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2017年7月29日 (土)

釈迦兎最後のアルバム

Title:Her
Musician:SHAKALABBITS

1999年に結成し、2002年には175Rとのコラボによりリリースされた「STAND BY YOU!!」が大ヒットを記録し一躍ブレイクを果たした4人組パンクロックバンドSHAKALABBITS。2000年代には高い人気を誇っていましたが、2000年代終盤あたりから徐々に人気が下落。その後、一時期の人気からは落ち着いたものの一定の支持を得つつ、活動を続けていました。

しかしそんな彼女たちも結成17年目になる2017年いっぱいで活動休止を発表。そして彼女たちのラストアルバムであり5年ぶりとなるニューアルバムを発表しました。今回紹介するアルバムがそのアルバムです。

もともとは「スカパンクバンド」という枠組みでデビューした彼女たちでしたが、以前からが楽曲はポップでメロディアスなシンプルなギターロック。今回のアルバムでも基本的にそのスタンスは変わりありません。楽曲によってはスカの要素を入れている曲もあるのですが、アルバム全体としてはスカパンクというよりもシンプルなギターロックという印象を受けます。

楽曲的には非常にポップで聴きやすい内容。UKIのハイトーンで人なつっこいようなかわいらしいボーカルも楽曲のポピュラリティーに大きく寄与しています。バンドサウンドは適度にヘヴィーでノイジーなギターが心地よい感じ。今回のアルバムでも「至福のトランジスタ」「Climax」などそれなりにへヴィーなバンドサウンドを聴かせてくれるのですが、バンドサウンドのほどよい分厚さが聴いていてとても気持ちよく感じさせてくれます。

また楽曲の勢いも結成17年たった今でもあまり変わりありません。確かに結成直後らしい初期衝動的な部分はなく、いい意味でのベテランバンドらしい安定感はあるものの、軽快でパンク色も強いギターロックにはいまでも十分勢いがあり、いい意味での若々しさを感じます。メンバー全員30代後半の彼女たちですが、今でも若手バンドに負けない力強さを楽曲からは感じることが出来ます。

デビュー当初からスタンスとしてほとんど変わっておらず、そういう意味では17年たった今、なぜ無期限の活動休止になるのか、若干疑問に感じる部分もあるのですが、長くやってきたからこそ、メンバーの間にちょっとずつズレが生じてきたのでしょうか。この無期限が事実上の解散なのか、将来的な活動再開を前提としたものなのかは不明なのですが、残念に感じます。

もっとも本作もアルバムとしては目新しさもなく、良くも悪くも大いなるマンネリといえる部分もチラホラ。そういう意味でも17年たってメンバーそれぞれ新たな一歩を進むため、とりあえずSHAKALABBITSとしての活動はお休みということにしたのでしょうか。目新しさがないという意味でもは4つが最適な感じはするのですが、ただこれが彼女たちにとって事実上最後のアルバムということでこれまでの活動に敬意を表して下の評価で。またいつかの活動再開を願っています。

評価:★★★★★

SHAKALABBITS 過去の作品
SHAKALABBITS
4 ALL AGES
Phasemeter Trippin' Bug Shake
Condenser Baby
BRACKISH
Rabbits,Rabbits,All the way 1
Rabbits,Rabbits,All the way 2

What do I crave to see?


ほかに聴いたアルバム

AKG TRIBUTE

AKG=ASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲を彼らに影響を受けた若手ミュージシャンがカバーしたカバーアルバム。参加しているミュージシャンはいわゆる今時のバンドなのですが、正直言って全体的に力不足。小粒感は否めません。あえていえばアジカンの楽曲を完全に自分たちの曲として作り替えているamazarashiくらいでしょうか。ただ一方でLILI LIMITなどキラリと光るようなカバーもチラホラあったため、今後次第ではおもしろくなってくるバンドもいるかも。全体的にそれなりに悪くはないので聴いて損のないアルバムだとは思いますが。

評価:★★★★

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