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2017年10月15日 (日)

多彩な「ダンサナブル」

Title:ダンサブル
Musician:Rhymester

前作「Bitter,Sweet&Beautiful」ではメッセージ性が強く、アルバム全体のコンセプト性が強かったアルバムをリリースしてきたRhymester。ここ最近(に限らないかもしれませんが)、彼らの楽曲には非常に強いメッセージ性を感じる作品が少なくありません。

そんな中リリースされた約2年ぶりとなるアルバムは、タイトル通り「ダンサブル」なアルバム。メッセージ性やコンセプト性が強く若干地味だったイメージの前作と比べると、リスナーの身体に対してダイレクトにヒットして楽しめるようなダンサナブルな曲が並んでいます。

特に序盤から3曲目にかけて聴いていていきなりアゲアゲとなってきます。「スタイル・ウォーズ」はテンポはミディアムテンポで若干ハードコア風の日本語ラップなのですが、強いビートのリズムが心地よい楽曲に。続く「Future Is Born」は軽快なディスコ調のナンバーが楽しく、「Back&Forth」もちょっとジャズっぽいドラミングが耳を惹くダンサナブルなナンバーとなっています。

その後の「梯子酒」にジャジーな「Don't Worry Be Happy」はコミカルな歌詞が印象的なポップで楽しいナンバー。さらに「ゆれろ」では「とかく縦ノリが好きなお国柄ってみんな信じ込みすぎ」というパンチラインが楽曲の方向性をあらわしている横ノリのナンバーで、ダンスチューンの中にもバリエーションを持たしてきています。

後半もサイプレス上野やHUNGERがゲストとして参加しマイクリレーを聴かせるタイトル通りダイナミックなサウンドが印象的な「爆発的」や、逆にKIRINJIが参加し爽快なシティポップ風のサウンドを聴かせる「Diamonds」など、同じダンサナブルであることをテーマにしながら様々なバリエーションを聴かせてくるあたり、Rhymesterのミュージシャンとしての実力を感じます。

最後のラッパーとしての決意を歌う「マイクの細道」はアルバムの最後を飾るにふさわしいような彼ららしい熱いメッセージを持ったナンバーになっていましたが、基本的に最初から最後までテンポよいダンサナブルな楽曲が並んでいた本作。いい意味で非常に聴きやすいポップなアルバムに仕上がっていました。またダンサナブルをテーマにしつつRhymesterの様々な魅力をきちんとおさめているアルバムだったと思います。そういう意味でもRhymesterをいままで聴いたことない人がまず聴いてみるアルバムとしてもお勧めできそうな1枚。今回のアルバムも文句なしの傑作でした。

評価:★★★★★

RHYMESTER 過去の作品
マニフェスト
POP LIFE
フラッシュバック、夏。
ダーティーサイエンス
The R~The Best of RHYMESTER 2009-2014~
Bitter,Sweet&Beautiful

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