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2017年8月25日 (金)

27分の短さにNINの魅力が凝縮

Title:Add Violence
Musician:NINE INCH NAILS

昨年12月、久々の新作として5曲入りのEP「Not The Actual Events」をリリースしたNINE INCH NAILS。その第2弾EPがリリースされました。本作も全5曲入り27分というコンパクトな内容。前作は配信+アナログリリースオンリーという形態だったのですが、今回は配信オンリーというリリース形態のようです。ただし9月には前のEPとあわせてCDでのリリースも予定されているようです。

前作「Not The Actual Events」はわずか5曲という内容の中に軽いポップな作風から歪みまくったへヴィーな楽曲までNINE INCH NAILSの魅力を凝縮したようなアルバムになっていましたが、今回のアルバムに関しても軽い作風からへヴィーな楽曲までわずか5曲という内容ながらもバラエティーに富んだ展開となっていました。

1曲目「Less Than」は今回のアルバムではもっともポップで聴きやすい作品に。テンポよいエレクトロな作風は、ちょっとベタな言い方だと「デジロック」という言い方がピッタリと来るような疾走感ある聴きやすいナンバーになっています。

ただ今回のアルバムに関しては2曲目以降、よりダークさを強調したような作品が並んでいました。2曲目「The Lovers」も3曲目「This Isn't the Place」もサウンド的にはへヴィネスさは薄めなのですが、幻想的で、非常にダークな雰囲気が漂うエレクトロサウンドが展開される構成になっています。

続く4曲目「Not Anymore」もダークさが終始漂うナンバーに。メタリックなエレクトロノイズがバックに流れる中、不気味に楽曲は展開。途中、突如へヴィーなノイズが耳をつんざくインダストリアルなナンバーに。ラスト「The Background World」もヘヴィーなノイズが覆いつくされるダークなナンバーになっています。

今回の作品はインダストリアル色も強いダークな作風になっているためポップスさはあまり強くなく、決して聴きやすいという類のアルバムではありません。一方で、前作と同様、NINE INCH NAILSの魅力をきちんと5曲に凝縮されたようなアルバムになっていました。いい意味でNINE INCH NAILSとはどんなバンドか知るには最適なEPとも言えますし、前作同様、ファンにとっても期待に沿ったアルバムにもなっていました。

もちろんNINE INCH NAILSというバンドにとって新展開といった感じではありませんし、バンドの特性から考えるとファンの期待に沿ったアルバムというのは必ずしもプラスの評価ではない部分もあるかもしれません。ただ間違いなく彼らの魅力を感じさせられる良作。ちなみにこのEPシリーズ、第3弾まであるそうです。ペース的には今年末か来年はじめあたりのリリースでしょうか。今から楽しみです。

評価:★★★★★

NINE INCH NAILS 過去の作品
GhostI-IV
THE SLIP
Hesitation Marks
Not The Actual Events


ほかに聴いたアルバム

Nothing Is Quick In The Desert/PUBLIC ENEMY

PUBLIC ENEMYの2年ぶりとなる新作は当初、突然無料ダウンロードという形でリリースし大きな話題を呼びました。そんな新作は全13曲入りながらも40分という比較的短い内容。テンポよい展開に聴きやすさを感じます。またサウンド的にもPUBLIC ENEMYらしいヘヴィーでロッキンなトラックがメイン。こちらも今風なサウンドからはかけ離れているちょっと懐かしさすら感じる部分もあるのですが、力強いサウンドゆえに彼らの主張がダイレクトに伝わってくるよう。彼らのラップのスタイルからするとこういうサウンドの方がマッチしているんでしょうね。ある種ロックリスナーにとっても聴きやすい、非常にパワフルさを感じるアルバムでした。

評価:★★★★★

Something To Tell You/HAIM

前作「DAYS ARE GONE」も大きな話題となったアメリカ・カリフォルニア出身の美人3人姉妹によるガールズバンド。前作同様、ロックというよりもR&Bからの影響が強いポップソングが特徴的なのですが、楽曲によってはへヴィーなギターサウンドを鳴らしていたり、サイケなサウンドが鳴っていたりとロックバンドとしての主張も確かに感じます。ただ前作同様、良く出来たポップソングなのですが、ロック路線もR&B路線も少々中途半端なイメージが残ってしまうのが気にかかりました。

評価:★★★★

HAIM 過去の作品
DAYS ARE GONE

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