90年代を代表する名盤
Title:OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017
Musician:RADIOHEAD
RADIOHEADを代表するアルバムであり、なおかつその後のRADIOHEADの方向性に決定的な影響を与えたアルバム「OK COMPUTER」。RADIOHEADにとってももちろんのことですが、90年代を代表する名盤として非常に高い評価を受ける本作。アルバムリリースから20年たつ今年、本作をリマスターした20周年記念盤がリリースされました。
「OK COMPUTER」については1997年の発売直後に聴いた訳ではありませんが、聴いたのはおそらく98年か99年の頃。次作「Kid A」がリリースされる前に、その当時のRADIOHEADの最新作としてはじめて聴きました。その当時、すでに「名盤」としての地位を確立していた本作なのですが、最初聴いた感じとしては時折、心をかきむしられるようなメロディアスなフレーズは入るものの、基本的に無機質で難解なアルバムという印象を受けました。
今回、20周年記念盤ということで久しぶりに聴いてみたのですが、予想外にポップで聴きやすいアルバムという印象をまず受けてしまいました。確かにその後彼らがリリースした「Kid A」や「Amnesiac」に比べると間違いなくポップで聴きやすい本作。はじめて聴いた時もそのメロディーが気に入った「PARANOID ANDROID」「KARMA POLICE」なんかはもちろんのことなのですが、それ以外の曲に関しても確かにアルバム全体として無機質という印象は受けるのですが、思った以上ポップで聴きやすいアルバムという印象を受けました。その後RADIOHEADがつくりあげた音楽と比べると、この時期の楽曲は今から考えると十分「ポップ」だったということなのでしょうね。
さて今回のアルバムで注目されるのはDisc2。その当時リリースされたシングルのカップリング曲が収録されているのですが、さらに「I Promise」「Man Of War」「Lift」という未発表曲3曲が収録されていることが大きな話題に。特に「Lift」に関してはいままでもライブで何度も披露されていた最も有名な未発表曲だったそうで、ファンにとっては待ちに待った音源化となりました。
「I Promise」も「Man Of War」もストリングスを取り入れて美しく聴かせつつ、非常に切ない雰囲気の叙情的なメロディーラインが強く印象に残る楽曲。また「Lift」に関しては比較的シンプルなギターロック。ただこの楽曲も美しくインパクトあるメロディーラインが実に魅力的なギターロックに仕上がっていました。
このDisc2におさめている曲はこの未発表曲3曲を含め、基本的に哀愁感ただようメロディーラインは「OK COMPUTER」に近い雰囲気を持っています。そういう意味で上手くアルバムの中に織り込むことは可能だったようにも思います。ただ一方、Disc2の曲に関しては「OK COMPUTER」の作品に比べるとより叙情的で、かつ有機的な雰囲気を感じました。そういう意味ではこれらの曲が入ると、今、「OK COMPUTER」が持っている無機質的な雰囲気が大きく変わってしまうかもしれません。Disc2に収録された曲たちがアルバム未収録となった大きな理由はそこらへんにあったのかもしれません。
今聴いても間違いなく多くの人の心に強いインパクトを与えてくれる名盤「OK COMPUTER」。未チェックの方はこれを機に是非。もちろんリアルタイムで聴いていた方も、後追いで聴いた方も、再度チェックしてほしいボリュームたっぷりの20周年記念盤でした。
評価:★★★★★
RADIOHEAD 過去の作品
In Rainbows
The Best Of
ROCKS:Live In Germ
THE KING OF LIMBS
TKOL RMX 1234567
Radiohead Live at Tramps June 1,1995
A MOON SHAPED POOL
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