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2017年11月 5日 (日)

今の時流に対するbonobosからの回答

Title:FOLK CITY FOLK.ep
Musician:bonobos

ここでも何度も取り上げてきて、同じことを何度も言及してきましたが、ここ最近、ジャズ、ソウルの要素を取り入れたシティポップバンドが増えてきました。Suchmosがその代表格ですが・・・ということも何度も書きましたね。ま、今のシーンのひとつの「流行」になっています。

bonobosに関しては昨年リリースしたアルバム「23区」で既にシティポップ、ジャズという方向に大きくシフトしていました。そして今回リリースされた6曲入りのミニアルバムは基本的にその方向性をさらに突き進めた内容になっていました。ある意味、今のポップシーンの流行に対するbonobosからの回答という言い方もできるかもしれません。

正直言うと、あまりにその時流にのった今回のミニアルバムに関しては最初、少々いぶかしく聴きはじめたという部分もありました。bonobosも流行にのってしまうのか、という感覚で。しかし、聴き進めて、そして何度か聴くうちにそんないぶかしい感覚はふっとんでしまいました。

特に今回のアルバムでカッコいいのが1曲目「POETRY&FLOWERS」。いきなりエレクトロのサウンドから現代風なサックスの音色が鳴り響くナンバー。シティポップ、ジャズ、エレクトロ、ポップをbonobosが今風に解釈した名曲。まずはリスナーの耳に彼らの実力を知らしめる1曲になっています。

あとやはり注目したいのは彼らの代表曲「THANK YOU FOR THE MUSIC」のリメイク「THANK YOU FOR THE MUSIC-Nui!」。よりメロウにジャジーな雰囲気を加えたアレンジに生まれ変わっているのですが、元の楽曲が持っている魅力は変わりません。全く新しい・・・というよりは元の曲の魅力をきちんと抱えたまま、今の彼らの興味にアップデートされていました。

また言うまでもなくもともとはレゲエバンドである彼ら。今回のアルバムでもそのレゲエの要素はしっかりと感じることが出来ます。前述の「THANK YOU FOR THE MUSIC-Nui!」でもレゲエ的な横ノリのリズムは残っていましたし、「永遠式」はまさにそんなレゲエとシティポップを見事に融合させた楽曲。bonobos流のシティポップといえる内容に仕上がっていました。

わずか6曲入りのミニアルバムながらも、今のbonobosの実力がしっかりと伝わってくる傑作になっていました。今の時流にのりつつも、その中できちんと他のバンドとは異なる個性を感じる本作。あらためてbonobosの魅力を再認識した1枚でした。

評価:★★★★★

bonobos 過去の作品
Pastrama-best of bonobos-
オリハルコン日和
ULTRA
HYPER FOLK
23区


ほかに聴いたアルバム

CRACKLACK/SCOOBIE DO

SCOOBIE DOの最新作はここ最近のシティポップの流れに沿ったような、比較的おとなしい抑え気味のサウンドに静かなメロディーラインが流れるポップス。彼らの持ち味であるファンキーな曲ももちろんありますが、全体的には控えめ。ここ最近のシティポップへのSCOOBIE DOからの返答ともとらえることが出来ますが、サウンドにしろ彼ららしいファンクなリズムにしろ、全体的にちょっと中途半端というイメージが否めないアルバムになっていました。

評価:★★★

SCOOBIE DO 過去の作品
ROAD TO FUNK-A-LISMO!
BEST OF CHAMP YEARS 2007~2016

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