« 渋谷系を歌う。 | トップページ | コンプレックスはアートなり! »

2017年12月11日 (月)

10年ぶりのオリジナルアルバム

Title:2017
Musician:ZIGGY

メジャーデビュー30周年を迎えたロックバンドZIGGY。2008年にバンドとしての活動休止。その後、再結成しライブツアーを行うことはあったのですが新曲のリリースはありませんでした。しかし、デビュー30周年を迎える今年、10年ぶりとなるニューシングルがリリース。さらに先日ここでも紹介したシングルコレクションがリリースされ、そして待望の10年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

ZIGGYに関してはここで以前紹介したシングルコレクションの時に書いた通り、個人的には「GLORIA」がヒットしたバンドというイメージしかなく、「よくありがちなJ-POPのミュージシャン」的な印象を持っていました。しかしシングルコレクションを聴く、思った以上にロックな楽曲がカッコよく、ZIGGYというバンドに持っていた印象は大きく変わりました。

今回の再結成にあたって、残念ながら事実上、森重樹一のソロプロジェクトとなってしまったZIGGY。ただ本作に関してはシングルコレクションを聴いてZIGGYに感じた魅力がそのまま反映されているアルバムになっていたと思います。

今回のアルバムに関して感じた大きな魅力、それはストレートに言ってしまうと非常にベタな点でした。ZIGGYの楽曲は良くも悪くも80年代あたりのハードロック、ブルースロックがダイレクトに反映された音楽性。そんなサウンドにのるメロディーラインはインパクト十分、ある意味キャッチーともいえるわかりやすいもの。ギターがなっているダイナミックなサウンドは非常にわかりやすい、ロックらしいロックともいえる曲になっています。

1曲目「白んだ空に蝶達は舞ってる」はハードなギターに沿ったシャウト気味なボーカルでダイナミックに展開するロックらしい曲からスタート。続く「うたた寝の途中」は軽快なロックンロール的なサウンドに対して、メロディーラインはメロディアスでわかりやすいポップな曲調となっており、J-POP的なインパクトを持った作品になっています。

メロディーラインに関して「キャッチー」という言い方がふさわしいのが「まだ見ぬ景色が見たくて」で、疾走感あるメロディーラインは90年代のJ-POP風。個人的にはどこか懐かしさを感じさせます。ほかの楽曲に関しても古き良きハードロックにポップなメロディーをのせたスタイルは90年代J-POPによくありがちなスタイル。そういう意味ではアラフォー世代にとってはどこか懐かしさを感じさせてくれる部分はありました。

ただ、単純に90年代J-POP的というと今でもよくありがちなスタイル。ともすればそういうバンドはあまり面白味を感じることはありません。ZIGGYがそういったバンドと大きく一線を画するのが、彼の音楽にははっきりとルーツが見えるという点でしょう。ルーツ志向という点で典型的だったのが「I CANNOT GET ENOUGH」で軽快なピアノとギターサウンドは明確にブルースロックからの影響を感じます。ともすればルーツレスなバンドが多いJ-POPシーンの中、このルーツをしっかりと楽曲から感じさせる点が他のバンドとは明確に一線を画するZIGGYの大きな魅力でしょう。

ちなみに今回のアルバムではDisc2としてライブ音源も収録。こちらには「GLORIA」「STEP BY STEP」のような彼らの代表曲も収録されており、ベスト盤的に楽しめる内容になっています。ZIGGYとしては久々となるライブツアーの初日でかつ森重樹一以外はサポートメンバーということもあってライブの出来としてはそんなに絶賛するほどの出来には感じませんでしたら、ライブの雰囲気は伝わってくる1枚だったと思います。

そんな訳で、シングルコレクションではじめてZIGGYの魅力を知って、今回はじめてオリジナルアルバムを聴いたのですが、期待にしっかりと応えてくれた傑作アルバムに仕上がっていました。アラフォー世代なら懐かしさもあってかなり楽しめそうなアルバム。それ以外の世代にももちろん、ロックの魅力をしっかりと伝えてくれるようなそんなアルバムです。

評価:★★★★★

ZIGGY 過去の作品
SINGLE COLLECTION


ほかに聴いたアルバム

野宮真貴、ホリディ渋谷系を歌う。/野宮真貴

野宮真貴が2013年から続けている渋谷系のルーツをカバーする企画、「野宮真貴、渋谷系を歌う。」の第5弾となるアルバム。今回は大瀧詠一アレンジによる童謡「雪やコンコ」や槇原敬之の「冬がはじまるよ」などちょっと意外なカバーも。先日、足を運んだライブでも感じたのですが、年齢を感じさせない歌声での魅力的なカバーは相変わらずなのですが、全12トラック中6トラックがボーナストラックであり、全体的に「渋谷系のルーツ」という観点はちょっと薄めというか、若干焦点がぼやけている感じも。企画的には若干ネタ切れ気味な感じもするし、カバーアルバムとしては魅力的なので、そろそろ「渋谷系を歌う。」という枠組みをはずした純粋なカバーアルバムをリリースした方がよいのでは?

評価:★★★★

野宮真貴 過去の作品
実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」
世界は愛を求めてる。-野宮真貴、渋谷系を歌う。-
男と女~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。
野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。~Wonderful Summer~

|

« 渋谷系を歌う。 | トップページ | コンプレックスはアートなり! »

アルバムレビュー(邦楽)2017年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/505136/72305674

この記事へのトラックバック一覧です: 10年ぶりのオリジナルアルバム:

« 渋谷系を歌う。 | トップページ | コンプレックスはアートなり! »