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2017年11月13日 (月)

京都発、今のバンド・・・?

Title:初期の台風クラブ
Musician:台風クラブ

今回は今、注目の新人バンドのアルバムの紹介です。京都出身の3ピースロックバンド、台風クラブ。クリープハイプの尾崎世界観やスカートの澤部渡も絶賛しているバンドだそうで、本作がデビューアルバム。

アルバムジャケットからしていかにも60年代のフォークソングのミュージシャンを彷彿とさせますし、実際、ジャケットはLP風の仕様に仕上がっています。「初期の+バンド名」というアルバムタイトルもいかにも昔風(まあ具体的には「初期のRCサクセション」を思い出しますが)。ジャケット写真にうつった風貌からしても、カレッジフォークを思い起こさせるような時代をタイムスリップしたようなジャケットがまず強く印象に残ります。

ただ、そんな印象からアルバムを聴いてみるとちょっと予想とは異なるようなサウンドが耳に飛び込んでくるのでちょっと驚かされるのではないでしょうか。1曲目「台風銀座」のイントロは80年代あたりのインディーギターロックのそれ。思いっきりPIXIESあたりを思い出させるのですが、楽曲がスタートすると今度はエフェクトをかけたダブのサウンドに脱力感あるボーカルはボ・ガンボスのどんとを彷彿とさせるもの。ダビーな楽曲と共にボ・ガンボス直系の音作りを感じさせます。そういえばボ・ガンボスの全身バンド、ローザ・ルクセンブルグは彼らと同じ京都から出てきたバンドでしたね。

バンドサウンドとしてはガレージロックを主体としたへヴィーなバンドサウンドを奏でています。ただ、その一方ではブラックミュージックからの影響を強く受けたサウンドが特徴的で、続く「ついのすみか」「ダンスフロアのならず者」などメロウなシティポップのサウンドが流れるさわやかなナンバーになっています。

ただボーカルの石塚淳は独特なしゃがれ声が特徴的。これに荒々しいガレージサウンドが加わるため、楽曲全体としてはかなり荒削りな印象すら受けます。このミスマッチともいえる石塚淳のボーカルに意外なほどメロウなサウンドのバランスがバンドの大きな特徴ともいえるでしょう。もっとも石塚淳のボーカルは良くも悪くも癖があるため好き嫌いはわかれるかもしれません。パッと聴いて受け付けないという方も少なくないかもしれません。

このガレージロックをベースとしつつさりげなく様々なジャンルを取り込んでいるというスタンスは非常におもしろく、「ずる休み」は60年代風、「昔は昔」ではモータウンビートを聴かせてくれますし、「42号線」はブルースロック路線。「飛・び・た・い」ではファンクのリズムを聴かせてくれます。

アルバムタイトルやジャケットから印象を受けるカレッジフォークの印象は正直なところほとんどないのですが、ただ楽曲自体はルーツ志向な部分も強いため60年代的ななつかしさを感じさせます。ボーカルのしゃがれ声が楽曲をちょっと邪魔してしまっているような部分もあり、そういう意味でもまだまだバンドとして荒削り、成長の余地は感じられるのですが、既に独特の個性を持っており、今後が非常に楽しみになってくるバンドです。評価はそこらへんの期待値込みで。次回作も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

北極星/藤巻亮太

現在、活動休止中のレミオロメンのボーカル、藤巻亮太によるソロ3枚目となるフルアルバム。基本的にはレミオロメンからのソロというよりはレミオロメンの延長線上のような作品が多く、レミオロメンの楽曲でも感じた藤巻亮太のポップスセンスがキラリと光る作品になっています。

ただ以前より必要以上に分厚いサウンドが気になっていたのですが本作もその傾向が続いています。特に本作、レミオロメンの名曲「3月9日」のセルフカバーが収録されているのですが、アコギのみでいい感じのスタートとなっているにも関わらず、途中からいきなりホーンが入ってくるのですが、正直、ホーンの必要性がかなり疑問なカバーになっていました。

全作同様、良質なポップスアルバムなのは間違いないのですが、レミオロメン復活はまだまだ遠いなぁと感じてしまうアルバム。またもっとシンプルなポップアルバムの方が彼のメロディーや歌詞には合うと思うんですが・・・そういう点はちょっと気になりました。

評価:★★★★

藤巻亮太 過去の作品
オオカミ青年
旅立ちの日
日日是好日

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