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2017年9月 8日 (金)

逆説的なアルバムタイトルがユニーク

Title:NO MORE MUSIC
Musician:OKAMOTO'S

逆説的で、どこか皮肉めいたものを感じさせるアルバムタイトルも印象的なOKAMOTO'Sのニューアルバム。バンドとしての評判とは裏腹にアルバムではいまひとつの作品が続いてたデビュー直後の彼らとは異なり、ここ最近、アルバムの出来も安定していておりバンドとしても成熟期に入って来たことを感じさせる彼らですが、フルアルバムとして7作目となる本作もそんなバンドとしての勢いを感じさせる傑作となっていました。

今回のアルバムはまず印象としてはファンク、ブラックミュージックからの強い影響を感じます。1曲目「90'S TOKYO BOYS」はファンキーでアーバンな作風。印象としては最近話題のSuchmosやNulbarichと似たような流れを感じさせますがバンドとしてはもちろんOKAMOTO'Sの方が先輩格。楽曲にもいい意味での安定感を覚えます。この方向性は「NEKO」や最後を飾る「Star Light」も同じような感じでしょうか。程よく力が抜けたサウンドが心地よく、醒めた雰囲気の楽曲がオカモトショウのボーカルにもマッチし、心地よいシティーポップのナンバーを聴かせてくれます。

ただそんなアーバンポップを主軸としつつ、様々なタイプの曲を楽しめるのが本作の大きな特徴。タイトルチューンである「NO MORE MUSIC」は80年代ポップスを彷彿とさせる爽快で心地よいダンスポップですし、「WENDY」はタイトル通りの爽快さを感じる疾走感あるポップチューン。ボーカルはオカモトコウキがつとめており、爽やかな彼のボーカルが楽曲にも非常に合っています。ちなみにこの曲、プロデュースを堂島孝平がつとめているのですが、まさに堂島孝平らしさが前面に出てきているので、堂島ファン必聴の作品です。

そんなシティーポップチューンが多く収録されている一方、バンドとしての足腰の強さを感じるロックチューンも少なくありません。特に今回、バンドメンバー全員が共通してファンだというレッチリからの影響を挙げており、「BEDROOM」のイントロなんかはまさにレッチリっぽいですし、先行シングルとなった「BROTHER」なんかもまさにレッチリらしいファンキーでロックなミクスチャーのナンバー。HIP HOP風なトラックが心地よい「Cold Summer」も途中、へヴィーなバンドサウンドが顔を覗かせます。ただここらへんのへヴィーなロックナンバーもアーバンなシティーポップと並んでいてもアルバム全体としての流れに違和感がなく、音楽的に共通するものを楽曲の根底に感じることが出来ます。

バラエティー富んだ作風にバンドの音楽性の幅広さを感じ、またそれでいてアルバム全体に統一感がある点、バンドとしてしっかりと個性を確立しているということを感じさせる作品になっていました。デビューから7年、バンドとしての評価とは裏腹に、なかなかブレイクしきれない彼らですが、バンドとしての体力、実力はしっかりと身に着けてきていることを感じさせる傑作アルバム。まだまだバンドとしても昇り調子を続けており、これからの活躍が楽しみになってくる作品でした。

評価:★★★★★

OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
オカモトズに夢中
欲望
OKAMOTO'S
Let It V
VXV
OPERA
BL-EP


ほかに聴いたアルバム

HIGHLIGHT-The Very Best of Toki Asako-/土岐麻子

女性シンガーソングライター土岐麻子のオールタイムベスト盤。全編爽快なシティポップが流れてくる作品。ある意味意外性はなく、ジャジーな曲やエレクトロアレンジの曲もあったりするのですが、良くも悪くも似たような雰囲気の楽曲ばかり。土岐麻子としての個性は強く感じさせる反面、ちょっと楽曲のインパクトは弱めかな?ただとはいうものの聴いていて気持ちよくなるポップスばかり。以前のベスト盤の時も似たような感想を書いたのですが、良質なポップのアルバムとして楽しめる作品です。

評価:★★★★

土岐麻子 過去のアルバム
TALKIN'
Summerin'
TOUCH
VOICE~WORKS BEST~
乱反射ガール
BEST! 2004-2011
CASSETTEFUL DAYS~Japanese Pops Covers~
HEARTBREAKIN'
STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~
Bittersweet
PINK

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