勘違いしていました(^^;;
Title:FEARLESS
Musician:ビッケブランカ
すいません、私、ビッケブランカというミュージシャンについては以前から知っていたのですが、ずっと韓流の男性アイドルと勘違いしていました(^^;;名前もいかにもですし、ルックスも韓流のアイドル顔。列記とした日本人(それも地元愛知県出身(!))の男性シンガーソングライターだったんですね。だから・・・というよりも影響を受けたミュージシャンとしてエルトン・ジョンやビリー・ジョエルをあげていたことから俄然興味が沸き、今回、はじめてアルバムを聴いてみました。
また今回のアルバム、なによりもジャケットが印象的。まるで何かの賞を取ったかのようにインタビューボードをバックにトロフィーを掲げる彼の姿。ただ残念ながら何かの賞を取った訳ではなく、あくまでも架空のもの。ただ微妙に誇らしげで微妙に恥ずかしげな笑顔も音楽賞を受賞したミュージシャンの写真としてよくありがち。いや、実によく出来たジャケット写真になっています。
さてそんな彼の楽曲なのですが、個人的には壺をつきまくりの陽気なポップソング。ピアノ+バンドサウンドという明るく分厚いサウンドにファルセット気味のボーカル。アルバムはイントロ的な1曲目に続く「Moon Ride」から、とにかくピアノをメインとした楽しいポップソングを聴かせてくれます。このピアノを軸としつつ底抜けに楽しいポップソングという点では個人的にも大好きなSUEMITSU&THE SUEMITHに近いものを感じます。ただSUEMITSUはバンドサウンドがより強く出ていてロック色が強いのに対して、彼の場合、圧倒的に「ポップ」の色合いが強くなっています。
特に彼の場合、ホーンセッションや打ち込みのシンセサウンドなどが入り、より賑やかで楽しいポップソングになっているのが魅力的。マイケル・ジャクソンからも強い影響を受けている彼は、例えば「Take me Take out」のようによりファンキーな楽曲も目立ちます。
また楽曲的にも「ピアノで明るいポップ」という一本調子な感じではなく「Stray Cat」のようなファンキーなエレクトロディスコチューンや「さよならに来ました」のような泣きメロをしっかりと聴かせるようなミディアムチューン、「Broken」のようなちょっと怪しげなメロディーがユーモアさも感じるポップスなど、バラエティーに富んだ作風を聴かせてくれ、その音楽性の懐の広さも感じさせます。
そして終盤「Slave of Love」はピアノ+バンドサウンドで祝祭色の強い楽しいポップソングを爽快なファルセットボイスで聴かせてくれる、まさにこれぞビッケブランカだ、といった感じのナンバー。さらにラスト「THUNDERBOLT」もミディアムテンポでポップなメロディーをしっかりと聴かせてアルバムは幕を閉じます。最初から最後までとても楽しくワクワクする素敵なポップソングが次々と登場するアルバムでした。
彼については、彼自身も影響を受けたミュージシャンとして名前をあげるMIKAとの類似性を上げることも多いのですが、確かにMIKA同様、とことん楽しいポップソングを聴けるシンガーだったと思います。個人的には上にも書いた通り、このポップソングがかなり壺にはまりました。
ただあえてマイナスポイントを言えば、これだけ素敵なポップソングが並びながらも、一発でメロディーが口から出てくるようなキラーフレーズを持った楽曲がなかったという点はちょっと気になりました。メロディーのインパクトが弱いといった感じではないのですが、サビはちょっと弱かったように思います。このキラーフレーズが一発出てくれば、一気に大ブレイクしそうです。
とにかく個人的には一気に注目度の増したポップシンガー。楽曲のエンタテイメント性も強いですし、これからまだまだ人気も伸びていきそうな予感がします。これからが非常に楽しみになってくるシンガーソングライターのアルバムでした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Mirage/Dub Squad
元ROVOの中西宏司、DJ Taro Acidaとしても活躍している山本太郎、そしてROVOの益子樹の3人によるテクノユニットによるなんと16年ぶりとなるニューアルバム。基本的にはトランシーなエレクトロサウンドを心地よく聴かせる中、ダブやファンク、フリージャズなどの要素を入れつつ複雑に構成された楽曲が魅力。「音」をしっかりと聴かせつつ、ダンスミュージックとしても高い機能性を有しています。久々の新作は2枚組となっており、Disc2にはDisc1の楽曲を砂原良徳やSystem7によってリミックスされた曲が並んでいます。こちらもDisc1の楽曲からグッと雰囲気の変わったエレクトロチューンが並んでおり、全く違った楽曲としても楽しめそう。久々のアルバムですが、メンバーそれぞれが個々で活動していただけに、16年というスパンを全く感じない傑作アルバムでした。
評価:★★★★★
佐野元春&ザ・コヨーテ・グランド・ロッケストラ LIVE AT 国際フォーラム/佐野元春
佐野元春最新のライブアルバムは、昨年3月22日に行われた東京国際フォーラム35周年アニバーサリー公演から厳選したライブ音源を、ミックス & リマスタリングした作品。ベスト盤的なセレクトとなっており、大人のロックバンドとも言うような安定感ある演奏でしっかりと聴かせてくれます。
評価:★★★★
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