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2017年12月26日 (火)

20周年イヤーの最後を締めるアルバム

Title:That's Fantastic!
Musician:POLYSICS

今年、デビュー20周年を迎えるPOLYSICS。2月には再録でのベストアルバムをリリースした彼らですが、20周年イヤーの最後を締めくくるのは約1年半ぶりとなるオリジナルアルバム。あのPOLYSICSがもう20年か・・・という話題は再録ベストでもやったので割愛(笑)。

今回のアルバムに先立ち新メンバー、ナカムラリョウが加入。もともとメンバーの出入りが激しいバンドなだけに新メンバーはあまり驚かなかったのですが・・・4人組となって初となるオリジナルアルバムとなります。

そんな20周年のオリジナルアルバムである本作ですが、まずは序盤からPOLYSICSらしい楽曲で飛ばしまくります。1曲目はいきなりタイトルチューン「That's Fantastic」から。ピコピコサウンドにギターリフのパンキッシュな作風がいかにもPOLYSICSらしい楽曲。続く「Crazy My Bone」はギターリフが前に出たロック色の強いナンバーですが、こちらもパンキッシュな作風でいかにもPOLYSICSらしい疾走感あるナンバーとなっています。

基本的にこの打ち込みのピコピコサウンドにギターリフが加わり、ハイトーンのハヤシのボーカルでパンキッシュな作品が続く・・・というスタイル。そんなスタイルを軸としながら曲によって微妙にバリエーションを加えているのが彼らのアルバムなのですが、今回の作品もその方向性は変わりません。

トライバルなパーカッションからはじまる「Sea Foo」は途中テルミンの音色が加わりユーモラスなその音が耳を惹きますし、「Pretty UMA」はタイトル通り、UMAを取り上げた歌詞も非常にユニーク。ハイトーンなボーカルとコーラスラインをピコピコサウンドにのせてユーモラスに聴かせる「I Have No Idea」など耳を惹くポップチューンが並んでいます。ボーカルハヤシが多様している「トイス!」という掛け声をサンプリングして最初から最後まで「トイス!」の掛け声で構成された、その名も「Toisu Non Stop」なんて曲もあります。

前作「What's This???」は彼らのパンキッシュな側面が強調されたアルバムになっていましたが、今回も比較的、ピコピコサウンドでパンキッシュな楽曲が目立ったように思います。ただその一方、「Shut Up Baby」のように彼らとして珍しい、メロディーに哀愁感を持たせるような曲があったり、「ダンスグミグミ」のようにサビにインパクトのあるメロディーラインを持って来たり、しっかりとメロディーラインで勝負してきている曲も目立ちます。その他の曲も、意外と底にはポップなメロディーラインが流れていたりして、ここ最近のアルバムの中ではポップな側面とパンキッシュな側面のバランスが取れている作品のように感じました。

そんな訳で、POLYSICSの魅力がしっかりと出ていた20周年の最後を締めるにふさわしい傑作アルバムだったと思います。いまだにある種の勢いと瑞々しさすら感じる彼ら。次の20年の活動も楽しみです。

評価:★★★★★

POLYSICS 過去の作品
We ate the machine
We ate the show!!
Absolute POLYSICS
BESTOISU!!!
eee-P!!!
Oh!No!It's Heavy Polysick!!!
15th P
Weeeeeeeeee!!!
MEGA OVER DRIVE
ACTION!!!
HEN 愛 LET'S GO!
HEN 愛 LET'S GO! 2~ウルトラ怪獣総進撃~
What's This???
Replay!


真夏の目撃者/GOING UNDER GROUND

約1年2ヶ月ぶりとなるGOING UNDER GROUNDの新譜。ノスタルジックな雰囲気と爽快感を同居させたちょっと切ないメロディーラインが魅力的。全体的にはシンセが入って分厚いサウンドが特徴的。目新しさはないけど安定感がある、GOING UNDER GROUNDらしいポップなアルバムでした。

評価:★★★★

GOING UNDER GROUND 過去の作品
おやすみモンスター
COMPLETE SINGLE COLLECTION 1998-2008
LUCKY STAR
稲川くん
Roots&Routes
Out Of Blue

Fruits Decaying/ぼくのりりっくのぼうよみ

早くも3枚目となるぼくりりのニューアルバム。基本的にはラッパーにカテゴライズされる彼ですが、どちらかというとラップというよりもメロディアスなポップスがメインで、本作ではその傾向がより強くなっています。メロウさを感じるメロディーラインも魅力なのですが、それ以上にトラックメイキングが冴えまくっている本作。比較的シンプルで最低限の音を奏でつつ、その向こうにある空間を聴かせるようなサウンドが魅力的。「罠」ではSOIL&"PIMP"SESSIONSとコラボしていますが、この曲に限らず「ジャズ」を感じさせるサウンドが目立ちます。前作まで気になった巻き舌を多用した歌い方も今回の作品ではさほど極端な巻き舌がなく、シンプルな歌い方になっているのもプラス。さらなる成長に今後が楽しみになってくるアルバムでした。

評価:★★★★★

ぼくのりりっくのぼうよみ 過去の作品
hollow world
Parrot's paranoia

Noah's Ark

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