« 浅草オペラ第2弾 | トップページ | 「GLORIA」のイメージが強いが。 »

2017年10月 2日 (月)

カントリー色が強くなった新作

Title:Hearts That Strain
Musician:JAKE BUGG

セルフタイトルのデビューアルバムが大きな話題となってから早5年。そして早くも4作目となるイギリスのシンガーソングライター、JAKE BUGGのニューアルバムがリリースされました。本作はアメリカのナッシュビルでレコーディング。ジョニー・キャッシュのスタジオエンジニアでもあった、デヴィッド・ファーガソンをプロデューサーとして迎えた作品となっています。

まずちょっとビックリするのは楽曲の雰囲気が今回のアルバムでガラリと変わっているということ。フォーク系の楽曲という基本的なスタンスは変わらないものの荒々しいギターの音色は消えて、非常に爽やかなギターが目立つ作品が並んでいます。まず1曲目「How Soon The Dawn」はThe Black KeysのDan Auerbachがギターでコラボしているものの、サウンドは爽やか。心地よいパーカッションやピアノ、さらにはファルセットボイスまで飛び出すフォーキーながらも清涼感あふれるポップスに仕上がっています。

その後も「Southern Rain」「In The Event Of My Demise」「This Time」もアコースティックギターがメインに爽やかでフォーキーな楽曲を聴かせてくれます。デビュー当初のような攻撃性あるサウンドはなく、やはり今回ナッシュビルでのレコーディングで、ジョニー・キャッシュのエンジニアがプロデュースという影響でしょうか、カントリーからの影響も強く感じます。

また「Waiting」では著名なカントリー歌手であるBilly Ray Cyrusの娘、Noah Cyrusとデゥオをしているのですが、スモーキーな楽曲に仕上がっており、NoahのボーカルはどこかNorah Jonesっぽさすら感じます。

ただ後半、「Burn Alone」「Indigo Blue」などはグルーヴ感あるギターサウンドも聴かせてくれ、デビュー当初の彼の姿を彷彿とさせるような部分も。最後を飾る「Every Colour In The World」も切ないメロを聴かせるのフォーキーなナンバーなのですが、哀愁感あるサウンドはいつものJAKE BUGGという雰囲気を感じさせます。

さてそんないままでのJAKE BUGGのイメージとは異なる今回のアルバム。正直言うと最初はかなり違和感を覚え、受け入れがたいものがありました。ただ、アルバムを聴き進め、さらに何度か聴くうちに違和感が徐々に薄れ、JAKE BUGGのアルバムとしてむしろ傑作ではないか、という印象が徐々に強くなっていきました。

特に今回のアルバムではサウンドがより爽やかになり結果メロディーラインが前に出てきたことによりJAKE BUGGの書くメロディーの良さ、美しさがよりはっきりしたアルバムになったように感じます。そのためアルバムの雰囲気としてはいままでの彼の作品とはちょっと異なる雰囲気を持ちつつも、JAKE BUGGの良さはしっかりとあらわれた傑作アルバムになっていたように思います。

前作「On My One」は幅広い作風に挑戦した結果、アルバム全体としてはむしろチグハグさを感じさせる作品になってしまいましたが今回の作品はアルバムとしての統一感もあり、そういう意味でもよく出来たアルバムになっていたと思います。アルバムを試聴しただけだと抵抗感がある方も多いかと思いますが・・・間違いなくJAKE BUGGの魅力がしっかりとつまった傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

JAKE BUGG 過去の作品
JAKE BUGG
SHANGRI LA
On My One


ほかに聴いたアルバム

POWER OF PEACE/THE ISLEY BROTHERS & SANTANA

いずれも50年を超えるキャリアを誇り、方やロック、方やファンク界の大御所としてその名声をほしいままにしているカルロス・サンタナとThe Isley Brothers。その両者がまさかのコラボを果たしリリースされたアルバムが本作。基本的にはスタンダードナンバーのカバーがメインなのですが、サンタナ主導のロック色の強いナンバーと、The Isley Brothers主導のソウル、ファンク色の強いナンバーが並んでいます。ただサンタナが主導しているロック色の強いナンバーにもファンク的な要素が強く感じられたり、逆にソウル色強いナンバーにもダイナミックなサンタナのギターが登場してきたりと、本当の意味でロックとソウル/ファンクを融合させたカバーになっています。この相性の良さはちょっと意外な感じ。個人的にはもうちょっとソウル色が強い方が好みだったのですが、メンバーいずれも60歳を超えるこのコラボ。ただ若造にはまだまだ負けないというパワフルさを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★★

Santana 過去の作品
Guitar Heaven:The Greatest Guitar Classics Of All Time

|

« 浅草オペラ第2弾 | トップページ | 「GLORIA」のイメージが強いが。 »

アルバムレビュー(洋楽)2017年」カテゴリの記事

コメント

カントリー・ミュージック方面でのジェイク・バグの活躍に期待したいですね。

投稿: ひかりびっと | 2017年10月 4日 (水) 11時01分

>ひかりぴっとさん
この方面でもがんばってほしいです。

投稿: ゆういち | 2017年10月27日 (金) 23時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/505136/71843598

この記事へのトラックバック一覧です: カントリー色が強くなった新作:

« 浅草オペラ第2弾 | トップページ | 「GLORIA」のイメージが強いが。 »