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2017年9月30日 (土)

大人のエンターテイメントショー

CRAZY KEN BAND 20TH ATTACK! CKB[攻]

会場 刈谷市総合文化センター大ホール 日時 2017年9月27日(水) 18:30~

ライブツアーなどに何度も足を運ぶほど熱心なファンではないけれど一度はライブを見てみたいなぁ、と個人的に思っているミュージシャンが何組かいまして、クレイジーケンバンドもそんな一組。今回、結成20周年記念のベストアルバムがリリースされ、それに伴うライブツアーが開催。ベスト盤後のツアーということはベスト盤的な選曲が楽しめる!という期待もあり、はじめて彼らのライブに足を運びました。会場は刈谷市総合文化センター大ホール。名古屋市内ではなく、郊外での開催というのはちょっと意外な感じ。ただ(ライブの中でのMCでも横山剣が言っていたのですが)コンサートホールみずから共催として名前を連ねており、ホール側からのたっての願いということだったのでしょう。

Crazykenband_live_2

会場は刈谷駅から徒歩すぐという非常に好立地の真新しい音楽ホール。場内では左のような横山剣のロウ人形が展示されていました。なぜ?でも、とてもよく出来ていた・・・。

さてこの日は平日。仕事もあって会場にはギリギリの到着。すると比較的すぐ、開演予定時間を5分程度まわった時点でライブがスタートとなりました。ステージ上には大きな2匹のマーライオンに古代ギリシャ風の柱が2本。アジアンっぽさを混ぜつつ無国籍なステージ上にメンバー10人が2段になってズラリと並び、そして横山剣の登場となりました。

最初は「スージー・ウォンの世界」からスタート。ベスト盤1曲目の曲からのまずはスタートとなりました。で、この後ちょっと意外だったのは3曲目に「欧陽菲菲」が披露された点。グループ魂への提供曲でセルフカバーをしているとはいえベスト盤には収録されておらず、歌詞的にも(横山剣作詞とはいえ)グループ魂を意識したような歌詞。それを序盤に披露するというのはちょっと意外。ただ個人的にも好きなナンバーですし、ダイナミックで盛り上がる楽曲でしっかりライブ映えしていました。

4曲ほどまずは披露した後に最初のMC。今回は刈谷でのライブということで、刈谷=メリ谷なので(彼らの代表曲である)「メリメリ」と通じるものがある、という話だったり、地元のカリモク家具の話だったり、ちょっとした刈谷ネタで盛り上がりました。

さらに「秋になったけど夏に戻りましょう」というMCから「太陽のプレイメイト」「Loco Loco Sunset Cruise」と夏のナンバーで会場には夏らしいからっとした爽やかな空気感が漂います。そして刈谷ネタでも登場した「メリメリ」も聴かせてくれました。

その後は逆に「秋」ということで「秋になっちゃった」、そして「けむり」へと続きます。ここでベースの洞口信也が登場。横山剣とおじさま2人で簡単なコントをやった後、2人のデゥオで「Honolulu BBQ」へと続きます。

ライブは続きます。「ロサンゼルスの中華街」「シンガポール・スリング」と彼ららしい無国籍アジアンテイストな楽曲が続き、さらには「ルビーの指環」のカバーへ。ほぼ原曲準拠のアレンジなのですが、横山剣のボーカルが妙にマッチし、昭和らしい雰囲気がクレイジーケンバンドにもピッタリマッチしました。

その後のMCでは「ルビーの指環」の良さを語ったと思ったら、なんと再び「ルビーの指環」へ。なぜ、2度も?と思ったら、最後でしこを踏んで「寺尾、ドスコイ!」と微妙(?)なギャグで終了・・・そのネタをやりたかったんですね(^^;;

カバーコーナーはさらに続き、次は菅原愛子ボーカルにより「中央フリーウェイ」。こちらもなかなかクレイジーケンバンドの世界にマッチした選曲。その後はオリジナルに戻り「Midnight Cruiser」。さらには小野瀬雅生がメインとなるギターインスト曲を2曲披露し盛り上がります。

そして本編は終盤へ。おなじみ「タイガー&ドラゴン」、さらにその後、横山剣含めてメンバーがなぜかプロレスのマスクをつけて登場し1曲披露(すいません、曲名はわかりませんでした・・・)、さらには「GT」でこの日のクライマックスへ向かい会場は盛り上がります。本編ラストは「空っぽの街角」でちょっとメロウな雰囲気になり幕が下ります。最後は横山剣がおなじみの中腰で親指と人差し指を直角に顔の前で決める「イイネ!」のポーズで終了となりました。

もちろんアンコールに突入。アンコールではメンバー全員、白いスーツでパシッと決めてきて、大人のバンドらしいカッコよさを見せてくれました。アンコールでは「発光!深夜族」、そしてベスト盤のタイトルにもなった「愛の世界」。そして最後は「みなさんの長寿を願って」ということで「生きる。」で締めくくり・・・かと思ったら歌詞を間違えるというハプニングが。さらにやり直しでは意識しすぎたのか、また歌詞が出てこなくなるという事態に。なんとか3回目で成功。伸びやかな力強いボーカルでしんみりと聴かせてくれました。

そしてメンバーが退出・・・ここで横山剣は「また次のアンコールでお会いしましょう」というセリフで退場・・・もちろん盛大なアンコールが起こり、2度目のアンコールになりました。

2度目のアンコールではクレイジーケンバンドではおなじみのコーナーらしいリクエストのコーナーへ。ファンの中には大きな画用紙に曲名を書いて備えている方もいました。リクエスト1曲目は横山剣が以前組んでいたバンド、ダック・テイルズ自体の曲、「ウォー・アイ・ニー」。初耳でしたが、かなりレアなナンバーでした。さらには「君が代」へ。こちらは今度のF1日本GPで横山剣が披露する予定だとか。かなりパワフルな「君が代」を聴かせてくれました。そしてリクエストコーナーラストは「コーヒーキャンディー」。こちらもデビューアルバムからのレアな選曲。なかなか貴重な3曲を聴くことが出来ました。

リクエストコーナーに続いては「昭和の雰囲気を味わってもらおう」と札幌オリンピックのテーマ曲「虹と雪のバラード」のカバー。1971年のトワ・エ・モアによるナンバーですね。どちらかというとフォーク寄りの楽曲なので彼らがカバーするのはちょっと意外なイメージ。でも彼らの世界観の中でもピッタリとマッチして、(リアルタイムは生まれる前ですが)昭和の空気感を作り出していました。

そして本編ラストは「LADY MUSTANG」。最後はメンバーそれぞれのソロコーナーも加わり、ジャムサウンドでたっぷりと演奏を聴かせ会場を盛り上げます。最後はメンバー全員がステージ前に横に並び、手をつないでご挨拶。ボリュームたっぷりのステージは3時間弱という長さで幕を下ろしました。

はじめてのクレイジーケンバンドのライブだったのですが、いやぁ、楽しかった!正直、派手なパフォーマンスやらギミック的なものはなく、総勢11名のメンバーが奏でる分厚くも楽しいサウンドをバックにあくまでも「歌」を聴かせるステージで、まさに「大人のエンタテイメントショー」といった呼び名がふさわしいライブでした。またベテランの彼らなのですが、3時間という長丁場、MCも最小限でひたすら曲を披露するという体力にもちょっとビックリ。この手のベテランバンドって、1曲終わってはMC、というスタイルが多いだけに、彼らの「若さ」には驚かされます。

ただ今回彼らのライブにはじめて足を運んでちょっと意外だったのは客層の年齢が予想以上に高かったこと。30代あたりもチラホラいたのですが、アラフォーの私が若い方。下手すれば私の親あたりの世代もチラホラ。クレイジーケンバンドって「昭和歌謡が若い世代にも支持」的なイメージがあったのですが、ファン層を見ると、リアルタイムで昭和歌謡曲を楽しんでいたような世代が結構多いんですね。もっと若い世代の支持を集めているかと思っていただけにちょっと複雑・・・。

とはいえ、ベテランの彼らだけあって一流のパフォーマンスを見せてくれたステージ。あらためて彼らの曲をライブでじっくりと聴くと、自分が思った以上にクレイジーケンバンドのことが好きだったということに気が付かされました(笑)。3時間というフルボリュームのライブでしたが、あっという間でした。「一度は見てみたい」的な感覚で足を運んだ彼らのライブでしたが、また是非見てみたい、そう感じさせてくれるパフォーマンスでした。

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