学生時代にまつわる日常ネタ
Title:手のひらを満月に
Musician:ブリーフ&トランクス
2012年の再結成以来、ほぼ1年に1枚というハイペースでアルバムをリリース。前作ではメジャー再デビューを果たすなど積極的な活動が続くブリーフ&トランクス。ただ短期間でのリリースが相次いだためか前作では正直なところ若干ネタ切れでは?という事態になり、それだけにそこからわずか1年ちょっとのインターバルでリリースされた本作も、どうなんだろうか、と思いつつアルバムを聴き始めました。
しかし、ここでまさかのブリトラ復活!日常生活の中の「あるある」ネタをユニークな視点から織り交ぜつつ、2人によるシンプルなアレンジとハーモニーによって繰り広げるスタイルは本作も健在。特に本作はここ数作の中でもっとも「ブリトラ」らしいネタがつまっていました。
例えば「奇跡のアレ」はサイモン&ガーファンクルばりの美しいギターアルペジオと2人のハーモニーをきかせながら歌っているネタはうんこネタというギャップはいかにもブリトラらしい感じ。「へーへーへー」や「逆に」なんかは日常生活の中でつい口にしてしまうフレーズをユニークに切り取っているのも彼ららしい感じ。「チンポジ」なんかは男性あるあるネタ。ネタ的にはよくありがちなのですが、タイトル通りのテーマを歌詞に取り入れてポップに歌い上げているのは彼ららしいところでしょう。
「虫女」のような異常に虫に好かれる女性という若干ありえないテーマ設定ながらも笑えるようにまとめているのも彼ららしい感じ。そんな中でも特におもしろかったのが「大寝坊」。タイトル通り、大切なテストの日に大寝坊した朝の模様を描いたのですが、歌詞の内容と曲の疾走感がピッタリとマッチ。オチもなかなか秀逸で非常に笑えるネタに。また「ジェットコースター」もジェットコースターにのりながら愛の歌を歌いというある意味一発ネタが笑えます。
今回のアルバムは「学生時代にまつわる半径5メートル以内の日常」をテーマとしたコンセプトアルバムだそうですが、その通り、基本的に学生時代のネタがほとんど。アラフォー世代の彼らが学生あるあるネタを歌うテーマ設定は若干違和感を覚えるものの、この手のネタは彼らにとってまさに十八番。自分も学生時代に似たようなことがあったなぁ・・・なんてことをちょっと懐かしく感じつつ、同時にクスッと笑いながら一気に楽しめたアルバムでした。
前作でネタ切れか?と思われたのですが、彼らが温めているネタはまだまだありそう。まだまだこれからの活躍も期待できそうですね。次回作でも是非ともまた私たちをクスッと笑わせてほしいです。
評価:★★★★★
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