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2017年10月23日 (月)

アルビニっぽい音だなぁ、と思ったら

Title:24-7 Rock Star Shit
Musician:THE CRIBS

イギリスのスリーピースロックバンドによる新作。2008年に元The Smithsのジョニー・マーが加わり大きな話題となり、さらにその後リリースされた「Ignore the Ignorant」は高い評価を受けました。ジョニー・マーは残念ながら(予想通り)、その1枚のみの参加だったようですが、その後もコンスタントに活動を続けている彼ら。特にフジロックには過去3度も参加しており、なじみの深いミュージシャンの一組のようです。

彼らについて私が聴いたのは話題になったアルバム「Ignore the Ignorant」のみ。その後のアルバムについては正直スルーしていたのですが、前作から約2年5ヶ月ぶりとなるニューアルバムを久しぶりに聴いてみました。

以前のアルバムもいかにもイギリスのインディー系ロックバンド然とした作品だったのですが、今回のアルバムもいきなりノイジーに歪みまくった音、さらに荒々しくシャウト気味のボーカルが聴いてみてまず「あ、スティーヴ・アルビニっぽい」と好感触を持ちました。で、アルバムを聴いた後、このアルバム評を書く前にはじめて知ったのですが、全面スティーヴ・アルビニプロデュースなんですね・・・。ある意味、一発でアルビニとわかるような音作りをしていました。

そんな訳で、まさにPIXIESあたりが好きなら壺をつきまくりそうなアルバム。先行シングルにもなった「Year of Hate」もノイジーなギターとシャウト気味なボーカルで非常に荒々しいナンバーに。そしておそらくアルビニサウンドが好きならたまらないと思うのが、同じく先行シングルとなった「In Your Palace」「Dendrophobia」あたりではないでしょうか。荒々しいギターサウンドが展開されるも、メロディーラインは至ってポップというアンバランスさが楽しい楽曲。80年代のインディーギターロックが今の再現されたような内容になっています。

後半はアコースティックな色合いの強い「Sticks Not Twigs」や静かに聴かせる「Dead at the Wheel」みたいな曲もありつつ、基本路線は「Rainbow Ridge」「Partisan」というノイジーギターを中心としたダイナミックなバンドサウンド+ポップなメロディーラインという構成で変わりません。最後の「Broken Arrow」も軽快でポップなメロを主軸としたアルバム。曲名を冒頭に持ってくるサビが顔を見せるある意味、非常にわかりやすいナンバー。カラッとした雰囲気はどこかアメリカテイストなのですが、アルバムの最後を締めくくるにふさわしいロックチューンに仕上がっています。

全体的には決して目新しい感じもありませんし、楽曲のバリエーションも限られています。ただ全10曲36分という「短さ」がちょうどよいアルバムになっていました。とにかく難しいこと抜きにインディーギターロックの楽しさを味わえるアルバムだったと思います。PIXIESやDinasour Jr.あたりの80年代インディーギターロックが好きなら必ず気に入る1枚です。

評価:★★★★★

THE CRIBS 過去の作品
Ignore the Ignorant


ほかに聴いたアルバム

Concrete and Glod/FOO FIGHTERS

いきなりアコギ弾き語りで静かにスタートするFOO FIGHTERSの新作は本人たち曰く「モーターヘッドが『サージェント・ペパーズ』を鳴らしたような作品」だそうで、彼ららしいパンキッシュな作品は少ないのですが、全体的にポップなメロディーがキラリと光っていますし、楽曲によってメタルちっくだったりハードコアだったり、かと思えばポップな作品になっていたり・・・「Happy Ever After(Zero Hour)」なんて完全にビートルズを彷彿とさせるフレーズが飛び出したりと、非常に凝った作品に仕上がっていました。いつものフーファイを期待すると若干期待はずれになってしまうかもしれませんが・・・バンドとして一段階上に来たように感じさせるような傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

FOO FIGHTERS 過去の作品
ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE
GREATEST HITS
WASTING LIGHT
Saint Cecilia EP
SONIC HIGHWAYS

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