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2017年9月17日 (日)

こちらはデビュー35周年

Title:ALL TIME BEST
Musician:安全地帯

今年、デビュー35周年を迎えたロックバンド、安全地帯。そんな彼らのオールタイムベストがリリースされました。さらにそんな安全地帯の中心メンバーでありボーカリストである玉置浩二のソロキャリアを統括したベスト盤も同時リリース。2作品同時に聴いてみました。

Title:ALL TIME BEST
Musician:玉置浩二

実は私、安全地帯をアルバムという形で聴いたのはこれがはじめて。もちろん大ヒット曲であり本作にも収録されている「ワインレッドの心」や玉置浩二の「田園」などは聴いたことがありました。ただ、今回はじめてベスト盤という形でまとめて聴いてみました。

安全地帯というと以前から、一部で・・・というよりも具体的にミュージックマガジン誌近辺あたりで非常に評価が高いのですが、今回のベスト盤を聴いてみても、正直そこまで高い評価に対してはあまりピンと来ませんでした。

もちろん、数多くのヒット曲にスタンダードナンバーも歌っていたミュージシャン。一定以上の「実力」があることは間違いありません。今回聴いたベスト盤2作にひんに関しても数多くの名曲が収録されている点には異論はありません。

ただ今回のベスト盤を聴いて強く感じてしまったのですが、彼らの楽曲はあまりにも保守的。確かにそのしんみりとうっとりするメロディーラインは魅力的ではあるのですが、よくも悪くも一昔前そのままの歌謡曲であり、目新しさは感じませんでした。とはいえ個人的には井上陽水と組んだ「夏の終りのハーモニー」のメロは絶品だと思いましたが・・・。

しかし一方、もうひとつ大絶賛されている玉置浩二のボーカル、これに関してはもうもろ手を挙げて絶賛するしかないですね。彼の楽曲に関しては以前から聴いたことはあったのですが、あらためて聴くとその歌の上手さに関しては文句のつけようがありません。

声量、表現力ともに申し分ないのですが、なによりそのボーカルが実に自然体であることが大きな魅力に感じます。とかく特に日本では「歌が上手い」と称されるボーカリストはいかにもゴスペル風の声をはりあげてその声量を聴かせたり、あるいは感情過多というほどのボーカルを聴かせたりして、なによりも「歌の上手さ」を強調しようとするスタイルが目立ちます。

ただ彼のボーカルはその歌声にしても表現力にしてもとにかく自然体。まったく聴いていて違和感がないのに心に響いてくるボーカルを聴かせてくれます。今回、ベスト盤としてこういう形で彼の歌をまとめて聴いて、そのボーカリストとしての実力、魅力を強く感じることが出来ました。

もっとも彼らの楽曲に関して上で否定的な書き方をしていますが、数多くのヒット曲を抱え第一線で活躍してきたミュージシャンだけに凡百のミュージシャンでは到底かなわないような作品を奏でているのは間違いありません。どちらかというと「良質な歌謡曲」といったイメージなのですが・・・彼らの活躍をまとめて聴くには最適なベスト盤になっていました。

評価:どちらも★★★★

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