って主張しているような、そんな印象を受ける楽曲が並んでいました。

そしてもうひとつの大きな特徴として楽曲毎に様々なリズムやサウンドを使っており、バリエーションがある音作りをしているという点でした。これはジューク/フットワークのWikipediaの記述にも「同一のトラックメイカーの楽曲でも、曲ごとのリズムが一定ではなく多彩多層な構造を持った曲構成で、かなりバラエティに富む。」と書かれており、このジャンルの特徴なのでしょう。

例えば「Holy Child」では女性のボーカルをサンプリングして神秘的な雰囲気に仕上げており、BPMも遅め。「Hatshepsut」は行進曲のようなリズムとサウンドになっていますし、「1%」はスペーシーなサウンドで近未来的と楽曲によってリズム、サウンドともにバリエーションのある曲調が魅力的でした。

わかりやすいメロディーラインというのはなく、リズムにも複雑さを感じるのですが、やはり基本はダンスミュージックだからでしょうか、決して難解さはなく、リズミカルなサウンドが楽しめる音楽であったことは間違いありません。個人的にも年間ベストクラスの傑作だったと思います。その独特なサウンドが妙に癖になるアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Culture/Migos

こちらも上記「Black Origami」と同様、2017年ベストアルバムをあらためて聴いてみた1枚。MUSIC MAGAZINE誌のラップ/ヒップホップ部門で2位を獲得した他、Rolling Stone誌で9位、ピッチフォークで19位、アメリカSPIN誌で11位を記録しています。

彼らの音楽は最近話題となっているHIP HOPの一ジャンル、トラップというジャンルにカテゴライズされるもの。Wikipediaによると重低音を強調したビートに、トラップ特有のスネアドラムの連続音や、派手な電子音を加える中毒性の高いスタイルが一般的だそうです。

その特徴の通り、重低音を強調したシンプルなリズムにスネアドラムのリズムが印象的なサウンド。全体的に哀愁感あってどこかメロディアスな雰囲気が魅力的な楽曲になっています。全体的にしんみりとした雰囲気が漂っているのですが、サウンドを含めてどこか中毒性を感じるサウンドになっており、思わず聴き入ってしまうアルバムでした。

評価:★★★★★

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2018年1月21日 (日)

ロックとアフロが同居

Title:Mali Foli Coura
Musician:BKO

2015年、アルバム「BAMAKO TODAY」が大きな話題となったBKO Quintet。それから約2年10ヶ月、彼らの2ndアルバムがリリースされました。彼らはアフリカのパーカッション、ジェンベの奏者イブラヒマ・サールとフランス・リヨン出身の白人パーカッショニスト、エメリック・クロールを中心に結成された5人組バンド。若干謎なのが今回のバンド名で、どうも正式なミュージシャン名義は「BKO」と短縮されたようですが、バンド名を変えたのか、別名義のバンドなのか不明。媒体によってはこのアルバムも「BKO Quintet」として紹介していますし、またメンバー構成も全く同じ模様。おそらくは、単純に改名しただけと思うのですが・・・。

前作「BAMAKO TODAY」の感想で彼らの魅力は「アフリカらしいアグレッシブなサウンドを構成しつつも、一方ではどこかあか抜けた感じのするメロディーやサウンドを聴くことが出来る点」と書きました。そして基本的な方向性は前作と同様。本作でもアフリカらしいトライバルな要素と欧米の音楽のような垢抜けた要素が同居しているロックな作風が非常に魅力的な作品となっていました

特に彼らの音楽で耳を惹くのが、ンゴニという西アフリカでもっともポピュラーが弦楽器にエフェクトを通じて思いっきり歪ませているサウンド。この歪んだサウンドがまるでギターのように奏でられている一方で、ギターの音とはちょっと異なった、もうちょっと泥くさいような独特の音色を出しており、大きな魅力となっています。

ただ、このディストーションをかけたンゴニの音色がバンドのサウンドに垢抜けた要素を加えているひとつの要素となっており、例えば「Strange Koreduga」では、こぶしを効かせて歌い上げるボーカルやパーカッションの音色がトライバルな雰囲気を醸し出している一方、ファンキーなリフを展開するンゴニのサウンドが非常にファンキーでロックな要素を強く出しており、楽曲を垢抜けた雰囲気としています。

この曲に続く「Dirty Donso」もこぶしを効かせたボーカルを聴かせつつ、重低音を利かせるリズミカルなビートが奏でるグルーヴ感や分厚いサウンドは非常に高揚感があり、ロック的な要素を感じます。逆に「Mali Liberela」はポリリズムのサウンドをミニマルに展開していくアフロファンク的な要素が強く、フェラ・クティからの影響も感じさせるナンバーで、非常に「アフリカ」的な要素を強く感じるナンバー。このように、欧米的な雰囲気を感じるロックの要素とアフリカ的な雰囲気を感じるアフロファンクな要素を同居させた音楽性が今回のアルバムでも大きな魅力となっていました

後半では「BKO nana」ではどこか日本のチンドン的な要素を感じるナンバーが登場したり、ラストの「Mom amour」ではフランスのシンガーソングライターマチュー・ボガートが登場し、フレンチポップ風のナンバーになったりと、ユニークな音楽性を垣間見せる部分も。前作でもこういった要素を感じる部分はあり、そういう意味でも基本的には前作からの流れを踏襲するようなアルバムとなっていました。

ワールドミュージックのカテゴリーに入れられるミュージシャンですが、ロック的な要素も非常に強く、アフリカ音楽の愛好家だけではなく、ロックリスナーも十分に楽しめそうなアルバムになっていました。前作に引き続きの傑作アルバム。ロックファンも要チェックです。

評価:★★★★★

BKO 過去の作品
BAMAKO TODAY(BKO Quintet)


ほかに聴いたアルバム

Pure Comedy/Father John Misty

リアルタイムで聴き損ねた2017年ベストアルバム上位アルバムをいまさらながら聴いてみるシリーズ。本作は「MUSIC MAGAZINE」誌「ロック[アメリカ/カナダ]」編で1位を獲得した他、ピッチフォークで11位、イギリスQ-Magazineで7位など上位にランクインしているアルバム。元Fleet Foxesのドラマー、ジョシュア・マイケル・ティルマンのソロプロジェクトの、Father John Mistyの同名義3枚目となるアルバムです。

今回、彼の作品をはじめて聴いたのですが、アコースティックギターとストリングスでフィーキーに聴かせる作風。決して派手さはなく、むしろ全体的には地味という印象を受けてしまうのですが、聴いているとしっかりと心に残る美しいメロディーラインが印象に残ります。こういうアルバムを1位に選ぶのはいかにもミューマガらしい感じなのですが、非常に優れた傑作アルバムであることは間違いないと思います。非常に心に染みいってくる名盤でした。

評価:★★★★★

A Deeper Understanding/The War On Drugs

アメリカ・フィラデルフィア出身のインディーロックバンド、The War On Drugs。前作「Lost in the Dream」は各種メディアに大絶賛を受けましたが、本作も2017年ベストアルバムのピッチフォークで7位、イギリスUncut誌では2位、アメリカSpin誌で5位と大絶賛を受けています。

個人的には前作「Lost in the Dream」が非常に気に入っただけに本作も楽しみにしていたのですが・・・シューゲイザー色も強くサイケの色合いが濃かった前作に比べると、全編的にエレクトロサウンドを取り入れた本作。全体的には明るくポップな印象も強いのですが、サウンド的に少々チープさを感じてしまいました。このインディー的なノリも魅力なのかもしれませんが、個人的には前作ほどはまれませんでした・・・。悪いアルバムではないと思うのですが・・・ちょっと残念に感じた1枚です。

評価:★★★★

The War On Drugs 過去の作品
Lost in the Dream

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2018年1月20日 (土)

とても暖かい

Title:SHINJITERU
Musician:ハナレグミ

ハナレグミ約2年ぶりとなるニューアルバム。前作「What are you looking for」は数多くのゲストが参加したアルバムになっていましたが、本作にも前作に引き続き多くのゲストが参加。前作から引き続きの堀込泰行の他、かせきさいだあやスカパラの沖祐市、阿部芙蓉美というメンバーが名前を連ねています。

ただ前作ではRADWIMPSの野田洋一郎のようなちょっと意外なメンバーが加わっていたのに対して今回の参加メンバーはある程度は予想の範疇内。そのため楽曲的にも意外性のあるような曲はありませんでした。

そんなある意味「攻め」の姿勢が見られた前作に対して今回のアルバムは、語弊のある言葉かもしれませんが、ある意味「守り」的なアルバムと言えるかもしれません。実際、収録されている楽曲もアコースティックで暖かく聴かせるナンバーがメイン。ハナレグミらしい暖かさを強く感じさせる構成になっています。

特に前半から中盤にかけてその傾向が強く、アルバムはまずいきなりピアノでしんみり聴かせるバラードナンバー「線画」からスタートします。アコースティックでシンプルなサウンドと心理描写と風景を重ね合わせた歌詞をじっくりと聴かせるナンバー。暖かみを感じさせる一方でアルバムの1曲目としては地味という印象すら感じる作品ですが、本作の方向性も感じさせる楽曲とも言えるかもしれません。

その後も郷愁感あるサウンドとメロが心に残る「深呼吸」、ブルージーなサウンドが印象的な「My California」、打ち込みのサウンドを入れつつも歌詞とメロに暖かみを感じる素朴なラブソング「ののちゃん」など、彼の楽曲は以前からアットホームで、彼の人柄を反映するかのような暖かい曲が多いのですが、今回のアルバムはその傾向がより顕著にあらわれているように感じます。

ただ終盤にはダウンチューンの「Primal Dancer」や裏打ちのリズムが軽快なラテンナンバー「太陽の月」といった楽曲も顔をのぞかせます。もっとも、これらの曲に関してもシンプルなサウンドで暖かさを感じさせる楽曲となっており、アルバム全体の統一感を乱すものではありません。

最後は森の音色が加わり、まるで森の中でゆっくりと聴いているような、幻想的な雰囲気の「YES YOU YES ME」で締めくくり。最後までほっこりとした暖かさを感じる楽曲が並んでいました。

地味、と言われればひょっとしたらいままでのアルバムの中で最も地味な作品だったかもしれません。ただ一方、暖かさといえば、これまでのアルバムの中で最も暖かい作品だったと思います。シンプルだからゆえにハナレグミらしく、かつハナレグミの魅力が存分につまった傑作アルバムと言えるでしょう。聴いていて心がほっこりとする作品でした。

評価:★★★★★

で、ハナレグミからもう1作。

Title:Live What are you looking for
Musician:ハナレグミ

こちらはもともと2016年に配信限定でリリースされたライブアルバムが、「SHINJITERU」リリースにあわせてCDリリースされたもの。このたびはじめて聴いてみました。

内容はタイトル通り、前作「What are you looking for」リリース後のツアーの模様をおさめたライブアルバム。それも非常に評判がよかった2016年3月6日のNHKホールでのライブで披露された曲を全曲おさめたライブアルバムとなっています。

確かに、NHKホールというそこそこの広さのある会場ながらも、その広さを感じさせないアットホームな雰囲気をライブ音源を通じても感じることが出来ます。特にハナレグミ自身が会場の反応を見ながら曲をすすめたり、観客への呼びかけがあったりと、会場と一体となる空気を作り出しており、その一体となった空気感がこちらにも伝わってくるようです。

前作「What are you looking for」もとてもアットホームで暖かみを感じるアルバムだったのですが、その魅力をしっかりと伝えてくれているライブアルバム。彼のライブの魅力をしっかりと感じることのできた作品でした。

評価:★★★★★

ハナレグミ 過去の作品
あいのわ
オアシス
だれそかれそ
どこまでいくの実況録音145分(ハナレグミ,So many tears)
What are you looking for

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2018年1月19日 (金)

歌謡曲のパロディー

Title:HOMEMADE
Musician:半田健人

「仮面ライダー555」の主演としてブレイクし、活躍する俳優の半田健人。ここ最近では昭和歌謡曲への深い造詣を有し、歌謡曲の評論家的な活動、さらには自ら楽曲制作を行いアルバムをリリースするなど、音楽へその活動の主軸を移しつつあります。

本作はそんな彼の2枚目となるオリジナルアルバム。今回、はじめて彼のアルバムを聴いたのですが、きっかけは「MUSIC MAGAZINE」誌の2017年ベストアルバムJポップ/歌謡曲部門で1位を獲得したため。毎年、年末に発表される各種メディアの年間ベストアルバムのうち、未聴だったアルバムを聴いてみるのですが、その一環としてはじめて彼のアルバムを聴いてみました。

彼の趣味からある程度は予想していたのですが本作、完全に昭和歌謡曲を現在に再現したような作品。それも「昭和歌謡曲」といっても様々なバリエーションを聴かせてくれており、グループサウンズ風のギターインストナンバー「赤羽一番街の殺人」からスタート。続く「裁かれる者たちへ」は昔のサスペンスドラマの主題歌のような歌謡曲。さらに「江ノ島電車」は歌謡フォークな爽やかな楽曲と続きます。

さらにはムード歌謡曲の「西航路」や昔のアイドル歌謡曲風の「箱根に一泊」、シャンソン歌謡の「お茶の水シャンソン」など、歌謡曲を様々なタイプに分類分けし、バリエーション豊富に歌っています。どの曲もどこかで聴いたことあるよなタイプの曲ばかりで、歌詞もいかにもな歌謡曲風。またボーカルについても楽曲のタイプに応じて曲ごとに声色をつかいわけており、ここらへんさすが俳優といった印象を受けます。アルバム全体としての統一感は「歌謡曲」という点をのぞいて薄いのですが、このアルバムを聴くことによって歌謡曲の多様性を垣間見ることが出来、そういう意味で歌謡曲評論家のような批評的分析的な解釈で歌謡曲のパロディーを聴かせてくれるようなアルバムになっています。

そういう意味で非常によく出来たアルバムであることは間違いありません。で、以下は本作の内容とは全く関係ない話で非常に恐縮なのですが・・・・

このアルバムが2017年のベストアルバムってはありえないだろう・・・って話。

前述の通り、アルバムの出来として優れているのは間違いありません。ただ、内容的には完全に歌謡曲を模倣したパロディー的なアルバム。正直言って、半田健人としての新しい解釈、2017年ならではの今風の味付けというのはほとんどありません。

そういう意味ではこのアルバムが2017年を代表するアルバムというのは非常に疑問を感じてしまいます。本作から2017年という時代性を感じることはできませんし、過去の模倣的な作品を選ぶということ時代に非常に後ろ向きなものを感じてしまいます。クレイジーケンバンドのように昭和歌謡をベースに彼らなりの音楽性を加味しているのならともかく、本作はある種確信的にパロディーに徹しています。それはそれでもちろんスタンスとしてありなのでしょうが、その年を代表するアルバムか、と言われるとちょっと首をかしげてしまいます。

もちろん、個人が自分の好みで決めるベストアルバムで本作をベストアルバムにするのは全く問題ないと思います。ただ、批評的な判断を加えるべき音楽雑誌のベストアルバムでこういう過去のパロディー的な作品を、ベスト10の中の1枚に選ぶというのはともかく、その年の「顔」である1位に選ぶというのは非常に疑問。そもそもミュージックマガジンのこの手のベストアルバムの選考って、ポピュラーミュージックの中での位置づけなど全く考慮せずに、完全に自分の好みだけでベストアルバムを選んでいる評者もしたりして、以前から疑問に感じる部分が少なくなかったのですが、本作の1位についてはその疑問を強く感じてしまいました。

以上、半田健人のアルバムの内容自体には全く関係ないお話。ただ、どうしても強く疑問に感じてしまったので書かせていただきました。個人的には良く出来た優れたアルバムだとは思うのですが、完全にパロディーという意味で下記のような評価に。ただ、歌謡曲のパロディーアルバムとしては非常に楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

LUV/LUNA SEA

純然たるオリジナルアルバムとしては再結成後2枚目、前作「A WILL」からちょうど4年ぶりとなるニューアルバム。その前作「A WILL」はポップな要素が強く、かなり物足りなさが残ってしまうアルバムでしたが、本作も残念ながらその路線を引き継いだような作風に。LUNA SEAのロックな側面よりもポップな側面を強調したような作風で物足りなさが残りました。中盤「Ride the Beat,Ride the Dream」というデジタルサウンドを取り入れた作品なども登場したのですが、これも一昔前のビッグビートみたいで、個人的には嫌いではありませんが、ちょっと時代遅れを感じてしまいます。再結成後、正直以前ほどのアルバム売上は見込めないんだから、ポップ寄りよりももっと尖った作品を聴きたいのですが・・・。

評価:★★★

LUNA SEA 過去の作品
COMPLETE BEST
LUNA SEA
A WILL
25th Anniversary Ultimate Best-THE ONE-
NEVER SOLD OUT 2

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2018年1月18日 (木)

新年2週目から新譜ラッシュ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は対象週が1月2週目。通常、お正月休みの余波で新譜が少な目なのですが、今年は10枚中7枚が新譜という、新年早々の新譜ラッシュとなっています。

まず今週1位を獲得したのは乃木坂46「僕だけの君~Under Super Best~」。シングル表題曲の選抜メンバーに選ばれなかったメンバーがシングルのカップリング曲を歌う企画盤的なアルバムだそうです。初動売上は10万1千枚。直近のオリジナルアルバム「生まれてから初めて見た夢」の34万2千枚(1位)からは、企画盤ということもありさすがに大幅にダウンしています。

2位初登場は水樹奈々「THE MUSEUM III」。彼女3作目となるベストアルバムで、先のベスト盤「THE MUSEUM II」以降にリリースされた楽曲から選曲された17曲が収録されています。初動売上は4万5千枚。直近のオリジナルアルバム「NEOGENE CREATION」の4万6千枚(2位)から若干のダウン。2011年にリリースされた前のベスト盤「THE MUSEUM II」の8万2千枚(3位)からは大幅ダウンとなりました。

3位は安室奈美恵「Finally」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。まだまだ売れ続けています。

まず4位にはヤバイTシャツ屋さん「Galaxy of the Tank-top」がランクイン。現在、人気急上昇中のメロコアバンド。ベスト10入りはこれが2作目。初動売上2万3千枚は前作「We love Tank-top」の1万1千枚(7位)から倍増以上となっており、その勢いを感じます。

6位には大神環(稲川英里),宮尾美也(桐谷蝶々),百瀬莉緒(山口立花子),エミリー・スチュアート(郁原ゆう),真壁瑞希(阿部里果)「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE 05」が初登場。ゲーム 「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」の登場キャラクターによる楽曲を集めたアルバム。初動売上は1万枚で、同シリーズの前作「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE 04」(10位)から横バイとなっています。

7位初登場は女性アイドルグループ虹のコンキスタドール「レインボウフェノメノン」。SNSのpixvを運営する会社が企画したグループだそうです。初動売上は1万枚。前作「レインボウエクリプス」の6千枚(12位)からアップしています。

8位にはSOL(from BIGBANG)「WHITE NIGHT」が入ってきています。韓国の男性アイドルグループBIGBANGのメンバーによるソロ作。韓国でリリースされたアルバムの輸入盤です。初動売上は9千枚。直近作は国内リリースとなっている「RISE + SOLAR & HOT」で、こちらの初動4万8千枚(2位)からはダウンしています。

最後9位にはテレビ東京系バラエティー「THEカラオケ★バトル」での活躍で知名度を上げた歌手、林部智史「I」がランクイン。本作がデビュー作となり、初動売上9千枚でいきなりのベスト10ヒットとなりました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2018年1月17日 (水)

AKBグループが目立つ

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のチャートはやけにAKBグループが目立つチャートとなりました。

まず1位は名古屋を中心に活動をするAKBの姉妹グループSKE48「無意識の色」が1位獲得。サビでの転調が実にJ-POPらしい作品。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位を獲得したほか、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数で3位を獲得。一方、ラジオオンエア数は26位に留まっています。オリコンでも初動売上27万8千枚で1位獲得。前作「意外にマンゴー」の27万2千枚から若干のアップとなっています。

2位は欅坂46「風に吹かれても」が先週の6位からランクアップしベスト3入り。実売数が4位から2位にアップしておりベスト3入りの要因に。オリコンチャートでも5位から4位にランクアップしています。

今週はこのほかにも乃木坂46「いつかできるから今日できる」が16位から4位にランクアップし、昨年11月13日付チャート以来、10週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。実売数で3位を記録。オリコンチャートでは2位にランクインしています。

こちらはいずれもオリコンのデジタルシングルチャートでは上位に入ってきておらず、いずれもCD売上メインとなっています。乃木坂46はオリコンアルバムチャートで1位を獲得しており、その余波でしょうか。また正月明けのチャートということでお年玉による小中学生あたりの購買力が増した影響もあるのかもしれません。

3位はRYUJI IMAICHI「ONE DAY」が初登場でランクイン。三代目J Soul Brothersのメンバーによるソロデビュー作で、配信オンリーの作品。ハイトーンボイスで歌い上げるソウルバラードに仕上がっています。実売数及びTwitterつぶやき数5位。ほかにラジオオンエア数は47位、You Tube再生回数69位と奮いませんでしたが、ほかに強力曲がなかったということもあり見事ベスト3入りです。

続いて4位以下の初登場曲です。5位にアニソンを中心に歌う女性シンガーLiSA「Thrill, Risk, Heartless」が初登場でランクイン。ゲーム「ソードアート・オンライン フェイタル・バレット」主題歌。J-POPらしいハードロックテイストのロック風ナンバーになっています。配信限定のシングルで実売数6位、Twitterつぶやき数7位を獲得し、この位置でランクインです。

7位にはRe:vale「NO DOUBT」が初登場。ゲーム「アイドリッシュセブン」に登場するアイドルグループだそうです。実売数7位、PCによるCD読取数8位、Twitterつぶやき数6位を獲得。オリコンでは初動1万1千枚で7位初登場。前作「SILVER SKY」の1万5千枚(6位)からダウンしています。

最後10位には韓国の女性アイドルグループTWICE「Candy Pop」が初のベスト10入り。実売数は53位でしたが、Twitterつぶやき数4位、You Tube再生回数で2位を獲得し、見事ベスト10入りです。

さて先週1位だった安室奈美恵「Hero」ですが、今週は残念ながら9位に大幅ダウン。実売数は4位とまだまだ強さを見せつけたのですが、ラジオオンエア数41位、Twitterつぶやき数65位とほかのチャートが奮わず、大幅ダウンとなってしまいました。

一方荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」は4位から6位と2ランクダウンに留まりました。実売数15位、PCによるCD読取数54位、Twitterつぶやき数57位と奮いませんが、You Tube再生回数は今週も1位をキープ。まだまだ強さを感じます。

さて、ここ最近、長らくロングヒットを続けていたDAOKO×米津玄師「打上花火」でしたが、今週はついに12位にダウン。21週連続ベスト10入りというロングヒットを続けていましたが、ついにベスト10陥落となりました。またTWICE「TT」も先週の5位から11位にダウン。ベスト10返り咲きは2週に留まりました。

今週のHot100は以上。アルバムチャートはまた明日!

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2018年1月16日 (火)

豪華コラボで勢いを増した新作

Title:THANK YOU BLUE
Musician:DAOKO

「恋」「前前前世」など、ここ最近では珍しくヒット曲が続発した2016年から一転、昨年2017年はほとんどヒット曲らしいヒット曲のない1年となってしまいました。そんな中で数少ないヒット曲らしいヒット曲といえばDAOKOの「打上花火」。米津玄師とのコラボによるこの曲はビルボードチャートで昨年8月21日付チャートで3位にランクインし、翌々週に1位を獲得すると年末までベスト10をキープし続けるロングヒット曲となりました。

またDAOKOといって昨年話題になったのは岡村靖幸とコラボした「ステップアップLOVE」。個人的な2017年度の楽曲ベスト10を作るとするとおそらくベスト3には食い込んでくるような名曲。以前、ヒットチャートのコーナーでも紹介したのですがPVがアラフォー世代の岡村ちゃんファンにとってはうれしくなってくる内容になっています。

これも以前のチャート評で書いたことなのですが、出だしに岡村靖幸がDAOKOにバスケでロングシュートを決められてビックルする顔が映し出されるのは、岡村靖幸の代表曲「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」のオマージュ。またPVの中でも彼のキレッキレのダンスがめちゃくちゃカッコいいPVになっています。また昨年、ミュージックステーションにDAOKOと岡村靖幸が一緒に出演し、岡村ちゃんがダンスを披露。岡村靖幸を知らない世代の人にも一部話題になったのもうれしいニュースでした。

さてこの2曲がいずれもアニメタイアップというタイアップの良さに助けられつつ、見事ヒットチャートでベスト10入りを果たした彼女。もともとは「女子高生ラッパー」として話題になった彼女ですが、既に20歳の「大人の女性」となったDAOKOのニューアルバムはボーカリストとして自由度の高さを感じさせるアルバムになっていました。

もともと彼女はラッパーとして出てきたものの今回のアルバムでは「ラップ」はあまり披露していません。大ヒットした「打上花火」は米津玄師のメロディーが光るポップチューンになっていますし、「ステップアップLOVE」は岡村ちゃん主導のファンクチューンになっています。

彼女のボーカルもウィスパー気味の澄んだ歌声が非常に魅力的なのですが、透明感が強く独特の癖みたいなものはあまりありません。そのため、どんなタイプの曲でも容易にマッチすることが出来るという点が彼女にとっての大きな強みになっています。

今回のアルバムはそんな彼女の特性を反映して、多くの豪華ミュージシャンとのコラボがひとつの特徴となっています。話題となった「打上花火」の米津玄師、「ステップアップLOVE」の岡村靖幸の他に「同じ夜」では今話題のバンドD.A.N、「ワンルーム・シーサイド・ステップ」ではTempalay、「ダイスキ」ではTeddyLoid、「Juicy」は玉屋2060%、さらには「GRY」ではTHA BLUE HERBのO.N.O.と豪華ミュージシャンとのコラボがズラリと並びました。

結果、アルバム全体としてはエレクトロなポップチューンが中心となりつつ、彼女のウィスパーボイスのかわいらしさを生かしたアイドルポップ風の「Juicy」や「BANG!」のような曲があったかと思えば、ムーディーでジャジーな雰囲気満点の「同じ夜」のような作品、エッジの利いたリズムトラックがカッコいい「GRY」のような曲が同居した、バラエティーに富んだ、まさに前述の通り自由度の高いアルバムに仕上がっています。

このミュージシャンとして、ボーカリストとして自由度の高さが彼女の大きな魅力でしょうし、また同時に多くのミュージシャンとのコラボを成功させることが出来た最大の理由でしょう。ただ一方、この点が彼女にとって同時に大きな弱点とも感じられました。要するにミュージシャンとしての核の部分が若干弱い。豪華なミュージシャンとコラボとしているうちは傑作をリリースできるものの、そこから離れた場合は不安が残る、そう感じてしまいました。

本作に関しても全体としてはちょっとバラバラな感じがマイナス要因として気にかかる部分もありました。ただ本作に関しては、ヒットした2曲を含むDAOKOのミュージシャンとしての勢い、豪華ミュージシャンとのコラボの出来の良さ、そしてなによりも彼女がボーカリストとしての自らの強みに関して自信を持ち、そしてそれをしっかりと生かしている作品になっており、弱点を十分に上回る魅力を感じさせてくれる傑作となっていました。次回作以降の展開は良くも悪くも気にかかりますが、本作に関しては文句なしの傑作アルバム。彼女が大きく成長した2017年という年を締めくくるにふさわしいアルバムだったと思います。

評価:★★★★★

DAOKO 過去の作品
DAOKO


ほかに聴いたアルバム

SOAK/ねごと

エレクトロ路線にシフトしたガールズロックバンドねごとの新作。ここ最近増えてきたガールズロックの中で「エレクトロ」路線ということでひとつ個性を確保しつつある印象が。今回のアルバムではギターロックサウンドを加えて「undone」のようなシューゲイザー色の強い作品があったりして、かなり凝った音使いをしてきています。ただメロディーに関してはインパクトは薄く、サウンドも非常に凝っているのですが、目新しさというインパクトはあまり感じられません。悪いアルバムではないのですが少々中途半端さも感じてしまうアルバムでした。

評価:★★★★

ねごと 過去の作品
Hello!"Z"
ex Negoto

"Z"OOM
VISION
アシンメトリe.p
ETERNALBEAT

歌祭文-ALL TIME BEST-/一青窈

「もらい泣き」「ハナミズキ」のヒットでおなじみの女性シンガーによるデビュー15周年のオールタイムベスト。2枚組のアルバムで、Disc1には彼女の代表曲をリリース順に収録。Disc2は新曲や新録音源、タイアップ曲など「今の彼女」をあらわすような楽曲が収録されています。

一青窈のイメージといえばヒット曲「もらい泣き」「ハナミズキ」のように、ちょっとアジアンテイストを感じられる哀愁感あるバラードナンバーというイメージがあるのですが、このベスト盤に収録されている曲を聴くと、基本的にそのイメージに沿ったナンバーがメイン。ただ一方でRhymesterのMummy-Dをフューチャーしたエレクトロチューン「dots and lines」やらSOIL&“PIMP”SESSIONSをフューチャーしたラテンチューン「他人の関係」など、彼女のパブリックイメージから脱却しようと試みる楽曲も多く、彼女の苦労が痛いほど伝わってきます。

それら挑戦的なナンバーも出来も悪くないのですが、このベスト盤の中では新曲を含めて結局は彼女のイメージに沿った楽曲に戻ってきてしまっているのが辛いところ。彼女のイメージとは異なるヒット曲がうまれれば状況は一気に変わりそうなのですが・・・。結果としてアルバム全体としては「似たような曲が多い」という印象を持ってしまいます。今度の彼女の活躍は「もらい泣き」「ハナミズキ」のイメージからいかに脱却するかが大きなポイントになってきそうです。

評価:★★★★

一青窈 過去の作品
key
花蓮街
歌窈曲
一青十色
私重奏

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2018年1月15日 (月)

地方都市からのメッセージ

Title:地方都市のメメント・モリ
Musician:amazarashi

ここに来て、まだまだ人気上昇中のロックバンドamazarashi。本作にも収録されている「命にふさわしい」がゲーム「ニーア オートマタ」とのコラボ曲になったり、「空に歌えば」がアニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングになったりとタイアップも増加。楽曲的には決して「広くお茶の間で支持」といった感じではないはずなのですが、その知名度を着実に伸ばしています。

本作はそんな知名度上昇に伴ってでしょうか、良い意味で非常にわかりやすいアルバムに仕上がっていたと思います。まあもともとがamazarashiの楽曲はなんだかんだ言っても楽曲にわかりやすさがあったのですが、本作はそんな「わかりやすさ」がより明確になったように感じます。

例えば歌詞。「地方都市のメメント・モリ」というタイトル。「メメント・モリ」はラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句だそうですが、そのタイトル通り、今回は「地方都市」をテーマとした楽曲が多く収録されています。

まずは冒頭の「ワードプロセッサー」。THA BLUE HERBからの影響が顕著なラップスタイルのボーカルが印象的なのですが、ここで歌われるのは荒涼とした地方都市の風景描写とその中での焦燥感。「水槽」に至っては地方都市のリアリティーをありのままに描写しており、地方と都心の格差が社会現象となっている中では、ある種の「社会派」とすらとらえられる作品になっています。

さらには「悲しみ一つも残さないで」はそのものズバリ「青森駅」が歌詞に登場。青森出身で、今も在住しているバンドのシンガーでメインライターの秋田ひろむだからこそ書ける歌詞でしょう。そしてラストを飾る「ぼくら対せかい」も地方で必死に生きる人たちの姿を描写しています。

もちろん「たられば」「命にふさわしい」のように内省的な歌詞の曲などもありますが、全体的にはアルバム全体を貫くわかりやすいテーマ設定がなされています。興味深いのがこの地方と都心というテーマ設定。歌謡曲の世界ではお決まりのテーマなのですが、ニューミュージックやさらにそれに続くJ-POPの世界ではほとんど見かけなかったテーマ。それをamazarashiではあえてテーマとして取り上げている点が興味深く感じます。ただ一方で、自分の生まれ故郷をテーマとするのはHIP HOPではよくありがちな話。秋田ひろむ自身、HIP HOPからの影響も強く受けているようで、今回の地方都市というテーマ性はひょっとしたらそこからの流れなのかもしれません。

またわかりやすいというメロディーラインも顕著に見受けられます。先行シングルにもなっている「空に歌えば」は非常にポップでインパクトあるメロディーラインの曲に仕上がっていますし、「悲しみ一つも残さないで」もシンプルながらもわかりやすくポップなメロディーラインが印象的。このキャッチーともいえるポップなメロは賛否もあるみたいですが、個人的にはいい意味で垢抜けたといった印象を受けました。

本作の「わかりやすさ」というのは、それだけ彼らの歌詞の内容がより広い層に伝えることができたというのも意味しており、そういう意味でも彼らのさらなる成長を感じさせるアルバムだったと思います。これからも楽しみになってくる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

amazarashi 過去の作品
千年幸福論
ラブソング
ねえママ あなたの言うとおり
あんたへ
夕日信仰ヒガシズム
あまざらし 千分の一夜物語 スターライト
世界収束二一一六
虚無病
メッセージボトル


ほかに聴いたアルバム

ASYNC-REMODELS/坂本龍一

今年3月にリリースした「非同期」をテーマとしたアルバム「async」。本作はそのリミックスアルバムとなります。基本的にはメタリックなエレクトロサウンドがメイン。「非同期」というテーマから離れて、リミックスはメロディーが流れており「async」で感じた非同期性から来る違和感は薄かったように感じます。ただシンプルながらも作りこまれたサウンドは非常に惹きこまれるものがあり、「async」とは異なるサウンドの実験性も感じるアルバムになっていました。

評価:★★★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014
The Best of 'Playing the Orchestra 2014'
Year Book 1971-1979
async
Year Book 1980-1984

Λ/ACIDMAN

ACIDMAN3年ぶりとなるアルバム。「Λ」はギリシャ文字で11番目を意味するそうで、その名の通り、11枚目のアルバムとなります。今回もACIDMANらしいダイナミックなサウンドに切ないメロディーを聴かせる作品が並んでいます。一方でアシッドジャズやサイケなどの要素も加えて全体的にはバラエティーもある内容に。結成20周年を迎えた彼らですが、いい意味で安定感と、そして新たな挑戦心も感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
Second line&Acoustic collection
ACIDMAN THE BEST 2002-2012
新世界
有と無
Second line&Acoustic collection II
ACIDMAN 20th Anniversary Fans'Best Selection Album "Your Song"

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2018年1月14日 (日)

民謡しなけりゃ意味ないね!!

Title:エコーズ・オブ・ジャパン
Musician:民謡クルセイダーズ

今回紹介するバンドは、まずミュージシャン名からしてその方向性がわかるかと思います。福生在住のギタリスト、田中克海と民謡歌手、フレディ塚本を中心として結成されたバンド、民謡クルセイダーズ。各地のライブイベントに出演して話題を集め、さらにはライ・クーダーがTwitterで彼らに言及して注目を集めています。このたび、彼らにとって初となるアルバムがリリース。さっそく聴いてみました。

彼らのキャッチフレーズは「民謡しなけりゃ意味ないね!!」。日本に根付いている民謡をバンドアレンジで今風にまとめているのが彼らのスタイル。それだけでもおもしろいものの、民謡を今風にアレンジして歌うバンドはさほど珍しくありません。しかし、彼らが非常にユニークなのは民謡をラテンやカリブ、さらにはアフリカ音楽などのリズムにあわせて大幅にアレンジしているという点。まさに日本文化と世界の融合を目指したアルバムとなっています。

たとえば有名な民謡としては「おてもやん」をレゲエ風にアレンジ。横ノリでダビーなサウンドが心地よく、そしてどこかコミカルに仕上げていますし、「炭鉱節」はブーガルーという60年代~70年代にニューヨークで流行したラテン音楽風のアレンジに仕上げています。こちらもラテン風の軽快なリズムが「炭鉱節」に意外なほどピッタリとマッチしています。

「会津磐梯山」もボーカルパートだけ取り出すと、完全に民謡そのもののこぶしを利かせるのですが、ここに重なるラテンのリズムとの相性はなぜか抜群。「串本節」はなんとクンビアによるアレンジ。クンビアの独特のリズムが、これまた「串本節」にしっかりと合っていて、とても心地よいリズム感が味わえます。

個人的にはエチオピアンファンクのリズムにのせた「秋田荷方節」がお気に入り。うねるようなグルーヴ感のあるリズムがとても気持ちのよい楽曲で、このグルーヴと民謡のこぶしが一体となって心地よいサウンドを作り上げています。

もともとボーカルのフレディ塚本は民謡歌手ということでボーカルパートは紛うことなく日本の民謡。節回しは日本人にとって無意識のうちに身体になじんでおり、民謡に縁がないような方でもおそらく耳なじみあるかと思います。

そして、そんな純和風なメロディーがラテンやクンビア、アフロやレゲエといった遠い中南米やアフリカのビートにピッタリマッチするというのが驚かされます。ただ、よくよく考えれば、ラテンやレゲエといったリズムも、その土地土地の人々が日々の暮らしの中でうまれてきた土着のリズム。一方で民謡もやはり、私たち日本人が日々の暮らしの中でうまれてきたサウンド。同じ人間、やはり心地よく思うようなリズムは一緒なわけで、遠く離れた日本と中南米、アフリカのリズムがマッチしても不思議ではないかもしれません。

「エコーズ・オブ・ジャパン」というタイトルも絶妙で、ここにおさめられている民謡は、まさに日本の一般大衆たちの声。純和風の音楽というと、どうしても太鼓やら琴やら「いかにも」な楽器が奏でる音色に注目があつまりがち。もちろんそういう音も日本らしいものかもしれませんが、ただ、ここで歌われている民謡こそが、ある意味本当の日本人の「歌」と言えるのかもしれません。そういう意味でも、こういう形で民謡がもっともっと受け入れられると、日本の音楽シーンもさらにおもしろくなってくるかも。

民謡の独特のこぶしも心地よかったですし、さらにそれが載っているリズムも非常に心地よかったこのアルバム。その音楽的な方向性も意義深いですし、2017年の年間ベスト候補の傑作アルバムだったと思います。ちなみに本作最後の「相撲甚句」はアカペラで収録。フレディ塚本の民謡歌手としての実力を申し分なしに収録。「民謡歌手」としてちゃんと土台があるからこそ、こういう傑作が生みだせるのでしょうね。今後の活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

3周まわって素でLive!~THE HOUSE PARTY! ~/久保田利伸

昨年行われたライブハウスツアーの模様を収録したライブアルバム。ちょっと意外なことに彼にとって初となるライブアルバムとなるそうです。彼のステージは見たことはないのですが、ファンキーな楽曲で盛り上げる一方、しんみりと聴かせるバラードナンバーでは如何なくそのボーカルの魅力を発揮。会場の熱気と楽しさが伝わってくるライブアルバムになっており、一度彼のステージも見てみたくなりました。

評価:★★★★★

久保田利伸 過去の作品
Timeless Fly
Gold Skool
THE BADDEST~Hit Parade~
L.O.K.
THE BADDEST~Collaboration~

INTELLIGENCE/夜の本気ダンス

そのバンド名の通り、アップテンポでダンサナブルなギターロックがメインのアルバム。私が彼らの作品を聴くのはこれが2枚目となるのですが・・・正直言って、いまひとつ。突き抜けたようなダンサナブルなギターロックがあるわけでもなく、メロディーに強いインパクトがあるわけでもなく、どうも中途半端。よくありがちなギターロックの一組といった感じで、これといった個性が感じられませんでした。

評価:★★★

夜の本気ダンス 過去の作品
DANCEABLE

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2018年1月13日 (土)

セルフカバー第2弾

Title:逆輸入~航空局~
Musician:椎名林檎

椎名林檎のニューアルバムはセルフカバーアルバム第2弾。前作「逆輸入~港湾局~」をリリースしたのが2014年で、それから約3年半。かなり早いペースでのリリースとなりました。元曲はおもに2000年以降に発表された作品なのですが、特に2014年以降の楽曲も多く、それだけここ最近、彼女の楽曲が数多くのミュージシャンから求められているということが言えるのでしょう。

前作では楽曲毎にアレンジャーを変え、アレンジャー同士がその出来栄えを競争しているかのような内容でした。今回のアルバムでアレンジに参加しているのは斎藤ネコ、 村田陽一、名越由貴夫、朝川朋之。いわば椎名林檎作品ではおなじみのメンバー。そのため、非常に椎名林檎らしいアレンジの作品が並んでいます。

ミュージカル風の「人生は夢だらけ」からスタートし、サスペンスチックな「少女ロボット」もとても椎名林檎らしい作品。「暗夜の心中立て」も石川さゆり提供曲らしいムーディーな歌謡曲ナンバーですが、イントロのダイナミックなホーンの節回しは椎名林檎作品ではよく聴くようなパターンになっています。

基本、村田陽一アレンジの作品がホーンセッションを入れたダイナミックなミュージカル風のナンバーになっている一方で、「重金属製の女」「野性の同盟」など名越由貴夫がアレンジを手掛けた作品はへヴィーなギターサウンドが印象的なロックなアレンジ。特に「重金属製の女」はイントロのパーカッションのトライバルな音色も強い印象に残ります。

もともと椎名林檎の楽曲を手掛けてきたアレンジャーによる作品なだけに椎名林檎のボーカルももちろん楽曲にピッタリとマッチ。基本的にはほとんど違和感はなく、完全に椎名林檎の作品になっています。なじみのアレンジャーと彼女のボーカル、そして楽曲がとにかくしっくりとはまっており、まずはとてもおさまりのいい楽曲という印象を受けるセルフカバーアルバムでした。

また他のシンガーへの提供作ということもあって、楽曲は比較的シンプルでメロディアスなポップが主体。そのためメロディーと歌という椎名林檎の良さが存分に発揮されていたアルバムにもなっていました。ここ最近は彼女の作品、比較的シンプルにメロディーを聴かせる曲が続いていましたが、その流れにそったセルフカバーアルバム。彼女の魅力を存分に味わえた1枚でした。

評価:★★★★★

椎名林檎 過去の作品
私と放電
三文ゴシップ
蜜月抄
浮き名

逆輸入~港湾局~
日出処


ほかに聴いたアルバム

ON THE AIR/VIDEOTAPEMUSIC

ちょっと奇妙な名前のミュージシャン。公式サイトによると「地方都市のリサイクルショップや閉店したレンタルビデオショップなどで収集したVHS、実家の片隅に忘れられたホームビデオなど、古今東西さまざまなビデオテープをサンプリングして映像と音楽を同時に制作している。」だそうで、このアルバムもメロディアスなインスト曲がメインながらも、ムーディーなサウンドからメロディアスなポップまでバラエティー富んだ「音」を詰め込んだ、実験的な要素を強く感じるアイディア集のようなアルバム。聴いていてちょっと不思議な感覚の音世界が楽しめました。

評価:★★★★

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2018年1月12日 (金)

ほっこり暖かいメロと風景描写が魅力

Title:20/20
Musician:スカート

インディーズからリリースした前作「CALL」も大きな話題となった澤部渡のソロプロジェクト、スカート。今回、ポニーキャニオンから無事メジャーデビューが決定。本作がメジャーデビュー後、初となるフルアルバムとなります。

彼自身、以前からサポートミュージシャンとしても活躍しており、特にスピッツのサポートとしてMステに出演した時に話題となったというのは前作「CALL」でもここに書いたとおり。また楽曲の作風としても比較的スピッツに近いものがあるという点も書きました。

今回のアルバムに関しても、スピッツの楽曲に通じるような暖かさを感じるギターポップがひとつの大きな魅力となっています。特に1曲目を飾る「離れて暮らす二人のために」などはアコギではじまる暖かい雰囲気の作風がまさにスピッツっぽい感じ。特に途中のベースラインの入り方などスピッツっぽさを感じます。一方、歌詞については叙情的ながらも比較的わかりやすい風景描写が特徴的で、ここらへんはスピッツとは異なる雰囲気も感じます。

前作でもスピッツ風のギターポップという一言ではとどまらないようなバリエーションある音楽性が大きな魅力でしたが、本作ではその傾向がより強くなっています。「視界良好」ではファンキーなギターを聴かせてくれますし、「手の鳴る方へ急げ」ではヘヴィーなギターリフが入り、ピアノも含めてダイナミックなロックサウンドを聴かせてくれます。

テレビ東京系ドラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」主題歌に起用されて話題となった「ランプトン」はちょっと切ないメロディーが印象的なシティポップになっていますし、ラスト「静かな夜がいい」もブルージーなギターが印象に残るシティポップ(ちょっと曽我部恵一っぽい?)ナンバーになっています。

歌詞も都会的・・・というよりも都市郊外の風景について具体的な描写が印象的。特に「わたしのまち」が象徴的ですが、街の風景についての描写が多く、そういう意味でもまさに「シティポップ」と言い方がピッタリかもしれません。またその一方で、その風景にはどこか暖かさも感じられ、生音重視のサウンドと相まって、とてもほっこりとしあ雰囲気の作風に仕上がっています。

ちなみに歌詞で印象的だったのは「私の好きな青」

「僕らが旅に出ない理由なんて
本当はただのひとつだってないんだ」

(「私の好きな青」より 作詞 澤部渡)

というフレーズ。なんとなく小沢健二の大名曲「ぼくらが旅に出る理由」の「ぼくらが住むこの世界では 旅に出る理由があり」というフレーズに呼応しているように感じたのですが、気のせいでしょうか?

基本的にはそんなこともあり、前作「CALL」と同じようなタイプのアルバムに仕上がっていました。ただその反面、目新しさがなく物足りなさも感じた前作に比べると、今回は楽曲のインパクトも増し、アルバムの出来がグッと良くなったように思います。例えば「さよなら!さよなら!」などは十分なヒットポテンシャルのあるようなサビが展開されたりして、メロディーラインの良さもグッとレベルアップしたように感じます。

個人的には非常に心に染みいってくるメロディーの良さもあり、文句なしにはまってしまった大傑作。スカートというミュージシャンの魅力が最大限に発揮された作品でした。

評価:★★★★★

スカート 過去の作品
CALL


ほかに聴いたアルバム

Long Long Time Ago/Nulbarich

最近、話題上昇中のNulbarichの新作は4曲入りのEP盤。ソウルやアシッドジャズなどの要素を取り入れたポップスはSuchmosなどと並んで、今の流行を感じさせます。基本的な路線は前作「Who We Are」と同様。次はフルアルバムを聴きたいかも。

評価:★★★★

Nulbarich 過去の作品
Who We Are

OYSTER-EP-/NICO Touches the Walls

NICOの最新作は5曲入りのEP盤。最近、楽曲に勢いを感じられる彼らですが、最新アルバムは5曲入りとはいえ、いままでにないバラエティー豊富な作風に。1曲目「mujina」は彼ららしいギターロックからスタートするのですが、ピアノを軽快に聴かせる「Funny Side Up!」やシティポップ風の「bud end」など、いままでの彼らとは少々違った傾向のバラエティー富んだ作風に仕上がっています。その分、少々散漫な印象を受け、インパクトも薄めなのですが・・・その分、次のアルバムがこのEPをどのように生かしてくるのか、楽しみになってきました。

評価:★★★★

NICO Touches the Walls 過去の作品
Who are you?
オーロラ
PASSENGER
HUMANIA
Shout to the Walls!
ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト
Howdy!! We are ACO Touches the Walls
勇気も愛もないなんて

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2018年1月11日 (木)

HIP HOP、ロックの垣根なく

Title:NO ONE EVER REALLY DIES
Musician:N.E.R.D

まさか新譜が出るとは思わずビックリしてしまいました。ファレル・ウイリアムズを中心に結成されたユニット、N.E.R.D。HIP HOPとロックを融合させたような楽曲で幅広い支持を集め、2000年代に4枚のアルバムをリリースしたものの、その後はメンバーそれぞれのソロ活動に意向。ご存じの通り、ファレル・ウイリアムズは「HAPPY」が世界的に大ヒットし、ソロで大成功をおさめました。

それだけに活動休止状態になっているN.E.R.Dをいまさら引っ張り出すことはないのかな・・・と勝手に思っていたのですが・・・なんとここに来て7年ぶりとなるニューアルバムがリリース。タイトルである「NO ONE EVER REALLY DIES」とは和訳すると「誰も本当の意味では死なない」という意味。略すると「N.E.R.D」となり、要するに事実上のセルフタイトルとなるアルバムだそうです。

N.E.R.Dというと、ファレル・ウイリアムズの「HAPPY」もそうでしたが、非常にポップで楽しい楽曲が特徴的。HIP HOPとロックを融合させたような、と最初に書いたのですが、要するにジャンルにとらわれない自由度の高いポップソングを聴かせてくれるのですが、その方向性は7年ぶりの新作でも全く変わっていませんでした。

1曲目「Lemon」は先行シングルとして話題になった曲。軽快なリズムがダンサナブルな楽曲で、リアーナが参加していることでも話題になっていますが、とにかくリズミカルなサウンドが楽しいナンバー。続く「Deep Down Body Thurst」は、最初はメロウなフィリーソウルからスタートするのですが、途中からラップや分厚いサウンドも加わり軽快なポップチューンへと展開。その後もフィリーな部分と軽快でポップな部分が交互に続くのですが、この展開がなかなかユニークな楽曲になっています。

この曲に限らず、1曲の中でいろいろと楽曲が展開していき、とても楽しくかつ先の読めない楽曲がひとつの大きな魅力にもなっています。例えば「Voila」も軽快でリズミカルなHIP HOPナンバーとなっているのですが、後半はいきなりトライバルなリズムが登場。ゆっくりなペースで太鼓のリズムが入るサウンドは日本人からするとちょっと盆踊り風?なコミカルな楽曲になっています。

展開のおもしろさという意味で言えば、このアルバムのひとつの核になっている「Don't Don't Do It!」もまさにそんな楽曲。最初はメロウなソウルナンバーからスタート。その後は軽快なラップが登場し盛り上がります。基本的にトラックにメロウなエレピが流れるソウルテイストの強いナンバーなのですが、途中でいきなりロックなギターリフがあらわれたりするのもユニーク。さらに後半には、今、もっとも注目を集めているラッパー、ケンドリック・ラマーが参加し、機関銃のようなラップを展開していきます。

この曲がさらに注目を集めているのがそのタイトルの由来。2016年にノースカロライナ州で起きた警察官による黒人男性射殺事件で、被害者の妻の叫び声がもとになっているそうで、ポップな作風ながらも歌詞は警察批判の社会性の強い内容になっています。

その後もポップながらもどこかユニークなサウンドと展開が耳を惹かれるナンバーが続きます。正直、後半に関してちょっとダレたかな、という部分もなきしもあらずなのですが、最後はエド・シーランも参加した「Lifting You」は横ノリのサウンドがユニークな楽曲。ただメロディアスなメロディーをしっかりと聴かせており、彼ららしい独特でユーモラスなサウンドの曲で締めくくっています。

久々のアルバムながらもその魅力は全く衰えることなく、今回もHIP HOP、ソウル、ロックリスナーを含めいい意味で広い層に訴求できるようなポップで楽しいアルバムを聴かせてくれました。文句なしの傑作アルバム。まさに様々な音楽ファンが垣根なく楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★★

N.E.R.D 過去の作品
SEEING SOUNDS
NOTHING


ほかに聴いたアルバム

THE VISITOR/NEIL YOUNG+PROMISE OF THE REAL

御年70歳を超えた今でも積極的な活動が続くNEIL YOUNG。本作は「The Monsanto Years」に続きWillie Nelsonの息子たちのバンドPROMISE OF THE REALとタッグを組んだ新作。ブルース、ラテン、フォークからミュージカル風の楽曲までいままで以上にバラエティー豊富な楽曲が魅力的。NEIL YOUNGの衰えることない創作意欲をうかがえるアルバムになっています。

評価:★★★★★

Niel Young 過去の作品
Fork In The Road
Psychedelic Pill(Neil Young&Crazy Horse)
Storytone
The Monsanto Years(Neil Young+Promise Of The Real)
Peace Trail

REPUTATION/Taylor Swift

海外では絶大な支持を誇るテイラー・スイフトの3年ぶりとなるニューアルバム。基本的にカントリー歌手である彼女はアコースティックな作風がメインだったのですが、今回の作品では打ち込みを多く取り入れ、エレクトロテイストの強い作品に。彼女の新たな挑戦は買いたいところなのですが、ただ正直、メロディーラインのインパクトも薄く、平凡な作品になってしまった印象が。ちょっと残念に感じたアルバムでした。

評価:★★★

TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989

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2018年1月10日 (水)

紅白効果が目立つ

今週は集計対象週が1月1日から7日とお正月休みまっただ中。そのため、Hot100、アルバムチャートともに新譜が少ない週となったため、同時更新です。

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot100は紅白の影響が如実に表れたチャートでした。

まず1位は安室奈美恵「Hero」が獲得。CD売上・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)で1位を獲得したほか、ラジオオンエア数で7位、Twitterつぶやき数で16位を獲得しています。ご存じ、紅白歌合戦で話題となった歌唱曲。明確な紅白効果で昨年10月2日付チャート以来、15週ぶりのベスト10返り咲き。いままでの最高位は3位でしたので、今回、自己最高位更新となりました。

2位も紅白歌唱曲。欅坂46「不協和音」が先週の25位からランクアップ。こちらは昨年5月15日付チャート以来、35週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。実売数で2位を獲得したほか、Twitterつぶやき数3位、You Tube再生回数6位とランクを引き上げる結果となっています。なお欅坂46は今週「風に吹かれても」が10位から6位にアップし、先週から続けてベスト10入り。2曲同時ランクインとなっています。

3位は先週2位、back number「瞬き」がワンランクダウンでこの位置。実売数は先週の2位から3位にダウンしたものの、ラジオオンエア数は先週から引き続き1位をキープ。さらにPCによるCD読取数も2位から1位にアップしています。

今週のベスト3は以上。1位2位といずれも紅白効果で大きく順位を上げています。

ほかにもTWICE「TT」が先週の7位から5位に、乃木坂46「インフルエンサー」が9位から7位にアップ。ベスト10圏外となりますが、三浦大知「EXCITE」が11位、SHISHAMO「明日も」が12位、WANIMA「ともに」が13位、平井堅「ノンフィクション」が14位、竹原ピストル「よー、そこの若いの」が15位、星野源「Family Song」が18位と紅白効果によるランクアップが目立ちました。

一方、ユニークなのがオリコンCDチャートでは順位が全く異なること。オリコンでは乃木坂46「逃げ水」「いつかできるから今日できる」が1位2位を獲得。紅白効果では欅坂46「不協和音」が20位に入っている程度。安室奈美恵「Hero」はベスト50にも入っていません。おそらく紅白を見て歌を聴きたくなった人はダウンロードやストリーミングで曲を聴き、CDを購入するという行動は起こさなかったのでしょう。以前からドラマ主題歌などでダウンロードやストリーミングでは大ヒットを記録しているのにCDはさっぱりという傾向があったのですが、その影響が今回の紅白では明確にあらわれたように感じます。

特にHot100で紅白効果がこれだけ明確にあらわれたというのは、なんだかんだいっても紅白歌合戦の音楽シーンに与える影響は大きいんだな、ということを実感させられます。今年の紅白もワースト3位の視聴率と言われながらも、20%を超えることが珍しくなった昨今のテレビ業界で40%近い視聴率をたたき出しているわけですから、まだまだその人気のほどは無視できません。なんだかんだいってもまだまだ紅白は年末の風物詩であり続けそうです。

さて今週、Hot100では新曲が1曲もありませんでした。ロングヒット曲ではDAOKO×米津玄師「打上花火」が4位から8位にダウン。特に実売数は3位から7位に大きくダウンしてしまいました。また荻野目洋子「ダンシングヒーロー」は3位から4位にダウン。こちらは実売数が5位から13位に大幅ダウン。ただYou Tube再生回数は変わらず1位をキープしており、まだまだロングヒットは続きそうです。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャート、まず1位はジャニーズWEST「WESTival」が獲得しました。関西ジャニーズJr.出身者を中心に構成されたジャニーズ系のアイドルグループによるフルアルバムとしては4作目となる本作。初動売上は10万4千枚で、前作「なうぇすと」の8万5千枚(1位)からアップしています。

2位は安室奈美恵「Finally」が先週の5位から3ランクアップで2週ぶりにベスト3返り咲き。今週でなんと累積売上枚数が200万枚を突破。その高い人気のほどをうかがわせます。

3位にはGENERATIONS from EXILE TRIBE「BEST GENERATION」が先週の2位からワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

続いて4位以下の初登場盤です。今週は初登場盤は2枚のみ。まず4位にDIR EN GREY「VESTIGE OF SCRATCHES」が初登場です。2007年にリリースされた「DECADE 1998-2002」「DECADE 2003-2007」以来のベスト盤。初動売上1万7千枚は前作「ARCHE」の2万3千枚(4位)からダウン。ベスト盤としての前作「DECADE 1998-2002」「DECADE 2003-2007」の2万1千枚(14位)、2万枚(15位)からもダウンしています。

もう1枚の初登場盤は9位のThe Brow Beat「ラグナログ」。俳優として活動している佐藤流司を中心に結成されたバンドプロジェクトでPENICILLINのHAKUEIがトータルプロデュースを手掛けたそうです。初動売上7千枚でベスト10入りです。

今週の初登場盤は以上でしたが、今週はベスト10返り咲きも1枚。8位に米津玄師「BOOTLEG」が先週の11位からランクアップしベスト10返り咲き。昨年12月11日付チャート以来、4週ぶりのベスト10入りとなりました。また先週10位にランクアップしてきたDJ和「ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~mixed by DJ」は今週は6位にランクアップ。ロングヒットを続けています。

今週のチャート評は以上。また来週!

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2018年1月 9日 (火)

バブル期の「オイニー」を今に

Title:TOKYO
Musician:ベッド・イン

ここ最近、バブル期が一躍脚光を浴びています。バブル期をイメージしたキャラクターがうけた平野ノラや、そこから派生した大阪府立登美丘高校ダンス部の「バブリーダンス」、さらにはそこで使われた荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」がヒットを記録するなど、「バブル」に関する話題が主にエンタメ界を中心として多く見受けられます。

今回紹介するベッド・インもまさにそんな流れにのって出てきたグループ。自称「地下セクシー・アイドルユニット」である彼女たちは「日本に再びバブルの嵐を起こすべく、80年代末~90年代初頭へのリスペクト精神により完全セルフプロデュースで活動中。」(公式サイトより)だそうで、上のジャケット写真にしても、ディスコのお立ち台やらスキーやら、まさにバブル期の象徴ともいえるアイテムが並んでいます。楽曲もまさに80年代後半から90年代初頭のバブル期そのものの(厳密にはバブル崩壊後の90年代中盤あたりまでの影響が大きいのですが)。おそらくアラフォー世代以上にとっては非常にノスタルジックあふれて懐かしいナンバーが並んでいます。

特に今回のアルバムで収録されている「シティガールは忙しい」は80年代のトレンディードラマを彷彿とさせる歌詞の世界がユニーク・・・以上にちょっと気恥ずかしい感じも。いかにもバブル期らしいアイテムがちりばめられていて、おそらく20代以下にとっては内容の理解に注釈が必要になりそう。個人的には「焼き増し」なんて言葉が出てきて、そういえばこの言葉は完全に死後になったなぁ・・・なんてあらためて感慨にひたったりして(笑)。楽曲的にも90年代のガールズポップ、森高千里や広瀬香美あたりを彷彿とさせるもの(厳密には広瀬香美のブレイクはバブル崩壊後なのですが)であり、バブル期の空気を綿密に残している楽曲作りには感心します。

さらに続く「CO・CO・ROグラデーション」は完全に80年代後半から90年代にかけて一世を風靡したWinkのパロディー。シングル曲なのですが、シングルのジャケットも完全にWinkです↓

この「CO・CO・ROグラデーション」もそうなのですが、アルバム収録曲について全体的にはいかにもバブル期的なユーロビートや80年代風のハードロック的な楽曲が並んでいます。さすがに歌詞の面はバブル期風景を描写したパロディー的な楽曲はさほど多くなく、基本的にはバブル期の香りを残したようなラブソングがメインなのですが、J-POP黎明期の雰囲気を色濃く感じるポップスの連続に懐かしさを感じてしまいます。

もともとメンバーの2人、生粋のアイドル・・・ではなくお互いバンドで活躍していたそうで(それもポップス系ではなくむしろサブカルアングラ系っぽいバンド)それだけに演奏面を含めて楽曲的にはしっかりしたものが並んでいます。自称「アイドル」ですが、本人たちも「猫も杓子もロリロリ重視の現代のアイドルシーンに殴り込みにイクかと一念勃起」といっているように、昨今のアイドル楽曲とは一線を画するものがあります。

ただし、ユーロビートや80年代ハードロックを基調としたポップスはインパクトはあるものの音楽的には若干平凡さは否めず、単発で聴く分には非常に楽しめる反面、アルバム単位で聴くと最後の方は若干だれてしまうというのが正直な印象。アルバム自体、全11曲50分弱という比較的コンパクトな長さなので飽きる前に楽しめるといえば楽しめるのですが、何度も聴くのはちょっと厳しい面もあるかな、という印象も受けました。

また個人的には(彼女たちに限らないのですが)昨今のバブル礼賛にはちょっと疑問を感じる部分もあります。自分はバブル期には小学生から中学生だったのですが、そんな年齢でもバブルに踊っている人たちに対しては非常に軽薄だなぁ、という印象を強く受けましたし、バブル崩壊後に露呈された金融機関をはじめとする日本企業のあまりにもずさんな企業運営を見る限りにおいては、「バブルよもう一度」など口が裂けてもいえないと思います。

特にバブル経済崩壊後、「失われた10年」といわれる景気後退側面に突入するのですが、個人的には不況があれだけ長引いた原因のひとつが、景気が回復した結果やってくるのがバブル経済回帰ならば不況の方がまし、という心理状況が働いたようにも思います。

そんな訳で個人的には昨今のバブル礼賛には疑問を抱きつつも、「ネタ的」にはおもしろく(まあ、ここ最近のバブルの取り上げ方も単純な礼賛というよりは「ネタ的」に消費されている部分も大きいのですが)、またやはりアラフォー世代としての懐かしさもあって、楽しめた1枚でした。なによりもバブル期のパロディーとしては非常によく出来たアルバムだと思います。ネタ的に時代が限られてしまうだけに今後、どこまでネタが続けられるのか気になる部分はあるのですが・・・これからアラフォー、アラフィフ世代のハートをどのようにつかむのか、楽しみになってきます。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Beyond The Reach/HAWAIIAN6

HAWAIIAN6といえば、哀愁感あふれるメロディーラインが印象的なメロコアバンド。ただ似たようなタイプの曲が多く、良くも悪くも安定感を感じさせるバンドでした。ただ、今回のアルバムに関しては「justice」のようなデス声も入ったハードコア風なナンバーや「Ride On The Shooting Star」のような明るくポップなナンバーも登場。楽曲にバリエーションが出てきています。メロディーにもインパクトのある楽曲が多く、個人的にはここ数作では一番の出来かと。新たな一歩を感じさせる作品でした。

評価:★★★★★

HAWAIIAN6 過去の作品
BONDS
The Grails
Where The Light Remains
Dancers In The Dark

てんきあめ/CRUNCH

名古屋を中心に活動をする3人組ガールズバンド。海外のメディアにも取り上げられるなど一部で注目を集めるポストロックバンドで、これが初のフルアルバム。ちょっと気になって聴いてみました。

楽曲は音数を絞ったシンプルなサウンドが特徴的。空間を聴かせるようなドリーミーなサウンド構成になっており、美しいコーラスラインも魅力的な楽曲となっています。本人たちははっぴいえんどからの影響も公言しているようで、それだけメロディアスな曲もあるものの、メロディーのインパクトはちょっと薄かったかな。全体的なインパクトも薄いし、まだまだといった部分も大きいのですが、地元のバンドという身びいきと(笑)これからの期待を含めて下の評価で。

評価:★★★★★

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2018年1月 8日 (月)

結成20周年のベストアルバム

Title:BEST OF BACK HORN II
Musician:THE BACK HORN

結成20周年を記念してリリースされたTHE BACK HORNのベストアルバム。2008年に結成10周年ということでベスト盤をリリースしており、今回収録している楽曲はその2008年にリリースされたベストアルバム以降の曲を発売順に並べているDisc1と、2008年のベストアルバム以前の曲からファン投票で選ばれた楽曲を並べたDisc2の2枚組になっており、あわせてオールタイムベスト的な内容となっています。

基本的に彼らの作風はデビュー当初から固まっていて、分厚いサウンドでダイナミックに仕上げたバンドサウンドに叙情感たっぷりの哀愁あふれるメロディーライン、歌詞も社会の中である種の孤独をかかえた人たちへの希望を歌ったような歌詞が印象的。とにかく力強さを感じさせる楽曲は強いインパクトを感じさせます。

ただ一方では似たようなタイプの曲が多く、分厚いサウンドはともすれば平板な印象すら受けてしまいます。正直、THE BACK HORNについて個人的には同時期にデビューしたACIDMANやらART-SCHOOLやらと印象的に重なる部分が多く・・・いまひとつ垢抜けきれないという印象も受けていました。

しかしこのベスト盤で2008年以降の楽曲を並べて聴くと、特にここ最近の彼らがスタイルを少しずつ変えてきていることにあらためて気が付かされました。例えば「コワレモノ」ではラップを入れていますし、また「ビリーバーズ」をはじめ2014年、2015年頃の作品はへヴィーなギターリフを入れて、ハードコアの様相を呈した楽曲も並んでいます。

また一方で「魂のアリバイ」のようにサビ先でインパクトある、いい意味でポピュラリティーの要素の強い楽曲があったり、最後に収録されている新曲「グローリア」は軽快である種の祝祭色を感じたりと、いままでの彼らにはちょっと見受けられなかったタイプの曲も並びます。

現時点での最新アルバム「運命開花」は個人的にも傑作なアルバムだと思っているのですが、ここ10年の彼らの曲を聴くと、音楽的な挑戦も含めてその幅が広がり、楽曲的には勢いを増しているように感じました。結成20年というとベテランバンドの仲間入りも果たして、良くも悪くも安定感が増す時期だと思うのですが、彼らに関してはバンドとして成長を続けており、そのポテンシャルに驚かされます。

一方Disc2には2008年以前の彼らの曲が収録されています。ファン投票の結果選ばれた曲であるため、知る人ぞ知る的な曲が含まれている一方、「ガンダム」のエンディングテーマに起用され、現時点で彼ら唯一のシングルベスト10ヒット曲である「罠」もちゃんと収録されており、それなりにバランスも取れた選曲になっています。

ただ楽曲的にはDisc1の曲よりも、メロディーの哀愁感がより強く、歌謡曲的な雰囲気も強い楽曲になっています。この時期の曲は今よりも一層、そういう方向性が強かったのかもしれませんが、加えてファンとしてもより哀愁感の強い楽曲を求める部分が多いのかもしれません。

そんな訳で、THE BACK HORNの魅力をあらてめて強く感じることが出来たベスト盤。なにげにともすれば最近の曲の方が出来が良く感じるだけに、これからの活動も楽しみになってきてしまいます。次のアルバムも楽しみです。

評価:★★★★★

THE BACK HORN 過去の作品
BEST
パルス
アサイラム
リヴスコール
暁のファンファーレ
運命開花


ほかに聴いたアルバム

走る/Polaris

オオヤユウスケとFishmansとしても活躍する柏原譲によるユニットPolarisの2年9ヶ月ぶりとなるアルバム。彼ららしい幻想感ある独特なサウンドは相変わらずで、浮遊感あるサウンドは魅力的。今回は6曲入りのミニアルバムで、特に目新しいものはないのですが、安心してPolarisサウンドを楽しめる作品になっていました。ラストはFishmansの「SEASON」のカバーを収録。こちらもいい意味で卒なくこなし、きちんと楽曲の魅力を伝えるカバーになっています。

評価:★★★★★

Polaris 過去の作品
MUSIC

私は幸せ/柴田淳

途中、ベスト盤のリリースを挟んだものの、純粋なオリジナルアルバムとしては約2年8ヶ月とちょっとスパンの空いた柴田淳のニューアルバム。「私は幸せ」というアルバムタイトルとは裏腹に、悲しい失恋や恋の終わりを歌った歌が並び、それをアコギやピアノといったアコースティックなサウンドにのせて哀愁感たっぷりに歌い上げるという、柴田淳の王道路線とも言える作品になっています。連作の「拝啓、王子様」シリーズも衝撃的なラストを迎えています。目新しさはありませんが、柴田淳のファンなら安心して聴けるアルバムになっていました。

評価:★★★★

柴田淳 過去の作品
親愛なる君へ
ゴーストライター
僕たちの未来
COVER 70's
あなたと見た夢 君のいない朝
Billborda Live 2013
The Early Days Selection
バビルサの牙
All Time Request BEST~しばづくし~

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2018年1月 7日 (日)

王道路線

Title:Songs Of Experience
Musician:U2

U2の約3年ぶりとなるニューアルバム。前作「Songs of Innocence」はiTunesユーザーには強制的に楽曲が無料配信されるというリリース形態が大きな話題となりました。iPhoneユーザーにとってはU2が好きか嫌いかに関わらず、無理やりダウンロードされるという仕様だったため一部ではかなりの反発を巻きおこしたことも話題となりました。

そんな良くも悪くも話題となった前作から早くも3年。今回の新作は前作とは対となるアルバムだそうで、今回のアルバムタイトルはイギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクの詩集「Songs of Innocence and Experience(“無垢と経験の歌”)」からとられているとか。本作に収録されている楽曲は彼らの親しい人たち、あるいは彼ら自身に対する「手紙」という形を取られているそうで、さらに話題となったのは今回のジャケット写真。若い2人の男女の写真なのですが、この2人、なんとボノの息子とジ・エッジの娘らしいです(!)。

さてU2のアルバムといえばここ最近、原点回帰的な、いわばU2の王道路線を行くような作品が続いていましたが今回のアルバムもその延長線上のアルバム。ある意味、実にU2らしいポップなメロディーラインにスケール感あるサウンドを聴かせる楽曲が目立ちました。

出だしの「Love Is All We Have Left」こそ幻想的な雰囲気でスタートするのですが、続く「Lights Of Home」は力強いドラミングとへヴィーなギターサウンドが印象的なロックナンバー。さらに「You're The Best Thing About Me」はまさにU2!といった感じのスケール感あるギターロックナンバー。途中、突然転調してサビに突入し、サビの最初に楽曲タイトルが歌われるという、ある意味典型的なJ-POP的構成になっていて、良くも悪くも「わかりやすい」ナンバーになっているのが特徴的。ただアルバム前半のひとつのインパクトになっています。

またアルバムの中のひとつの目玉が「Get Out Of Your Own Way」。こちらもメロディアスでスケール感あるU2らしいナンバーなのですが、ラストにケンドリック・ラマーがラップで参加しており大きな話題となりました。このラップ、アジテーショナルなラップになっているのですが、楽曲はこのラップが重なるような形で続く「American Soul」に突入。この曲、ギターリフを中心に構成されたヘヴィーなロックチューンなのですが、「難民」という言葉が登場するなど、あきらかにトランプ政権後のアメリカに対するメッセージを歌った曲。こちらもU2らしいテーマ性ある楽曲になっていました。

一方、スケール感がありインパクトもあった前半に比べると後半は比較的地味めなナンバーが続きます。もっとも、このアルバムの中でも特に軽快でポップ路線が強い「The Showman(Little More Better)」やミディアムテンポの伸びやかなメロディーラインを美しく聴かせる「Landlady」、軽快なリズムでダンサナブルな「The Blackout」と、バリエーションをもたせつつしっかりと聴かせる展開は変わらず。そしてラスト「13(There is A Light)」はピアノとストリングスの美しいサウンドで、しんみりとメロディーラインを聴かせるナンバーで締めくくられ、心地よい余韻を残しつつアルバムは幕を閉じます。(ただこの後に5曲にも及ぶボーナストラックがあるのですが・・・)

そんな訳で、彼ららしい王道路線が貫かれた良い意味で聴きやすいアルバムだった一方、ケンドリック・ラマーが参加しているなど、現在のシーンにもきちんと目を配っている点も印象的だったアルバム。そのため、サウンド的には決して古くなることはなく、今の時代でも違和感なく聴けるようなサウンドに仕上がっています。ベテランバンドとしての実力と、さらにある種の余裕も感じられる作品。さすがの傑作でした。

評価:★★★★★

U2 過去の作品
No Line on the Horizon
Songs of Innocence

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2018年1月 6日 (土)

新年初のアルバムチャートだが・・・

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

昨日のHot100に続きこちらも新年一発目のアルバムチャート。年末年始のこの時期は新譜は少な目・・・のはずなのですが、今年は10作中7作が初登場という新譜ラッシュとなっています。

まず1位を獲得したのはAKBの姉妹グループで博多を中心に活動を続けるHKT48のデビューアルバム「092」がランクイン。初動売上12万2千枚で1位獲得となりました。

2位にはEXILEの兄弟グループGENERATIONS from EXILE TRIBEの初となるベストアルバム「BEST GENERATION」がランクインしています。初動売上11万4千枚は直近のオリジナルアルバム「涙を流せないピエロは太陽も月もない空を見上げた」の9万4千枚(2位)からアップしています。

ちなみに今回のアルバム、全英語詞のInternational Editionが同時リリースされており、こちらは初動売上8万枚で3位にランクインしています。「International」といっても事実上、売っているのはせいぜいアジアのみなのでしょうが・・・。また通常盤とInternational Editionをセットしたボックス版もリリースされていますが、こちらがどうヒットチャートに反映されているかが不明。おそらく、通常版、International Editionどちらにもカウントされていそうな感じが。

続いて3位以下の初登場盤です。まず4位にEGOIST「GREATEST HITS 2011-2017 ”ALTER EGO”」がランクイン。EGOISTはもともとアニメ「ギルティクラウン」のヒロインの楪いのりがボーカルを務める架空のグループとしてデビューしたユニット。主にアニソンを中心として歌い、シングル8枚、アルバム1枚をリリースし、本作が初となるベスト盤。アルバム1枚のみでベスト盤というある種のアイドルグループみたいな感じとなっています。初動売上は4万8千枚。アルバムとしては前作「Extra terrestrial Biological Entities」の2万5千枚(9位)からアップしています。

6位には主に読者モデル4人で結成されたガールズバンドSILENT SIREN「GIRLS POWER」がランクイン。初動売上1万6千枚。直近作はベスト盤の「Silent Siren Selection」で、こちらの7千枚(9位)から大幅アップ。ただし、直近のオリジナルアルバム「S」の2万1千枚(3位)よりは大幅ダウンしています。

7位には志方あきこ、母里治樹(Elements Garden)「刀剣乱舞-ONLINE-近侍曲集 其ノ一 」が初登場。ゲーム「刀剣乱舞 -ONLINE-」のゲーム中で使用されている音楽を集めたアルバム。初動売上1万5千枚を記録しています。

9位には Shuta Sueyoshi「JACK IN THE BOX」が初登場でランクイン。男女混合グループAAAのメンバーによるソロデビューアルバム。初動売上9千枚でベスト10入りです。

今週初登場の新譜は以上。さらに今週は8位に韓国の男性アイドルグループEXO「Universe:2017 Winter Special Album」が先週のベスト50圏外からランクアップし、1万2千枚を売り上げ、初のベスト10入りを記録しています。韓国でリリースされたミニアルバムの輸入盤。

さらに今週、DJ和「ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~mixed by DJ」が先週の17位からランクアップし、11月27日付チャート以来、6週ぶりにベスト10返り咲きとなりました。この年末年始に広末涼子をフューチャーしたCMがオンエアされた影響が大きい模様。2000年代のヒット曲をメドレー形式につないだアルバムですが、異例のロングランヒットとなっています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は次は来週の水曜日に!

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2018年1月 5日 (金)

今年初のヒットチャート

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2018年初となるHot100。まず1位はAKBグループが獲得しています。

今週1位はNMB48「ワロタピーポー」が獲得。CD販売・ダウンロード・ストリーミング数(以下「実売数」)1位、PCによるCD読取数4位、Twitterつぶやき数で10位を獲得しています。ご存じの通り、タイトルはネットスラングをそのまま用いたタイトル。流行のスラング的な言葉を歌詞やタイトルによく用いるのは秋元康のよくやりがちなスタイルですが、60歳近いおやじが無理に若者言葉をつかっているような気持ち悪さは感じてしまいます。オリコンでは初動売上27万3千枚で1位獲得。前作「僕以外の誰か」の26万6千枚(1位)から若干アップしています。

2位には先週から変わらずback number「瞬き」がランクイン。実売数2位、ラジオオンエア数1位、PCによるCD読取数2位というのはいずれも先週から順位変わらず。オリコンでは9位にランクダウンしているもののデジタルシングルチャートでは先週から変わらず1位と、ダウンロード主体のヒットとなっています。ロングヒットの予感もしますが、はたして・・・?

3位には先週7位の荻野目洋子「ダンシングヒーロー」がランクアップしついにベスト3入り。実売数は先週の9位から5位にアップした他、You Tube再生回数は先週から変わらず1位をキープ。PCによるCD読取数60位、Twitterつぶやき数46位のほか、ラジオオンエア数がチャート圏外から33位にアップ。新譜リリースが少なかった今週のチャートに助けられてのベスト3入りという側面はあるものの、ここ最近、You Tubeなどネット上の盛り上がりから徐々にお茶の間レベルでもこの曲のリバイバルヒットが話題となりだした結果とも言えるかもしれません。今後のさらなるロングヒットが期待できそうです。

今週のベスト3は以上。さて今週は集計対象期間が12月25日から31日と年末となった影響で初登場曲が少なく、初登場は1位NMB48の1曲のみ。結果、全体的なCDの売上枚数が減った影響と、年末特番の影響でベスト10返り咲きが多く見受けられました。

まず7位にTWICE「TT」が先週の16位からランクアップ。昨年9月4日付チャート以来、18週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。You Tube再生回数はずっとベスト10をキープしていたのですが、ここに来て実売数が24位から10位にランクアップし、総合順位を大きく上げる要因となっています。

また9位には乃木坂46「インフルエンサー」が先週の50位からランクアップし昨年の5月1日付チャート以来、36週ぶりのベスト10返り咲き。また欅坂46「風に吹かれても」も先週の19位からランクアップし、こちらは3週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。「インフルエンサー」はレコード大賞を受賞しており、その影響でしょうか。

さらにロングヒット組ではDAOKO×米津玄師「打上花火」が先週の10位から4位に再度ランクアップしています。特に実売数は11位から3位に大幅ランクアップ。新譜が少なく、全体的なチャートの水準が下がった影響もあるのでしょうが、オリコンのデジタルシングルチャートによるとダウンロード数も先週の1万1千ダウンロードから1万2千ダウンロードとアップしています。12月26日にDAOKOが日テレ系「ZIP!」に生出演しており、その影響もあるのかもしれません。

今週のHot100は以上。明日は新年初のアルバムチャート!

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2018年1月 4日 (木)

初期ホフディランを聴きなおす その2

昨日に引き続き、ポニーキャニオン~コロンビア時代のホフディランの初期作品のリマスター盤「帰ってきた」シリーズの紹介です。

Title:帰ってきた31ST CENTURY ROCKS
Musician:ホフディラン

日本コロンビア移籍後初となる2001年リリースのアルバム。タイトル通りのスケール感と疾走感を感じるギターロック「TO THE WORLD(香港経由)」をはじめとして、小宮山雄飛らしいポップなギターロック路線は本作でも健在。特に本作ではベイビー楽曲を含めて分厚いサウンドの曲が多くなっています。

ただ本作ではベイビーの楽曲は少し引っ込んでしまい、ユウヒの楽曲がメイン。またサウンド的にも「FLOWER」のような打ち込みを入れて少々サイケな要素を加えた曲があったり、BIKKEのポエトリーリーディングをフューチャーした「NICE DAY」のような作品があったりと、新たな挑戦を試みたような作品が目立ちます。

特典ディスクの方もシングルのカップリングが収録されているのですが「ビーナス」のようなサイケ路線の曲があり、結果としてサイケ路線にシフトする次回作の前兆が、今から聴きなおすとこの時期の作品で見かけることが出来ます。よくよく考えると前作「ホフディラン」はある意味、ホフディランのある種の到達点だったわけで、そこからこのアルバムのリリースまでも2年8ヶ月もかけており、今から考えると、次の一歩を模索して苦労の結果、なんとかリリースしたアルバムだったのではないか、そう感じてしまいました。

もっともこのアルバムに関しては前作までもホフディランの勢いも持続しており、十分楽しめるアルバムなのですが・・・問題作となった次回作の前兆を、いまとなっては強く感じるアルバムでした。

評価:★★★★★

Title:帰ってきたPSYCHO POP KILLER BEE
Musician:ホフディラン

2002年リリースの5thアルバム。リアルタイムで聴いた時もかなり意外性を感じたアルバムですが、今回あらためて聴いても完全に問題作と言えるアルバム。いままでの彼らのシングルなギターポップ的な要素は完全に消えてしまい、シンセを全面的に取り入れてサイケポップのアルバムとなっています。

リアルタイムで聴いた時はなんでこんなアルバムを作ってしまったんだ?と疑問に思ったのですが、今回あらためて彼らのアルバムを続けて聴くと、このような路線のアルバムになったのは非常に納得がいきます。デビュー以来、その音楽性に磨きをかけ、3rdアルバム「ホフディラン」でひとつの到達点に達した彼ら。おそらくその後の方向性についてかなり悩んだのでしょう。上にも書いた通り、その悩みはこの前の作品「31ST CENTURY ROCK」でも感じることが出来ます。

そして彼らがひとつの方向性として提示したのが本作のようなサイケポップ。もちろん本作でもそれなりにポップスバンドとしてのホフディランの魅力を感じる側面もあります。ただ、このアルバムでは小宮山雄飛もワタナベイビーもポップミュージシャンとしての魅力を発揮しているとはいえず、サイケポップというある種の観念だけが先走ってしまったアルバムになっています。

正直、出来栄えとしてはかなり厳しい結果となってしまった今回のアルバム。その後、彼らは活動を休止。次のアルバムリリースまで5年の歳月をかけることになってしまうのですが、今回、デビュー以来5枚のアルバムを続けて聴くと、活動休止の理由は痛いほどわかってしまいました。はっきりいってアルバムとしては問題作。個人的には駄作だと思っています。ただ、彼らにとってはアルバム「ホフディラン」で手にいれたひとつの到達点を乗り越えるためには、今となってはどうしても必要であったアルバムと言えるかもしれません。そういう意味では「重要な」アルバムと言える作品でした。

評価:★★★

そんな訳で彼らの初期アルバム5作。アルバムを続けて聴くと、初期の彼らの音楽的模索が嫌というほどわかる内容になっています。その後はホフディランらしい作品が続き、安定感が出てくるわけですが・・・。今回の5枚のアルバム、どれも久しぶりに聴いたアルバムばかりなのですが、あらためてホフディランの魅力に触れることが出来た企画でした。


ほかに聴いたアルバム

GOOD VIBRATIONS/堀込泰行

キリンジ脱退後、比較的マイペースな活動を続ける堀込泰行。昨年、ようやくソロ名義でのオリジナルアルバムをリリースしましたが、それから1年。続いての作品は様々なミュージシャンとコラボを行ったアルバムになっています。D.A.N.やWONK、シャムキャッツといった新進気鋭のミュージシャンたちとのコラボが目立つ作品。特にグルーヴィーなリズムがカッコいいD.A.N.とのコラボ「EYE」や現代ジャズのサウンドが曲にもマッチしているWONKとのコラボ曲「Dependent Dreamers」のカッコよさが目立ちます。ただここらへんは堀込泰行との作風ともマッチしているため非常に相性の良さを感じるのですが、tofubeatsや□□□はいまひとつ、堀込泰行の作風に寄り添いすぎて彼らの個性が目立たなかったような印象も。楽曲自体の出来はもちろん素晴らしいのですが、もうちょっとコラボ相手の個性が目立った方がおもしろかったかも。

評価:★★★★

堀込泰行 過去の作品
River(馬の骨)

"CHOICE" BY 堀込泰行
One

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2018年1月 3日 (水)

初期ホフディランを聴きなおす その1

昨年10月、約5年8ヶ月ぶりとなるニューアルバム「帰ってきたホフディラン」をデビュー当時のレコード会社、ポニーキャニオンからリリース。文字通りメジャーシーンに帰ってきたホフディラン。そんな彼らのデビュー後から2002年まで、ポニーキャニオンとコロンビア時代のアルバム5枚が、「帰ってきた」シリーズとしてリイシューされました。オリジナルアルバムの音源がリマスターされた他、特典ディスクとしてアルバム未収録曲やデモ音源が収録。初期の彼らの作品を振り返ることの出来るうれしいアルバムとなっています。

そんな訳で今日と明日は「帰ってきた」シリーズの5枚のアルバムを紹介。初期ホフディランの活動についてあらためて振り返ろうと思います。

Title:帰ってきた多摩川レコード
Musician:ホフディラン

まずは記念すべきデビューアルバム。1996年の作品。デビュー直後の彼らは「スマイル」「マフラーをよろしく」とワタナベイビーの曲が続き、ワタナベイビーが得意とするようなユーモラスでひねくれたポップス路線というイメージが強かったのですが、アルバムも基本的にその路線。楽曲は後の彼らの作品と同じく、ワタナベイビー、小宮山雄飛の曲がほぼ半々収録されているものの、ユウヒ楽曲の「ミスターNO.1」「車は進んで僕を見る!」などもワタナベイビーの作風に沿ったような曲が多く、ユウヒらしい正統派ギターポップ路線の楽曲はあまりありません。その分、アルバム全体に統一感はあるのですが、楽曲的には少々癖があるため、好き嫌いはわかれるかもしれません。

またベイビーの曲は最近の曲に比べて「毒」の要素も強く、この点が魅力的に感じる一方で、こちらも好き嫌いがわかれる要因になるかも。ストレートな「ハゲてるぜ」なんて曲もあったりして、ビミョーな気持ちになります(笑)。ただこの曲、ユーモラスな作風と裏腹にストーンズや忌野清志郎からの影響も感じられ、ワタナベイビーの音楽的なルーツを感じる作品になっています。

特典ディスクにはシングルのカップリング曲のほか、アルバム未収録だった「キミのカオ」も収録。ベスト盤にはよく収録されている彼らの代表曲のひとつなのでアルバム未収録というのはちょっと意外・・・。カップリングもベイビー色が強いのですが、「僕の好きな人」というフォーキーな楽曲もあり、彼らの音楽性の広がりも感じさせられます。

小宮山雄飛の才能が開花しておらず、まだまだホフディランの魅力が全開になった訳ではありませんが、彼らの原点として楽しめるポップのアルバム。特にベイビー楽曲は彼の魅力がさく裂しており、ベイビーのファンにはたまらないアルバムかもしれません。

評価:★★★★

Title:帰ってきたWashington, C.D.
Musician:ホフディラン

1997年リリースの2ndアルバム。オリコンでは初登場10位を記録しており、彼らにとって現時点においてシングルアルバム通じて、唯一のベスト10ヒットとなっています。

間違いなく彼らの転機になったのは1997年の「恋はいつも幻のように」。いままでのワタナベイビー路線のイメージを覆すような切ないメロディーが特徴のギターロック。言わずとしれば小宮山雄飛による大名曲ですが、この曲をはじめとして今回のアルバムでは小宮山雄飛の才能が一気に開花。「SUPER DRY」「夜」などオルタナ色の強いギターロックの作品が展開され、初期のホフディランのひねくれたユーモラスなポップ路線というイメージから、オルタナ系ギターロックというイメージに大幅にシフトしています。

その分、本作はベイビー楽曲のインパクトが薄くなってしまっているのですが、その分、「Baby's Song」のようなメタル路線やブルージーな「自殺(仮)」などポップ路線に留まらない彼の音楽性の幅広さを垣間見ることの出来る楽曲が並び、ホフディランの音楽性が一気に広がったアルバムとなっています。

特典ディスクは全10曲30分強とちょっと短め。ただこちらもシングルのカップリングが並んでいるのですが、こちらもインパクトあるポップソング揃いでこの時期の彼らの勢いを感じさせます。ちなみにシングルでアルバム未収録の「コジコジ銀座」も収録。こちら、タイトル通りアニメ「コジコジ」のオープニング曲なのですが、分厚いウォール・オブ・サウンドのアレンジにビートルズばりのポップチューンを組み込んだ作品。アニメタイアップ色が強い楽曲ながらも彼らの挑戦心を感じさせる楽曲になっています。

ベスト10ヒットという売上的な側面もさることながら音楽的にも彼らの勢いを感じさせる作品。ホフディランの音楽的な魅力が一気に開花した傑作です。

評価:★★★★★

Title:帰ってきたホフディランIII
Musician:ホフディラン

1998年リリースの3rdアルバム。オリジナル作品のリリース時は「ホフディラン」というセルフタイトルでしたが、今回の「帰ってきた」シリーズでは唯一「ホフディランIII」とタイトルが変わっています。ま、「帰ってきたホフディラン」だと昨年リリースしたオリジナルアルバムと同タイトルになってしまうんで、それを避けたんでしょうが。

前作と若干迷う部分はあるのですが、個人的にはホフディランの最高傑作を上げるとすれば本作でしょう。まず小宮山雄飛楽曲が前作から引き続きのりまくっています。アップテンポで勢いのあるギターロック「極楽はどこだ」から彼のメロディーセンスの良さを見せつけるミディアムチューン「欲望」など名曲揃い。さらに前作では勢いのあるユウヒの楽曲の影に隠れてしまったベイビー楽曲も、「遠距離恋愛は続く」のような彼らしいかわいらしいポップソングや「僕がおこられた」のようなユーモラスなポップチューンなど、ユウヒに負けず劣らずの名曲を聴かせてくれます。

特典ディスクにはいままでと同様、シングルカップリング曲やアルバム未収録のシングル「STAND」、さらにはベスト盤のみに収録されていた「Jailhouse Rock」も収録。特に中盤ではシングルのカップリングとして収録されていたライブ音源も収録。ライブミュージシャンとしての魅力も感じるとともに、当時の彼らをめぐる盛り上がりもその黄色い歓声から感じることが出来ます。

いい意味で小宮山雄飛とワタナベイビーがお互いに刺激しあい、それぞれが実力を出し切った名曲を生み出してきた文句なしの名盤。セルフタイトルという自信のあらわれも納得といった感じの作品でした。

評価:★★★★★

で、明日は残り2作を紹介します。

ホフディラン 過去の作品
ブランニューピース
13年の金曜日
14年の土曜日
15年の日曜日
2PLATOONS
帰ってきたホフディラン

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2018年1月 2日 (火)

若き日の貴重な音源

ここで紹介するアルバムは基本的に私が聴いた順なので、新年一発目がこのアルバムというのは完全に偶然なのですが・・・今年最初に紹介するアルバムがストーンズというのは、個人的には今年1年、いい年になりそうな予感がします(笑)

Title:ON AIR
Musician:The Rolling Stones

昨年、「Blue&Lonesome」というブルースのカバーアルバムをリリースしたThe Rolling Stones。結成から50年以上が経過し、メンバー全員70歳を超えた今の彼らの円熟味あるカバーが魅力的でした。今回リリースされた「ON AIR」は1960年代にイギリスBBCに残したラジオ音源をまとめたアルバム。いままでブートレグなどではリリースされていた音源らしいのですが、今回、正規盤としてはじめてリリースされました。収録されている楽曲はストーンズのオリジナル曲もあるのですが、ほとんどはロックンロールやR&B、ブルースのカバー。デビュー間もない、まだ20代30代の彼らの若々しい演奏が収録されたアルバムで、ある意味、「Blue&Lonesome」の原点というか、対照的なアルバムともいえる作品になっています。

まず特徴的なのはそのカバーの選曲。カバーとしてはチャック・ベリーやソロモン・バークの曲が目立ちますが、一方ではおそらく当時は知る人ぞ知る的なR&Bのカバーも。彼らのロックンロール、ブルース、R&Bへの深い知識、敬意を感じされる選曲になっています。また、彼らのオリジナルアルバムに収録されている曲がほとんどな一方で、曲によってはこのBBC音源でしか聴けないカバーもあり、そういう意味では貴重な音源と言えるでしょう。

ただ今回のアルバム、国内盤でちょっと残念だったのが収録元であるBBCの番組についての詳しい情報がブックレットには記載あれていたのですが、収録曲に関しての詳しい情報が記載されていなかった点。彼らのルーツを知るためには非常に重要な情報だと思うのですが、ストーンズに興味があってもそのルーツには興味がない、ということなのでしょうか。残念です。

さて肝心の内容の方ですが、これはわざわざ言及するまでもないかもしれません。文句なしでカッコイイです。パッと聴いた感じ、演奏としては非常にシンプル。音圧も低めで、今の感覚からするとスカスカといったイメージを受けるかもしれません。ただ、よくよく聴くと、非常に黒いグルーヴィーな演奏が魅力的。特にギターサウンドが特徴的で、シンプルで最小限の音を奏でつつも独特なグルーヴ感のある演奏が実に魅力的で、彼らのサウンドの大きな軸となっています。

今回のアルバムは通常盤が1枚のみ、デラックス盤は2枚組という構成。もちろん私は2枚組のデラックス盤を購入しました。Disc2収録曲ももちろん貴重なナンバーばかりで、なぜ通常盤も2枚組にしなかったのかは不明なのですが・・・あえていえばDisc2の方が若干、録音状態が悪かったような・・・そこらへん、ライトリスナー向けとファン向けをわけた理由なのかもしれません。

そんな訳で、彼らの若き日の瑞々しい演奏を聴くことができ、またストーンズの実力が手にとるようにわかるアルバム。また彼らのルーツをよりよく知ることが出来るという意味でも素晴らしい内容だったと思います。これが「Blue&Lonesome」の後に出たという意義も大きいように感じます。貴重な録音を聴くことが出来た作品でした。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
Ladies & Gentlemen

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2018年1月 1日 (月)

謹賀新年

新年、あけましておめでとうございます。旧年中は当「ゆういちの音楽研究所」をご愛顧いただきありがとうございました。今年もなんとぞ当サイトをよろしくお願いします。

昨年に引き続き、今年も紅白を全くみないで終わってしまった年越しでした。2016年は星野源「恋」やRADWIMPS「前前前世」など近年として珍しいヒット曲の多かった1年でしたが、2017年はこれといったヒット曲がなかった年になってしまいました。ここ最近、レコード会社が注力するのは「良い音楽」ではなく手っ取り早く売上をあげられるアイドルなどになってしまった結果、お茶の間レベルのヒット曲が生み出すことをなかなか生み出すことが出来なくなってしまったのは本当に残念です。

個人的に昨年、音楽をめぐる環境がガラッと変わりました。大きな理由としては、正確にはおととしからなのですが、Spotifyをはじめたこと。これによって、昨年、特に洋楽を中心として購入するCDの枚数がガラッと減りました。今でも本当に好きなミュージシャンのアルバムは、応援するためにはお金を落とすべきだという考えもあってCDを買っているのですが、輸入盤などでCDをなんとか安く購入して聴いていたようなアルバムについては、軒並みSpotifyで聴くようになりました。

ただその結果として、聴いている音楽の量や幅は以前とは比較にならないほど広がりました。聴こうかどうか迷っていたようなアルバムに関しては、Spotifyにアップされていれば、とりあえず聴いてみようということになりました。例えば昨日のベストアルバムでもあげたCHAIや民謡クルセイダーズのアルバムについてはSpotifyがなければ聴いていなかったかもしれません。

また特にワールドミュージックのアルバムに関しては、CDの取り扱いがAmazonになく、ワールドミュージック専門店でも「再入荷待ち」になっているような作品ですら、Spotifyでは家にいながら難なく聴けてしまうようなアルバムも多く、その結果、CDではなかなか聴くことが出来なかったような作品も気軽に聴くこと出来ました。

とかく昨今のCDの衰退やそれに伴うCDショップの衰退、ダウンロードやストリーミングへの意向はネガティブに語られることが多いのですが、実際にSpotifyのようなストリーミングサービスを使ってみると、決してネガティブな側面ばかりではないと思います。特に音楽というものは有史以降続いており、「人に聴かせるための音楽」も、おそらくもう2、300年続いている中、レコードやCDといった記録媒体が登場してせいぜい100年程度。「アルバム単位で聴かせる」ということになってからはわずか50年程度。そう考えると、「CDやレコードなどの記録媒体でアルバムを聴く」という音楽の聴き方は、むしろ「音楽の聴き方」としてはここ最近にちょっとの間だけ流行った聴き方であって、技術や人々の嗜好によってその聴き方が変わっても何も不思議ではなく、また音楽の魅力も何ら変わることがないのではないでしょうか。そんなことを考えてしまった2017年。多分、CDがなくなってもCDショップがなくなっても素晴らしい音楽はなくならないと思いますよ。

そんな訳で、今年もまた、みなさまがたくさんの素晴らしい音楽に出会えますように。今年もよろしくお願いします。

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