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2017年7月30日 (日)

Googleでは検索しずらいバンド・・・。

Title:0'年代の電車 3TITLES
Musician:電車

今回紹介するのは「電車」なるバンド。非常に奇妙な名前のバンドで、Googleでも非常に検索しずらいバンドですが、このバンドは筋肉少女帯の大槻ケンジを中心に2001年に結成されたバンド。他には筋肉少女帯の元メンバーである石塚"BERA"伯広、マルコシアス・バンプの佐藤研二、すかんちの小畑ポンプによる4人組バンド。「30代の男たちのアングラロマン」をテーマに活動を続け、2004年に大槻ケンジの脱退により活動を休止するまでにオリジナルアルバム2枚、ライブアルバム1枚をリリース。その後2014年に再始動し、セルフカバーアルバム1枚をリリースしています。

今回のアルバムは2000年代にリリースされたアルバム3枚をこのたびリパッケージされて再発された3枚組のアルバム。今となっては入手困難なアルバムもあり、ファンにとってはありがたい再発盤となったのではないでしょうか。

さてバンドのテーマとして「30代の男たちのアングラロマン」をかかげて活動を行った彼らですが、基本的にバンドのスタイルとしてはエフェクトかかったノイジーなギターを前に押し出したちょっとサイケデリックな要素を取り入れたギターロック。ただ、楽曲によってはジャジーな要素を上手く取り入れて妖艶な雰囲気を醸し出したり、歌謡曲なテイストを入れてきたりして「アングラ」という雰囲気を出してきています。

ただ本作のDisc1でありバンドとしても1枚目の「電車トーマソ」はこのアングラ的な怪しさはちょっと薄め。この「アングラロマン」というバンドとしての方向性がより明確に感じられるのは2ndアルバムであり本作のDisc2として収録されている「勉強」からでしょう。「OUTSIDERS」ではストリングスを入れて妖艶な雰囲気を醸し出していますし、「星屑と赤い闇のブルース」はうさん臭い音楽プロデューサー(?)による語りがオーケンらしいユーモラスを出しつつ、非常に怪しげなナンバーになっています。

そしてこの方向性がより強調されたのがライブアルバムであり本作のDisc3である「電車英雄」。序盤「私のビートルズ」は客席からのテープ録音のような非常に録音状態の悪い音になっているのですが、この音の感じがいかにも「アングラ」といった感じになっていますし、「OUTSIDERS」「喰らわれた女の歌」などサイケな楽曲はよりサイケな雰囲気が増しています。このライブ盤が電車というバンドのひとつの完成形だと思われます。

オーケンらしいユーモアセンスや自嘲的な歌詞も要所要所に登場しており、筋肉少女帯あたりが好きでももちろん文句なしに楽しめそうな内容。3枚組のボリュームですが、ダレることなく楽しめたアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。~Wonderful Summer~/野宮真貴

元ピチカート・ファイブのボーカル、野宮真貴による、渋谷系、あるいはその周縁部やルーツとなる曲をカバーする企画「野宮真貴、渋谷系を歌う。」。本作が4作目のアルバム。今回は「夏のヴァカンスの名曲」をテーマにカバーを行っています。

このシリーズももう第4弾ということでそろそろネタ切れ気味・・・と思いつつも、本作では爽やかなポップソングが野宮真貴のボーカルにピッタリ。特に小西康陽がPUFFY吉村由美に提供した「V・A・C・A・T・I・O・N」など、野宮真貴と非常に相性が良く、小西康陽と野宮真貴の相性の良さを感じます。なにげにここ数作の中では一番楽しめたカバーアルバムでした。

ただ、とはいえ全12曲中5トラックがボーナストラック、うち2トラックがライブMCとネタ切れ気味は否めません。そろそろこのプロジェクトも区切りをつける時期かも。次回作は彼女の新たなプロジェクトを期待したいところです。

評価:★★★★★

野宮真貴 過去の作品
実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」
世界は愛を求めてる。-野宮真貴、渋谷系を歌う。-

XXL/岡崎体育

今、もっとも話題のシンガーソングライターながらも個人的には前作「BASIN TECHNO」を大酷評した岡崎体育。新作も聴くのは迷ったのですが・・・ただ大森靖子みたいなずっと酷評していたものの最新作で傑作に出会えた、というケースもあるだけに聴いてみました。

「自分はわかってます」的なメタ視点が非常に鼻についた前作と比べると今回は「ネタ的」な曲は少な目。聴いていてイライラした前作に対すると今回はそういう感情は抱かずにアルバムを聴くことが出来ました。ただ今回もONE OK ROCK風のサウンドにのせて楽曲とはアンマッチな歌詞を歌う「感情のピクセル」や、日本語なのに英語に聴こえるような日本語の歌詞を歌う「Natural Lips」などが話題になっているのですが、ねえ、これおもしろい???サウンドと歌詞のアンマッチなんて、SEX MACHINEGUNSみたいにそのネタだけでブレイクしたミュージシャンもいるし、日本語を英語風に歌うって、SOUL'd OUTが既にやっているよね・・・(苦笑)。

今回、比較的アルバムとして聴けたのは、アルバムの後半にはネタ曲がなくなり真面目な曲が並んでいたという点。この真面目な曲に関しては確かにメロディーもインパクトはあるし、エレクトロサウンドやラップを取り入れた楽曲もバリエーションがあるのですが、逆にミュージシャンとしての芯の部分がちょっと弱いように感じてしまいました。

前作のように聴いていて腹が立つということはなかったのですが、逆にそれだけ薄味になってしまったようにも感じます。正直、本作を聴いてもやはりまだ「ハイプ」という印象は否めませんでした。次回作・・・聴くかどうか微妙だな・・・。

評価:★★★

岡崎体育 過去の作品
BASIN TECHNO

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アルバムレビュー(邦楽)2017年」カテゴリの記事

コメント

ゆういちさん、こんばんは。

岡崎体育は個人的にも好きなアーティストなので、出来ればこの次の作品も聴いていただければありがたいです。

投稿: 通りすがりの読者 | 2017年7月31日 (月) 00時43分

>通りすがりの読者さん
うーん、個人的にわざわざ「けなす」ために聴くことはしないので、次の彼のアルバムを聴くかは考え中です。申し訳ありません。

投稿: ゆういち | 2017年8月 6日 (日) 23時20分

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