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2017年6月27日 (火)

スペアザと各ミュージシャンの個性が融合

Title:SPECIAL OTHERS II
Musician:SPECIAL OTHERS

ジャムインストバンドとしては異例ともいえる人気を獲得。オリジナルアルバムはベスト10入りを記録し、武道館ワンマンもソールドアウトを記録するなど高い人気を誇っています。そんな彼らも昨年10月にメジャーデビュー10周年。その10年目の記念作の第2弾が本作。2011年にコラボ作を収録したアルバム「SPECIAL OTHERS」をリリースしていますが、本作はその第2弾となります。

セルフタイトルというとミュージシャンにとっては思い入れがアルバムだったりバンドとして象徴的ともいえる作品につけるもの。前作「SPECIAL OTHERS」もそうですが、そのセルフタイトルをコラボ作につけているというあたりに彼らのコラボ作に対する思い入れを感じることが出来ます。

今回のコラボ作では5曲で5人1組のミュージシャンたちとコラボをしていますが、そのどの曲もSPECIAL OTHERSの個性とコラボ相手のミュージシャンたちの個性が上手くブランドされていてとてもユニークなコラボに仕上がっていました。おそらく一番ユニークだったのがラスト、在日バンド浜野謙太とコラボした「かませ犬」とのコラボ。在日バンドなりのファンキーなハマケンのボーカルがいつも通りのスペアザの音と上手く融合。在日バンドとスペアザの個性がまさにぶつかり合ったような作品に仕上がっています。そういえば「在日バンドの」という言い方をしたけど、浜野謙太って、スペアザと同じインストバンドのSAKEROCKのメンバーでもありましたよね・・・。

またユニークさといえばTHE BACK HORNの山田将司と9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎とコラボした「マイルストーン」もおもしろい作品に。もともとTHE BACK HORNと9mm Parabellum Bulletといえばどちらもへヴィーなバンドながらもメロがどこか歌謡曲的な部分を含んでいるという意味で共通項を感じさせるバンド。そのため山田将司と菅原卓郎のコラボというのも相性がよく、これにスペアザのサウンドが加わることによって、THE BACK HORN、9mm、スペアザの3組のバンドが融合したような独特の音に仕上がっています。

他の「ザッチュノーザ」はせっちゃんとのコラボ。ただこの曲に関しては斉藤和義風というよりはスペアザの曲にせっちゃんのボーカルがのっかかったような楽曲。もうちょっと楽曲自体にせっちゃんの色が入った方がおもしろかったような。RIP SLYMEとのコラボ「始まりはQ(9)CUE」はしっかりRIP SLYMEとスペアザのサウンドが融合したような楽曲に。スペアザのサウンドとラップとの相性の良さも感じます。04 Limited SazabysのGENとのコラボ「loop」もちょっとボーカルの弱さを感じますが、04 Limited Sazabysらしさも出ているナンバー。若手ミュージシャンとのコラボらしい若さというか初々しさも感じるコラボになっています。

前作「SPECIAL OTHERS」も様々なミュージシャンが参加したユニークなアルバムでしたが、今回のコラボ作もたった5曲入りながらも個性的なコラボになっており、とてもおもしろい作品になっていたと思います。なにより個々のミュージシャンの個性とSPECIAL OTHERSの個性がしっかりと融合させていたという点がおもしろかったように感じました。この調子で、是非とも第3弾、第4弾も期待したいところ。コラボを通じてSPECIAL OTHERSの魅力も再確認できたアルバムでした。

ちなみに初回盤には2枚組のベスト盤も同時収録。あらためて彼らの代表曲を聴くと、メロディアスでポップな曲が並んでいます。いい意味で聴きやすさのある楽しい雰囲気の楽曲が並んでおり、確かにこれは売れそうだなぁ、という印象も。こちらも聴きごたえのあるベスト盤でした。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day
Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~
LIGHT(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)
WINDOW

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