これで「御三家」すべて復活
Title:Weather Diaries
Musician:RIDE
ここ数年、往年のシューゲイザーバンドの再結成、さらには久々のアルバムリリースが相次いでいます。まず2013年にはかのMy Bloody Valentineが実に22年ぶりとなるアルバムをリリース。さらに今年に入ってThe Jesus And Mary Chain、そしてSlowdiveが相次いでアルバムをリリースしました。
そんな中、マイブラ、Slowdiveと並んでシューゲイザー御三家と呼ばれることも多いシューゲイザー系を代表するミュージシャン、RIDEも前作「Tarantula」から21年ぶりとなるニューアルバムをリリースしました。もともと2014年に再結成。その後、ライブツアーなどを実施していたのですが、このたびようやくニューアルバムのリリースとなりました。ちなみにイギリスのナショナルチャートでは最高位11位を記録。惜しくもベスト10入りこそ逃しましたが、多くのファンが待ちわびていたということがよくわかる結果となりました。
さて、そんな往年のシューゲイザーバンド再結成ですが、アルバムの内容としては基本的に2つのパターンにわかれているような感じがします。ひとつは比較的アグレッシブに新しい音楽性に取り組もうとしている作品。マイブラやSlowdiveの最新作はそちらのベクトルを感じました。もう一方は往年のサウンドをそのまま引き継いだ作品をリリースしてきたケース。ジザメリの最新作はこちらのベクトルでしたし、RIDEの最新作ももっとも彼らが売れていた時期のサウンドをそのまま引き継いだような楽曲が並んでいました。
まず再結成後のアルバムの1曲目を飾る「Lannoy Point」からしてホワイトノイズなけだるさを感じさせるギターサウンドと疾走感あってポップなメロディーラインがいかにもシューゲイザー的な楽曲。続く「Charm Assault」もドリーミーな雰囲気のギターのエフェクトといいハイトーンなスネアのリズムといい、彼らが活躍した90年代初頭のインディーバンドを彷彿とさせるバンドサウンドを聴かせてくれます。
その後も「Home Is A Feeling」みたいにノイジーなギターで埋め尽くされた哀愁感あるメロディーを聴かせる曲があったり、「Lateral Alice」みたいなへヴィーでノイジーなギターリフ中心に展開されるガレージ色の強い作品があったり(ただこのギターサウンドも微妙に90年代初頭っぽい音なのですが)、ある意味期待通りの展開になっています。
特に後半の「Cali」なんかはキュートともいえるポップなメロディーラインとその背後で時々鳴り響く破壊的なギターノイズというアンバランスさがいかにもシューゲイザーちっくな楽曲になっており、聴いていてうれしくなってきます。
いい意味でリスナーの期待に沿ったアルバム。目新しさはないかもしれませんが、ただ昔ながらのシューゲイザーサウンドながらも20年以上たった今でもあまり古臭さを感じさせないのも驚かされます。今後もコンスタントに活動を続けていくのでしょうか。RIDEも一度、ライブを見てみたいなぁ。
評価:★★★★★
RIDE 過去の作品
OX4 -the best of RIDE
ほかに聴いたアルバム
Ladies & Gentlemen/The Rolling Stones
1972年の名盤「メイン・ストリートのならず者」リリース後の北米ツアーを収録した、映画として完成したものの、一般に公開されることなく40年近くお蔵入りになったストーンズのライブ映画「Ladies and Gentlemen」。2010年に無事公開され、DVD化もされましたが、そのライブ音源を収録したライブCDがリリースされました。
もっともDVDの方は既に持っていて映画も見ていますので音源自体は以前聴いたことある音源。ただ改めて聴くと、やはりまだアラサーの頃のメンバーの演奏なだけに非常に若々しく、かつアグレッシブ。一方でこの時点ですでにバンドとしては結成10年以上たったベテランの域に達しています。そういう意味では若々しさとベテランバンドとしての円熟味のバランスがちょうど良く取れたライブアルバム。DVDを持っていればわざわざチェックするまでもないかもしれませんが、これはこれで間違いなく傑作なライブアルバムに仕上がっていました。
評価:★★★★★
The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES)
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
SPITTING IMAGE/THE STRYPES
デビューアルバム「Snapshot」が日本でも大きな話題となったアイルランドのギターロックバンドTHE STRYPES。60年代以前のロックンロールやブルースの影響をダイレクトに受けたガレージロックが大きな魅力で、個人的にも来日公演に足を運ぶほど、一時期はかなりはまっていたバンドだったのですが、この最新作となる3枚目のアルバム・・・正直言って、つまらなかった・・・。
基本的にはシンプルなギターロック路線なのは以前とは変わりません。ただ以前のアルバムで強く感じたルーツ志向はかなり薄くなってしまい、楽曲によってはむしろ80年代のオルタナ系ギターロック調ものも。ポップなメロディーラインはそれなりにインパクトはあるものの、THE STRYPESとしての個性は薄くなってしまい、正直、凡百なインディーギターロックになってしまったというイメージが。3枚のアルバムでどんどん出来が右肩下がりになってしまっているところが非常に気になってしまいます。このまま終わってしまってほしくないバンドなのですが・・・。
評価:★★★
THE STRYPES 過去の作品
BLUE COLLAR JANE
SNAPSHOT
HARD TO SAY NO EP
LITTLE VICTORIES
LIVE IN TOKYO 2015
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