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2017年7月24日 (月)

1日1曲 第2弾

以前紹介した日本のポピュラーミュージックの名曲を1日1曲というコンセプトで1年かけて紹介しようという企画「大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs」。以前、第1弾として1月から3月分を紹介しましたが今回は第2弾。4月から6月分の紹介です。

Title:大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~「4月 桜」

ここ最近はちょっと落ち着いたものの、例年、嫌というほどリリースされる「桜」を題材とした楽曲たち。この4月バージョンではDisc1のテーマは「桜」ということで、その桜ソングがズラリと並んでいます。「桜」の曲をCD1枚分くらい収録するのは余裕でしょうね。ただ河口恭吾の「桜」は収録されているのですが、福山雅治の「桜坂」やコブクロの「桜」、森山直太朗の「さくら(独唱)」あたりのヒット曲が収録されていないのはちょっと残念です。

Disc2も「花の歌」をテーマに、花を題材とした曲が並んでいます。この桜ソングも花をテーマとした曲も共通しているのが切なく聴かせるような曲もあるものの、全体的に爽やかさを感じる点。「花」に対する想いに共通するものを感じます。

また今回の選曲で特に耳を惹いたのが川本真琴の「桜」。久しぶりに聴いたのですが、めくるめく展開を見せる楽曲の構成といい、友人との別れの心境を桜を背景に描写した歌詞といい、非常に魅力的かつ独特。最近はスキャンダラスな話題でネガティブに捉えられてしまった川本真琴ですが、やはり彼女を称する時は「天才」という2文字を与えざるを得ないな、と強く感じる名曲。それだけに今の彼女をめぐる状況が残念で仕方ないのですが・・・。

評価:★★★★★

Title:大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~「5月 東京」

続く5月のテーマは「東京」。Disc1は「母の日」があるということで「母の歌」がテーマ。タイトル通り、母親に対して歌われた曲が並んでいます・・・が、正直言ってつまんなかった・・・なんか単純に母親への感謝が歌われるばかりでいまひとつひねりがなく、単独で聴くならともかく、それだけ並んでいると聴いていて辛いものがありました。例えばDreams Come Trueの「晴れたらいいね」とかウルフルズの「かわいいひと」みたいな母親に対する曲でも単純な感謝ではなく、ちょっとひねりが入った曲があればもうちょっとおもしろかったと思うのですが。

また、海援隊の「母に捧げるバラード」って「名曲」とされているけど今から聴くと微妙だよね・・・息子を罵倒する歌詞も、まあ愛情の裏返しというのはわかるのですが、一歩間違えると「毒親」と捉えられかねませんし、

「人間働いて、働いて、働きぬいて、
もう遊びたいとか、休みたいとか思うたら
一度でも思ったら、はよ死ね。」

(「母に捧げるバラード」より 作詞 武田鉄矢)

という歌詞は文脈から判断しても完全にダメでしょ。多分、武田鉄矢あたりの世代にとってはこの考え方が常識だったのかもしれませんが、こういう考え方の管理職が多いから、いまだに「過労死」だの「サービス残業」だの「パワハラ」なんかが横行するんだよなぁ。(いや、この曲自体はその時代性を考えれば「名曲」なのは十分わかりますけどね)

Disc2は「東京ソング」ということで東京をテーマとした曲が並んでいるのですが、こちらはほとんどが70年代あたり以前の歌謡曲ばかり。確かにJ-POPの時代になって地名を織り込んだ曲が極端に減っているということはわかるのですが、ただ東京だけに関しては、以前、「東京こんぴ」なるコンピレーションが組まれるなどいまでも多くのミュージシャンが題材として取り上げています。この企画のおもしろさは60年代70年代あたりの歌謡曲と80年代以降のJ-POPを同じ俎上に載せているということだと思っているのですが、それならJ-POPでも「東京」をテーマとした曲が多いのだから、もっと最近の曲も取り上げてほしかったです。残念ながら5月についてはこれまでの中で一番おもしろみのない内容でした。

評価:★★★

Title:大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~「6月 結婚」

6月といえばジューンブライド。というわけで6月のテーマは結婚。Disc1ではウェディングソングが並んでいます。ユニークなのは昔の曲から最近の曲に、厳密な順番ではありませんが並んでいるという点。昔から現在までの「結婚観」を読み取れる構成なのがユニークです。加山雄三の「お嫁のおいで」などは女性が男性の家に「嫁入り」するという結婚観がある一方、吉田拓郎の「結婚しようよ」くらいからは結婚に対して男女平等という関係が構築されているのがユニーク。ただこの結婚観がその後さほど変化していないのが気になるところなのですが。

個人的にはさだまさしの「関白宣言」とか西野カナの「トリセツ」あたりが入ると面白かったな、とは思うのですが、ここらへんは大人の事情もあって難しかったんでしょうね。ちょっと残念です。

一方Disc2は6月らしく「雨の歌」。じめっとした「雨」にふさわしい、哀愁感ある楽曲が何でいます。ただこちらも歌謡曲がメインとなってしまい、最近の曲が少ないのが残念。雨を題材とした曲はいまでも少なくないと思うのですが。もっともそんな中、ラストにRCサクセション「雨あがりの夜空に」を持ってきた構成は良いですね。ちょっとじめっとした曲が並ぶ中、最後は爽快なこの曲を持ってきてカラッと終わらせるという流れは聴いていて気持ちいいものを感じました。

評価:★★★★

大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs 過去の作品
1月 新年
2月 告白
3月 卒業

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コメント

大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~「5月 東京」はくるりの「東京」が入っていればよかったかなと・・・

投稿: ひかりびっと | 2017年7月25日 (火) 09時44分

>ひかりびっとさん
くるりの「東京」は名曲ですね。

投稿: ゆういち | 2017年7月26日 (水) 23時44分

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