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2017年8月20日 (日)

歌謡ファンク路線

Title:FUNK A LA MODE
Musician:及川光博

ここ最近、ほぼ毎年のようにアルバムをリリースし、全国ツアーを行っている及川光博。役者としてもコンスタントに活躍を続けており、まさに音楽に俳優に八面六臂な活動が目立ちます。

そんな中リリースされた今回のニューアルバム。「FUNK A LA MODE」というタイトル通り、全面的にファンクというジャンルを前に押し出したアルバムになっています。もともと彼自身、音楽的にかのプリンスから大きな影響を受けており、ファンクという要素はデビュー時から多く取り入れていました。そういう意味では今回、あらためて彼の音楽的な原点に立ち返ったアルバムと言えるかもしれません。

ただファンクはファンクでもバリバリブラックミュージックど真ん中のどす黒いファンクチューン、といった感じではなくあくまでもポップ。というよりも一言で言うと「歌謡ファンク」という言い方が出来るかもしれません。「愛し愛されまSHOW☆」はライブでも盛り上がりそうなホーンセッションと女性コーラスを入れたファンキーなポップチューンなのですが、続く「紅のマスカレード」はラテンフレーバーなサウンドにムーディーな歌謡曲のメロとなっていますし、「アクアリウム」「ガールフレンド」もファンキーなリズムを入れつつも、基本的に歌謡曲風なメロをしんみり聴かせるナンバーとなっています。

そういう意味では今回、カバーとして収録されているのが「sure danse」という選曲が見事。ご存じ米米CLUBによるナンバーのカバーなのですが、米米CLUBもいわば歌謡ファンクという要素を取り入れたロックバンド。音楽的に及川光博に通じる部分も強く、そういう意味ではミッチーのボーカルもピッタリはまったカバーになっています(ライブのエンタテイメント性が強いという面でも共通していますね)。

昨年に続き7曲入り(うち1曲がインスト)というミニアルバムだったため、Amazonの評価は低いようですが、ただ、だからといって忌避してしまうのはもったいないような勢いのある楽しいファンクポップが並んでいます。特に、「インスト1曲、カバー1曲なので実質5曲」という評価が見受けられますが、でもこのカバーの1曲、アルバムの中でも重要曲だと思うし、なによりも十分「ミッチーの新曲」として聴ける出来だと思うんですけどね。ここらへん、いまひとつカバーの評価が低いんですよね、日本って・・・。

そしてラスト「炎上!バーニング・ラブ」はまたミッチーらしい陽気なファンキーチューンで締めくくり。確かに実質6曲のミニアルバムなのですが、及川光博というミュージシャンの特徴がよく出ているアルバムだったと思います。個人的にはここ数作のアルバムの中では一番の出来だったように感じました。また久しぶりにミッチーのライブに行きたいな・・・そう思わせてくれたミッチーらしいエンタメ要素もあふれた傑作です。

評価:★★★★★

及川光博 過去の作品
RAINBOW-MAN
美しき僕らの世界
喝采
銀河伝説
ファンタスティック城の怪人
さらば!!青春のファンタスティックス
男心DANCIN'
20 -TWENTY-
パンチドランク・ラヴ


ほかに聴いたアルバム

実録! 港カヲル人間生活46周年コンサート~演奏・グループ魂~(東京大阪いいとこ録り) /港カヲル

タイトル通り、先日、ソロアルバムもリリースしたグループ魂の司会者兼ボーカルをつとめる港カヲル(=俳優の皆川猿時)のソロライブ。ただタイトルにも書いているように演奏はグループ魂がつとめ、楽曲もむしろグループ魂の曲がメイン。事実上、グループ魂のライブアルバムとなっています。

ただやはりライブの中心は港カヲルのようで、先日彼がリリースしたソロアルバムからの曲も何曲か披露。ソロアルバムではネタとしても聴いていてちょっと辛いものがあったカバー曲に関してもライブの中ではしっかりと「ネタ」として昇華されており、それを含めて楽しめるライブアルバムに。コント的なMCを含めてライブの楽しさが伝わるアルバムになっていました。

評価:★★★★★

港カヲル 過去の作品
俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~

10-FEET入り口の10曲/10-FEET

タイトル通り、夏フェスではじめて10-FEETを聴くような人に向けてリリースされた、10-FEETを知るための10曲を収録した配信限定の入門盤。10-FEETは以前にベスト盤をリリースしていますが、レコード会社が勝手にリリースした非公式盤だったため、公式サイトでも紹介される公式のベスト盤はこれがはじめてといった感じでしょうか。

そんな訳で、これぞ10-FEETといった感じの代表曲が10曲並んでいるアルバム。10曲40分弱という長さも入門盤としてはちょうどよい長さといった感じ。アップテンポでメロディアスなパンクロックの連続。良くも悪くもフェスで人気のメロコアバンドらしい感じだな、といったバンドなのですが、フェスでは多くのリスナーを惹きつけて盛り上がりそう。夏フェスの予習としては最適な選曲でした。

評価:★★★★

10-FEET 過去の作品
VANDALIZE
Life is sweet
thread
Re:6-feat
6-feat 2

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