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2017年10月16日 (月)

人気のアメリカインディーバンド

Title:Sleep Well Beast
Musician:The National

今回紹介するのはアメリカのインディーバンド、The Nationalのニューアルバム。The Nationalは2001年にデビューし、アメリカはブルックリンを拠点に活動している5人組バンド。2005年にリリースされた「Alligator」が絶賛を受け一躍注目を集め、前作「Trouble Will Find Me」も各所で絶賛を集め大きな話題となりました。売上的にも前作はインディーズでありながらもアメリカビルボードチャートで3位を記録するなど絶大の支持を受けているバンドです。

個人的には彼らの名前は以前から知ってはいたのですが、アルバムをちゃんと聴くのは今回がはじめて。ほとんど前情報がない状態で聴いたのですが、このアルバムで彼らの魅力にはまってしまいました。

彼らの楽曲についていえば比較的シンプルでポップなメロディーラインを聴かせるといった感じでしょうか。サウンド的にもピアノやシンセを取り入れつつも、比較的シンプルにまとめています。今回の楽曲で前半はピアノの音を取り入れて美しくしんみりと聴かせるような楽曲が目立ちます。1曲目を飾る「Nobody Else Will Be There」も美しいピアノのリフをメインとした曲作りとなっていますし、「The System Only Dreams in Total Darkness」などもピアノの音を軽快にならしたポップスにしあがています。

ただピアノの音をメインでしんみりと聴かせる前半から一転するのは中盤に待ち構える「Turtleneck」。ガレージロック風のギターが鳴り響く、ちょっとレトロな雰囲気もするダイナミックなロックチューン。ちょっと雰囲気が変わったな、と思えば続く「Empire Line」「I'll Still Destroy You」はエレクトロ系のミュージシャンを思わせるような打ち込みによるユニークなリズムが耳を惹きます。メロディーの方は序盤と変わらず至ってシンプルでポップなのですが、ここらへん、ユニークなサウンドに耳を惹かれるような楽曲が並びます。

これが再び終盤に来ると「Carin at the Liquor Store」はピアノがメインに美しいメロディーラインを聴かせるバラードナンバー、「Dark Side of the Gym」も同じくピアノの音にシンセの音が加わりながらも美しく聴かせるナンバーとメロディーラインを聴かせるようなポップチューンが並びます。最後を飾るタイトルチューン「Sleep Well Beast」はまたエレクトロのリズムが印象的なナンバーなのですが、こちらもしっかりとメロディーラインを聴かせてアルバムは幕を下ろします。

サウンドのバリエーションも魅力的なのですが、それ以上にやはり大きな魅力だったのがどこか哀愁感も帯びたフレーズも魅力なメロディーライン。サウンドにしろメロにしろ派手さはないのですが、しっかり心に残るメロディーを聴かせてくれました。比較的シンプルなメロに、若干実験性も加えたサウンドがバランス良く配合されたアルバム。毎回、アルバムが大きな話題となる彼らですが、本作もまた傑作アルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

All The Light Above It Too/Jack Johnson

夏のビーチがいかにも似合いそうなオーガニック系ミュージシャンの代表格Jack Johnsonのニューアルバム。楽曲的にはいつものJack Johnsonらしいアコースティックギターで聴かせるメロディアスなポップ。ある意味目新しさは皆無なのですが、そのメロディーラインの美しさはやはり抗えない魅力がありました。

評価:★★★★

Jack Johnson 過去の作品
SLEEP THROUGH THE STATIC
To The Sea

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