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2017年7月15日 (土)

文字通り「初のオールタイムベスト」

Title:YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM 「ゆずイロハ 1997-2017」
Musician:ゆず

タイトル通り、デビューから20年を迎えたゆずの初となるオールタイムベスト。最近、「初のオールタイムベスト」を名乗るベスト盤が多くリリースされています。ただ、その自称「初のオールタイムベスト」の中には、つい数年前に同じく通常のベスト盤を出しているミュージシャンも少なくなく、「この前リリースしたベスト盤とどこが違うの?」と思ってしまうケースも少なくありません。

ゆずに関しても最初は「あれ?この前ベスト盤出したばっかりじゃ・・・?」と思ったのですが、彼らの場合、いままで3枚のベスト盤をリリースしてきましたが、いずれも1997年~2000年、2001年~2005年、2006年~2011年とベスト盤同士の収録曲が重ならないように期間を区切っており、そういう意味では文字通り、キャリア通じてのオールタイムベストはこれが初のリリースとなります。

ゆずといえばご存じの通り、横浜桜木町でのストリートライブで人気を集めたことがデビューのきっかけ。ゆずのブレイク後、一時期街角という街角にストリートミュージシャンがあふれ、一種のブームとなりました。

彼らのデビューシングルでありこのベスト盤の1曲目に入っている「夏色」はまさにそんなストリート時代の空気をそのままパッケージした楽曲。基本的にアコースティックギターがメインの構成のシンプルなポップソングでストリートの現場がそのまま伝わってくる勢いと瑞々しさを感じます。

ただ今回のオールタイムベストを聴いてあらためて感じたのは彼らがデビューから20年たった今でもストリートのあの頃の雰囲気をそのまま持っている、ということでした。もちろんアコースティックギターのみで曲を奏でていた20年前から彼らも様々な曲に挑戦しています。ストリングスやピアノなどを入れてスケール感のある曲も数多く披露しています。しかし、基本的な路線はデビュー当初から今に至るまで変わらないように感じました。具体的に言えば彼らの曲はおそらく今、彼らが2人だけでストリートに出てアコギ1本で演奏してもしっかりと映えるような曲ばかり。それはどの曲もシンプルなメロディーラインと歌詞で成り立っているから、という言い方もできるかもしれませんが、ストリート時代の曲の作り方は今に至るまでそのスタンスはほとんど変わっていないように感じます。

今回のアルバムに関しても1曲目にデビューシングル「夏色」が来たかと思えば2曲目にいきなり「栄光の架橋」と続きます。ご存じアテネ五輪のNHK中継テーマソングとして大ヒットしたこの曲はストリングスを大胆に入れ、少々仰々しいアレンジが印象的な楽曲。アレンジという観点で言えばストリートに直結している「夏色」とは対照的な曲なのですが、この2曲を並べて聴いても意外なほどに違和感がありません。それだけ彼らの曲は根本の部分に大きな変化がないことの証拠ともいえるでしょうし、彼らもひょっとしたらそれを示すためにあえてこの2曲を並べたのかもしれません。

ちなみに今回のベスト盤でユニークなのは3枚のCDの最後に、それぞれいきものがかり、back number、SEKAI NO OWARIとのコラボでゆずの曲をカバーしています。これが3バンドとも彼らの色とゆずの色がしっかりと混じっていてなかなかユニークなコラボになっています。いきものがかりとの「イロトリドリ」はさすが両者ともストリート出身なだけに息もピッタリ。back numberとの「サヨナラバス」はバンドサウンドが入って分厚いサウンドとなり原曲とはちょっと雰囲気が異なる曲に。そしてセカオワとの「悲しみの傘」はセカオワらしいキラキラした音作りがゆずの世界観とはちょっと異なるものの、これはこれでなかなかおもしろい組み合わせになっていました。

全3枚組というボリューム感あるベスト盤でしたが、どの曲もポップなメロディーと心に響く歌詞ばかりであっという間に聴けてしまったアルバムに。懐かしい曲からここ最近の曲まで並んでいるのですが、要所要所にきちんと耳に残るヒット曲を20年間断続的にリリースしているのはさすがといった感じでしょうか。まだまだ彼らの活躍は次の20年間もその先も続いていきそうです。

評価:★★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-
YUZU YOU[2006-2011]
LAND
新世界
二人参客 2015.8.15~緑の日~
二人参客 2015.8.16~黄色の日~

TOWA

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